2010年09月16日

タイムシェアを巡る喜悲劇(後編)

前回の記事の続きです。



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Rさんからの返事
 

アドバイスの通り、早速契約書を確認してみました。

確かにサインした日より1年間の専属専任媒介契約となっていました。
英文の契約書のうち、一部抜粋して日本語訳となっているページ(日本語訳は、1ページだけでしたが)にそう書いてありました。

私たちは、そういった契約内容も正確に把握していませんでした。
反省しなくてはいけません。

契約した不動産業者へ届けることなく勝手に他で売りだすことはできない、と明記されています。 

私たちは、この冬にまた管理費を支払わなくてはならないので、できるだけそれまでに売却を、と安易に考えてしまいました。

そこで、いろいろ売却について調べたところ、そこには「購入したタイムシェア会社に言ってもなかなか対応してくれない。たらいまわしにされた揚句、信じられない価格でしか売却できなかった」「供給ばかりでここのタイムシェアはなかなか売れない」・・など、良くない事例ばかり出ていました。

売却の為に問い合わせた不動産業者の返事は、本当に様々で、「せいぜい1万ドルでしょう。手数料などもろもろ差し引いて、手元に残るのは80万円くらいでしょう」という返事もあれば、「確かにここのタイムシェアは、供給量が多く売りにくいが、でもRさんが購入したのそれは新しく人気もある所なので、売れるでしょう」などいろいろで、結局、一番対応が早くて良かった会社にお願いすることにしました。 

購入する時、他の人も言っているように、「売却もできます。100%で買い取します」と説明されるのですが、これはアップグレードした場合のことでした。

この春、「いろいろな理由で、利用することが出来ない」と担当者に話すと、百万円足すと(アップグレード)すると、もっと利用しやすくなる、と言われました。

一度も宿泊していない上、管理費を払い、さらに百万円でアップグレード、という話は、私たちにはもう考えられない話しで、きっぱり断りました。

勿論、サインしたのは私たちです。
責任は、私たちにあるとわかっています。
 

お金持ちの人だったら、3万ドルは、大した金額ではないのでしょう。
でも、私たちはごく一般の家庭で、また事情があって、今経済的に厳しい状況に置かれています。
ですから、このタイムシェアの部屋も、隔年利用としました。
それでも、残念ながら行くことができません。
  




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私からの返事 


まずどうか必要以上にご自分を責めることはどうかおやめ下さい。

この専属専任を請け負った業者にしろ、私にしろ、長年ハワイの仕事に関わって毎日生活しております。

でも
お客様というのは皆初心者です。

初めてで、そしてほとんどの方がこれで最後です。

日本からのお客様の圧倒的大多数がそういう方たちなのです。


ですから余計に我々プロにはきちんとした説明責任があります。

特に不動産は決して小さくないお金が動く一大行事です。
初心者である、初めてであるお客様に対して、また非居住外国人であるお客様に対しての説明責任があるのは我々の方です。

反省は我々プロがしなくてはいけないのであり、決してRさんがするものではありません。
 



それでは少し現実的な話をします。

おそらく今回の仲介手数料には10%ほどだと思います。

しかし手数料は売り手と買い手のエージェントで分け合うのがハワイの不動産取り引きなので、ですから今契約をされている不動産業者にしても、今回もし仮に1万ドルで売れた場合、この業者の手元に入ってくる手数料は半分の5%の500ドルということになります。

