DOL特別レポート
【第83回】 2010年9月15日
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密室談合よりはマシだった民主党代表選
いまこそ「首相公選制」を考える絶好の機会

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 形式的には、国民が国会議員を選び、その国会議員が首相を選ぶのだから、間接的に国民が首相を選んでいるとも言える。問題は自民党政権末期から、現在の民主党に見られるように、与党の党首=首相が短期間にコロコロ変わる事態が起こった場合である。

 この場合、二つの大きな問題が発生する。一つは民主的な権力の正統性である。与党の事情によって党首が変わっているのだから、間接的にでさえ、国民が選んだとは言えなくなる。二つ目が、リーダーシップの問題である。民主的な正当性に疑問がつくうえに、在任期間が短くなるから、権力基盤が弱く指導力を発揮することができない。

 この問題を克服するための制度として議論されているのが、「首相公選制」だと言える。簡単に言うと、これは国民が直接、首相を選べるという制度で、「直接」という点が、現在の議員内閣制と大きく異なる。もちろん、首相公選制にも多くのバリエーションがある。

自分たちの民主主義の
「かたち」を作り上げるとき

 小泉純一郎首相時代の2002年8月に「首相公選制を考える懇談会」が出した報告書を参考にすると、首相公選制は、次の二つに大別できる。

 一つ目は、国民が直接に首相指名選挙を行うというもの。いわゆるアメリカの大統領制に近い。この場合は、行政を執行する内閣と、立法権限を持つ国会の機能と権限・責任が、明確に分けられる。一般的には、国会は内閣不信任の権限を持たないので、内閣は定められた期間中、長期に安定して政権を維持することができる。官僚の任命権も広がるので、「官僚内閣制」を打破するには、こちらの方が向いていると言える。

 日本の場合は、「首相」と「天皇」のどちらが国を代表する「元首」なのかという問題が起こるものの、この点は憲法上乗り越えられるという意見が強い。実際上の問題は、まず首相にふさわしくない人間が選ばれる可能性があるということだ。この場合は、そういう人を選んだのも国民の責任と言えるが、さらに大きな問題は首相と国会の「ねじれ現象」が起こった時だ。首相を支持する政党と国会の最大多数の政党が異なるケースである。

 このケースでは、首相も国会議員も選挙で直接選ばれているので、現在の衆参ねじれ現象以上に対立が激化して、政策遂行に障害をきたす恐れがある。実際、大統領制度がうまく機能している国は、アメリカだけという評価もある。

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