菅首相 外相には前原氏起用 党人事は「脱小沢」を強化
毎日新聞 9月17日(金)2時30分配信
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前原誠司国土交通相 |
【明快図説】民主党の党内人脈図2010
幹事長代理は小沢氏に近い細野豪志氏が務めていたポスト。枝野氏は自民党の石原伸晃幹事長と良好な関係にあり、岡田氏が枝野氏の幹事長代理起用を求めた。小沢氏に近い樽床伸二国対委員長の後任には、代表選で菅首相を支持した鉢呂吉雄衆院厚生労働委員長を起用。首相が復活させた党政策調査会の運営を担う玄葉光一郎政調会長は留任して国家戦略担当相を兼務する。
菅首相は16日、小沢氏と輿石東参院議員会長に代表代行就任を打診したが、輿石氏は「参院議員会長との兼務は無理」と固辞。小沢氏とは直接連絡がとれず、小沢氏の秘書を通じて伝えたが、回答はなかった模様。形式的に「挙党態勢」を既成事実化されるのを両氏は嫌ったとみられる。
党役員人事は17日午前に開かれる両院議員総会で承認される見通し。首相は閣議で閣僚の辞表を取りまとめ、同日午後、国民新党の亀井静香代表と与党党首会談を開いたうえで内閣改造を行う予定。目玉閣僚として、民間から前鳥取県知事の片山善博慶応大教授を総務相に起用することが内定した。
直嶋正行経済産業相の留任も固まった。国民新党は自見庄三郎郵政担当相の留任を求めており、菅首相も受け入れる意向。鳩山由紀夫前首相のグループから海江田万里衆院財務金融委員長や大畠章宏衆院国家基本政策委員長の入閣が検討されている。【平田崇浩】
◇本意ではないが「天命でしょう」…岡田氏
無愛想で知られる岡田外相の表情はいつも以上に硬かった。16日午後、菅首相に呼ばれて幹事長就任要請を受けた岡田氏は、外務省の玄関で待ち構えた記者団の質問に「政権交代をしていただいた国民の気持ちを考えたら、天命でしょう」と答えた。「外務省の皆さんには申し訳ないね」と、かすかに浮かべた苦笑いが、幹事長受諾が「本意」でないことを物語っていた。
昨夏の衆院選まで幹事長だった岡田氏は政権交代後も続投を希望したが、鳩山由紀夫前首相は「小沢幹事長」を選択。代わりに用意された外相ポストで日米密約を公表し、核軍縮外交にも積極的に取り組んできた。来週の国連総会に合わせて訪米し、非核国外相会議をオーストラリアと共催することも決まっていた。
菅首相の意向に抵抗するように、岡田氏は16日午前も外務省で国連総会の打ち合わせをしていた。首相は藤井裕久元財務相に電話して岡田氏の説得を依頼。藤井氏はすぐに電話し「日本の政治史において大切なときだ。あなたしかいない」と促した。岡田氏は「外務大臣も重要な仕事ですから」とかわしたが、自らのグループを持たない岡田氏にとって後見役とも言える藤井氏の言葉は重く、「天命」を受け入れるしかなかった。
因縁の幹事長ポストに返り咲くのをちゅうちょさせたのは外交への未練だけではない。「ねじれ国会」では厳しい野党との折衝が待ち受ける一方、党内では「非主流派」となった小沢氏が復権の機会をうかがう。その矢面に立つ幹事長への就任は、「火中のクリ」を拾うに等しい。
「脱小沢」路線で岡田氏か、「党内融和」優先で中間派の旧民社党系グループから川端達夫文部科学相か−−。幹事長人事を巡っては首相の判断が注目された。川端氏は15日、就任要請を受ける前に固辞する意向を首相に伝えた。寺田学首相補佐官は16日夕、記者団に「(岡田氏は)首相がずっと本命に思っていた人」と説明。川端氏の起用説は小沢氏への配慮を示す「カムフラージュ」だったことをうかがわせた。首相も16日夜、「岡田さんは難しい時期の党務を任せる信頼できる人だと思ってお願いした」と語り、脱小沢の党運営とねじれ国会の対応を岡田氏に委ねた。
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最終更新:9月17日(金)2時50分
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