しかもこの500ドルには、売るために掛かる必要経費の一切が入っているので、ですから業者としても正直決してうまみにある仕事とはいえないでしょう。
  


今Rさんができることはただじっと待つことではありません。

この業者の尻をたたくことです。

まともなやり方で売却が成立した場合のこのエージェントの取り分はわずか500ドルです。


不動産会社の内情をあえて暴露すると、通常はこの規模の手数料物件はMLS(不動産協会主催のインターネットと使った不動産販売サイト)に掲示したらそれきりです。

動けば動くほど手弁当の経費が出て行くのですし、売れたところで儲けも高が知れています。

ですから期間中ただMLSに掲示しているだけという場合が多く、そしてもし向こうの方からアプローチしてくれて買い手が付けばラッキーということです。

しかし人間の気持ちなど洋の東西を問いません。
誰でもうるさいお客さんや連絡を密に取っているお客さんのことはいつも頭をよぎるものです。

ですからまずはRさんは「現状どうなっているか?」を問い合わせ、その上で「掲示金額を下げれば売れるか?売れるとしたらいくらまで下げた方がいいか?」を聞くべきです。

その上で今度は2週間に一度「その後どうですか?」を繰り返すこと、余計なことは言う必要はありません。
それだけで十分効果があります。

業者はとにかくこれをまず売ってしまわないと、、と考えます。

つまりその時点でRさんの物件は、この業者の売るべき物件候補の上位にあるということです。

最初に買いたいというお客様から訊ねられて一番最初に紹介してもらえる物件のひとつになったらもうしめたものです。
  



それから、契約書でもう一点確認しておくべきものがあります。

それはプロテクションピリオドといって、「契約期間が終了後も引き続きエージェントに対して手数料が支払われる期間」についての記載です。

つまりこれはたとえば明日で契約期間が切れたとして、でも明後日お客様が現れたとき果たしてそれは誰のおかげか、、、というところから始まっている習慣です。

明後日お客が現れた理由は今までの宣伝活動の成果だろう、だとしたらその報酬を不動産業者へ支払うべきだ、ということです。

もともと専任契約書自体がハワイ州不動産協会で作られているので、つまりはこの契約書というのは協会員であるエージェントの権利を保護する目的ということです。  

尚この春に契約されたのでしたらまずは今の業者のままでその期間内は存分に働いてもらうことです。

世の中にスーパーマンは存在しておりません。

業者を変えたところで売値が倍になることはありません。

せいぜいが売れる時期が多少早まるくらいです。
 


まずはせっかくの契約期間です。

これはこれで十分に活用しなくてはもったいないです。
  


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Rさんからの返事 


まず、早速契約をした不動産会社にメールを送り、現在までの状況を尋ねてみました。

現状は、問い合わせはほとんどないとのことで、売り出し価格を徐々に下げて様子をみるしかない、という返事でした。 

また、今契約を辞めたら手数料は発生するかどうかも尋ねましたが、「途中解約の場合、発生することもあるが、今回希望であれば、取り扱いをそのまま中止します」とのお返事でした。 そこで、契約会社の返答と、相談室のアドバイスについて、家族といろいろ相談しました。

主人の意見は、相談室からのアドバイスのように、1年間時々状況を尋ねながら様子を見て、来年の契約終了まで待って売却できなければ、相談室へお願いしてはどうか、ということでした。

12月までに売却出来ない場合、年会費を支払い、そして年内で無効になるポイントを手数料を支払って来年に持ち越すよう手配することにしました。 



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私からの返事 

私もそれが現状ベストの方法だと思います。


更には「必ず今年中に売却してみせる」というお気持ちを持ち、今後は不動産業者の担当者の尻をたたくように状況を聞きだし、そして対策を講じるようにしてみてください。

先日も申しましたように、現実には日々膨大な売り物件と接している不動産業者は、どうしても手数料の低いそれへの優先順位は低くなりがちです。

しかし不動産業者も人の子です。

頻繁に問い合わせをもらっているお客様の物件はどうしても常に頭のどこかに残っています。

どうしても気になり、だから同じ物件ならその気になる物件から紹介しようという気になりがちです。

あまり
しつこくなり過ぎず、でも決して膨大な売り物件の中の一つのままにしないように、ときどき業者へアピールし、自身の物件を業者の優先順位の上位に持っていてもらえるように、連絡は密にやってみてください。


