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【大リーグ】イチロー 松坂撃ちで加速!! 10年連続偉業へあと11本2010年9月16日 紙面から
【シアトル秋野未知】松坂撃ちで大台へ一気に加速−。マリナーズのイチロー外野手(36)が14日(日本時間15日)、当地のレッドソックス戦で3安打の固め打ち。今季2度目の対戦となった松坂を2安打1打点と粉砕して、10年連続200安打へ弾みをつけた。一方のレッドソックス・松坂大輔投手(30)は6イニング0/3を投げ5失点。前日に30歳の誕生日を迎えたが30代初白星はならず、2年ぶりの2ケタ勝利はまたもお預けとなった。試合はレッドソックスが9−6で勝った。 快音を残した打球が二遊間を抜けた瞬間、マウンドの松坂が険しい表情を浮かべた。対照的なのは一塁ベース上のイチローだ。いつものように死球対策用のプロテクターを涼しい顔で外した。今季188安打目。この一打で、松坂をマウンドから引きずり降ろした。 「打ち取られれば悔しいし、打てば(他の投手よりも)うれしい。(松坂が)何か使命感を持ってマウンドにいる。それを自覚しているのがいい」 日本時代に初対戦した99年から続くライバル関係。オフには会食を共にする間柄も、グラウンドに入れば軽い挨拶程度と一線を引く。今季は7月25日に2年ぶりに対決して3打数無安打。この日はまさに松坂のお株を奪う“リベンジ”に成功だ。1回左飛、3回四球に続く5回の第3打席。2点を追う無死一塁の場面で、イチローが全神経を研ぎ澄ます。2球目の速球を強振。きれいに左中間を破るタイムリー二塁打だ。さすがのイチローも、この日は自然と冗舌になった。 「松坂と対戦するのはスリリング? 好きやねえ、そういうの。でも、やられたときは悔しいけど、ちょっと気持ち良さもあるからね。そこがちょっと(他の投手と)違うとこじゃないかな。松坂の心意気を感じるから? その表現は好きではないですけどね。まあ、その種類のものだと思いますけど…」 特別視する松坂との対戦を終えても、この男には目指すべき頂がある。9回には守護神パペルボンから鋭い打球で一、二塁間を抜き、8月21日ヤンキース戦以来となる猛打賞。10年連続200安打まで残り17試合で11本、日米通算3500安打までM3とした。チームは敗れ、リーグ最速で90敗に到達。それでも地元のファンにせめて明るい話題は届けたい…。松坂撃ちで加速したイチローが、セーフコフィールド名物「ICHI−METER」の数字を今年も200に乗せてくれるに違いない。
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