金額を下げることももちろん重要なことですが、こういう普段の目立たぬ努力も実は大切です。

不動産の購入も売却も、信頼できる業者と本来は二人三脚です。

何よりもお互いの信頼感関係が整ってこそ、もっとも素敵な物件と生活が手に入るのだと思っています。
 

どうかがんばってください。



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posted by 海外ロングステイ相談室 at 10:00 | ホノルル 雨 | Comment(0) | TrackBack(0) | ○海外ロングステイ相談室:事件簿

2010年09月13日

タイムシェアを巡る喜悲劇(前編)

以前にもタイムシェアに関してブログ記事を書いたことがあります。

内容は、読む人が読めばあまりに一方的で独断的で、悪意に満ちた内容にも思えたことでしょう。

でも
それもやはりひとつの考えであり側面であります。
全ての出来事は見方によっては角度によっては良く見え悪くも見えます。

そしてここは海外ロングステイ相談室です。
普段は目を背けたい暗い部分にどうしてもファーカスを当ててお話していくことになります。

タイムシェアに良き面はたくさんあります。
でもそれは数多くのメディアを通じて十分な情報が既にあります。

ですからここでの記事はあくまで数少ない注意点のひとつとして、あくまでそういう参考程度にお読みいただければと思っております。
 

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さて、これはひとつの相談事を基にした実話です。

もちろんプライバシーに配慮して固有名詞も出しませんし、一部あいまいな表現にしている箇所もあります。
  

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今ご所有のハワイのタイムシェアを売却したいという方がいます。


既に売りに出しているようで、でも現状は需要より供給の方がずっと多く、大変厳しい状況のようです。 

ずいぶんもったいない話ではありますが、何とまだ一度も利用したことはなく、しかも仕事の都合で当分利用できないとのこと。
夢を抱いて、大好きで時々訪れていたハワイのとある島で購入し、そして今そのことを大変後悔しているとのことでした。


営業マンの勧誘にすっかり乗ってしまい、貯金をはたいて購入してしまい、しかも今よりずっと円安の時だったので、今では日本円にして既に2割以上目減りしてると言います。
またそれから、管理費を支払い続け、今年の分も既に十万円以上支払っているらしいのですが、結局利用していないそうです。


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売却を考え、いろいろ調べましたが、とても厳しい事を知りました。
ハワイのタイムシェアを扱ういくつかの業者に問い合わせたところ、売却予想金額も返事の内容も様々でした。その中のひとつと契約し、春から広告を載せてもらっていますが、まったく音沙汰はありません。
いったいこれからどうしたらよいのでしょう、、、、。
 


そういう相談でした。



私からの最初の返事は以下でした。


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ハワイのタイムシェアに関しては、きっと私が以前に書いたブログも読まれたことでしょう。
 

その
記事からでもお分かりになるように私自身このタイムシェアというものに対して以前から否定的です。

ですから私の返事はかなり偏った意見となってしまいます。
最初にそのことをまずお断りしておきます。
 


タイムシェアというのは確かに所有権ではあります。
しかしRさんが購入されたという約3万ドルの1寝室のコンドミニアムの一週間分の権利ですが、例えばそれに約52週分(一年間)をかけると約1億5千万ドルとなります。

つまりRさんが購入されたコンドミニアムとは一般不動産市場の物件でいうとこれだけの価値のあるもの(1寝室のコンドミニアム!)ということになってしまうということです。

実際にこれだけの金額を出せば、当然ながら相当な規模のコンドも戸建ても購入可能となります。


タイムシェアの売りは所有権であることだと思いますが、一方では所有権であることの売りは本来、不動産としての資産性だと思っています。

特にここハワイは全米でも唯一、不動産需要にほとんどかげりがない稀有な地域です(逆にまたここ数年伸びています)。

ですから本来のハワイの不動産とは、お金を出して楽しむという一方お金を出して更に大きなお金を生む、というそういう両面性のある貴重なものだったはずなのです。 


ただこのタイムシェアとは、やはり本来の不動産価値以外にも多く特性を作り出しているせいで、たくさんの人件費や経費を投入しているでしょうから、当然その費用も価格に込みになってしまいます。

ブランド価値があるうちは(それでもまだまだブランド価値は高いです。韓国人や中国人市場でもこのタイムシェアはとても人気が高いです)所有権を売ることは可能でしょう。
しかしある程度流通が行き渡ってしまうと、リセールで儲けを出すということはかなり難しくなってしまうでしょう。
何しろもともとが本来の不動産としての純粋価値以上の金額で売られている商品なので、一般のマーケットでは流通しにくく、常に専門のマーケットでしか扱われない商品です。
だからそういう商品を扱うマーケットでは、通常の市場原理が働きにくいのが現実でしょう。 
 


今私にできることは、もちろんあくまで今契約している不動産業者との期間が終了したらとなりますが、現地の私の仲間を通じてその地域でタイムシェアのリセール物件を数多く扱っている専門業者を紹介してもらい、そこを通じて今現状で一番良いと思われる条件でRさんの貴重な財産を、少しでも高く売却するお手伝いをすることくらいです。

しかしその前にこの春から売り広告を載せてもらっている、、とありましたので、もしそうでしたらハワイ州の法律では日本のように一般媒介という制度がなく全て専属専任媒介となっていますので、その期間内は他のどの業者もRさんの物件を売るお手伝いをすることはできません。

ですから契約書を含めてまずはそれを確認する必要がございます。


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初回のやり取りはだいたいそういう感じでした。

その後メールの行き来が始まります。


その続きはまた明日にでも書きたいと思います。





posted by 海外ロングステイ相談室 at 11:27 | ホノルル 晴れ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○海外ロングステイ相談室:事件簿

2010年08月26日

ハワイ島プナ地区で家を買う


円高です。

レートが83円台までいきました。


もちろんそれに踊らされて変な買い物をしてはいけません。
それはとても危険なことです。

気持ちばかりが高揚してしてしまうと、かならずミスをしてしまいます。


ただ水を差すつもりはありません。
確かにチャンスには違いはありません。

だからこそ冷静になり、その上で本当に良いものを確実に手に入れて欲しいと思うのです。

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さて、良い物件というのは、なかなか市場に出てきません。
(一般マーケットに出てくる前に、皆の目に触れる前に、既に誰かのものとなっています。)

金額、タイミング、押し、引き、、、、いろいろありますが、とどのつまりは、やはり巡り合せなのかもしれません。

長い間いろいろなケースを見ているうちに、来るべきときには来るべくして決まるようになっているように、どうしてもそう思えてきます。

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決して踊らされることなく、決して無理やり動かず、だた素直にご自身の気持ちにしたがってください。

そして「欲しい」「行きたい」とふつふつ湧き上がってきたら、それはゴーの信号です。

予算が足りないとか、手続きが難しいとかは、貴方が考えることではありません。

それを適切にそれを確実にやるのが我々プロの仕事なのですから。



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さて、ハワイ島プナ地区、そのまたある特定の地域。
ここの地目は開発住宅地域となっています。

400坪程度しかないので、現地では極端に狭い土地といえます。



そしてご周知のようにもどちらかというともともとデザイン性のある良質の材料での建築の少ない地域です。

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でも今は、たまたまあの2005、6年のアメリカの好景気のときに、一番高い金額で土地を購入し、そして贅沢な建築を試みようとした当時はお金持ちだった人や法人が、、、、、残念ながら今何らかの事情(経済ですね)を抱え、この地域の不動産を手放さざるを得なくなっているケースが多いのです。(しかも新築のままです)

それに今の日本の円高。

つまり最高級の住宅が最低限の予算で購入できる、確かに今は日本の人にとっては非常に良いマーケットだといえます。

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当然それは限られた数の住宅でしょうし、そして一通りそれが終わると、今後はあのリーマンショック以降の不景気な時代に建てられた住宅がマーケットに出てくるときを迎えるので、もし可能ならこういうお得感のある住宅があるうちに押さえておくべきだと確かに個人的にも思います。

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それでもやはり、ハワイ不動産の購入に関しては、最後の最後までお迷いになられてしまうことでしょう。

この一歩をいつ、、、今?、、、あるいはもっと後で?、、、と考えをめぐらせていることと推察いたします。

今現在ハワイ不動産のオーナーになられている方々も皆そうでした。もちろん私が購入した時もそうでした。
 
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私はセールスマンではありません。
ですから最終的に人様に物件を強く勧めることはいたしません。

またそういうことができる性格でもありません。
だからこんな仕事をしています。

興味をもたれている方がいらした場合、あくまで現地との駆け引きも含めて最後までお手続きのお手伝いを引き受けさせていただくというスタンス。
そしてそのシツコイ駆け引き自体が本来の私の得意とする分野です。
 

しかし時々後から思い起こすと、もしかしたら本当はあの時もっと強く勧めるべきではなかったのでないかと考える場合もあります。

ハワイ不動産に興味をもたれている方は、実は本当は条件さえあえばそれを手に入れたかったと心底思われている方が多いような気がします。

ただし未知のことということで、今一歩踏み出せないでいるだけなのかもしれないと思う時があります。

だからそんな時本来なら傍にいた私が、それこそ最後の一押しをしてあげればよかったのかもしれませんし、もしかしたら本人もそれを望まれていたのかもしれません。

しかしたとえそうであったとしても、それでもやっぱり私はセールスマンではないし、またそうあるべきでもないと考えています。
やはりあくまで私はコンサルタントなのです。


ハワイ生活の快適な住居としての、同時に安定した投資物件としての物件を探し出す能力に関しては自負しております。
もちろんいくら優良投資物件と言っても100%というものはどこにもないので、そしてあくまでハワイ不動産でギャンブルはして欲しくないので、大きくはなくてもそれでも確実に増え続ける財産として、そういう物件をお教えしたいと考え今までやってきております。
 

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タイミングは非常に重要なものです。

しかもこの円高です。
 
 
ハワイを好きな皆様へは、皆様の好みと条件をお聞かせいただいた後、その範囲内で今最高に良いものをご紹介したいという気持ちは誰にも負けません。

もしかしたらそれこそがセールスマンではない自分にしか出来ないこととも思っております。


今、素敵な家があります。

そしてそこには素敵なハワイ生活が待っています。

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                     海外ロングステイ相談室


posted by 海外ロングステイ相談室 at 09:17 | ホノルル 晴れ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○海外不動産の購入

2010年08月15日

ハワイのアソシエーション(その3)

前回の続き、、、。

3回渡り記事にしていますこのアソシエーションに関する内容は、一部の方たちにとってはものすごく辛らつでショッキングな内容であったことだと思います。

本来はもっとオブラートに包み込みお話すべき内容でした。

今正に当事者の方たちにとっては、この内容はズケズケと土足で、傷口に塩を塗るような内容だったことと思います。

大変申し訳なく思っております。


ただ何としても時間がありませんでした。

期限が迫っていました。

何とか少しでも早くに手を打ち、せめてこれ以上の被害を被っては欲しくないと願っていました。 

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しかし今尚心配しております。

もちろんこれはあるいは余計なことでしょう。もう放っておいてほしい、そっとしておいてほしいと思ってもいることでしょう。
おっしゃるように大きなお世話なのでしょう。

でもやはり心配です。


期限が迫っています。
そして今貴方はまたここで、
更に数千ドルをつぎ込もうとしています。

今まで合計するといったいどれほどのお金をこの地につぎ込んだことになるのでしょう?

はい、これも余計なお世話です。

もうこれで最後にしますので、どうか言わせてください。

このようにつぎ込んで、そして最終的に、いつか手放すことになった時、その時にはいったこの地はいくらで売らなくてはならなくなるのでしょう?

はっきり申し上げておきます。
おそらくその金額は、もう現実的なそれではなくなっていることでしょう。 

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1933年から73年間ずっと上昇し続けた米国の不動産が、2006年にいよいよ下降し始めました。

もちろんいずれはまた立ち直ることでしょう。
いずれはまた上昇に転じることでしょう。

しかしその金額はいったいどれほどまでに、、?

日本のバブルは崩壊後20年が過ぎ、未だに一度もあの頃の水準になることはありません。


米国のバブルであったサブプライム全盛の2005年頃、確かにこの地区の不動産も値上がりしました。

2003年頃からホノルルが上がり、2004年頃にコナが上がり、そして2005年頃にようやくこの地区も最後の最後に値上がりし、しかしそれはあっけなく、2006年に入り一気にそしてどこよりも一番最初に値が崩れ出しました。
   
ここはそういう地です。

理屈も勉強も入りません。
誰もが一目見れば、見ればわかるのです。
ここは誰が見てもどう見ても投資向きの場所ではないのです。

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もちろん日本のバブルとは違い、きっと米国なら、あの国なら、またこのようなバブル経済は、いつかはやってくるのかもしれません。

だからそれまではじっくり待っていればいいのかもしれません。

しかしそれまではまた税金とアソシエーション費の支払いは続きます。

毎年毎年それは休むことなく続きます。 


土地は利益を生みません。

ただ一方通行で出て行くだけです。
 


どうか今一度考え直して下さい。

差し出がましいことを申していることは重々承知しています。 
しかしこれ以上の持ち出しは、既に回収できる金額の枠を超えてしまっています。


到底受け入れにくいことであることは理解しているつもりです。

それでも、まだ少しでもお手元に貴重なお金が残るうちは、どうかそちらの方を選択していただきたく、そう願うだけです。


何といっても、どうかこれ以上、あの場所に、生土地に、貴重なお金をつぎ込まれないよう、同じようにハワイを、そしてあの地域を大好きな人間の一人として切に願うだけです。
 

損をして欲しくはないのです。
悔やんで欲しくはないのです。

確かにもうミラクルを差し上げることはできません。
できることは、もうこれ以上損をさせないように、、、、、それだけです。

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できれば、早くあの地を楽しんで欲しいと思います。

ホノルルに比べて、コナに比べて、もともと大きなお金の必要のない場所です。
住民たちが助け合って生きている場所です。
貧しくても笑い、そしてアロハの精神で困っている人を助ける地域です。

そんなところです。
何とかなります。

マネーゲームはもう止めて、本来の目的であった、あの暮らしを、元気なうちに始めて欲しいと思います。

アロハ

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posted by 海外ロングステイ相談室 at 11:31 | ホノルル 晴れ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○海外ロングステイ相談室:事件簿

2010年08月11日

ハワイのアソシエーション(その2)

前回の続き、、、。

ハワイのアソシエーションからのこの理不尽とも取れる仕打ち、、、、。

もちろんそのように説明があれば、もちろんそのように言われれば、分かっています!

アソシエーションの言い分に正当性があることは、そのくらいは分かっています!


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しかしいざ当事者となってみれば、きっといくら考えられてもなかなか結論の出せない問題だと思います。


更には「なぜ?」「どうして?」と、理不尽なこの現実に対しての怒りすらこみ上げてくることでしょう。


考えてみれば、知らなかったのですから、その怒りは当然です。 


何しろ
この方の場合は、確信犯として納付しなかったのではなく、あくまで納付が義務であるということを、購入時に売主から聞かされていなかったのですから、そしてそもそもアソシエーションというものがどういう性質のものなのか知らず、今回この件で初めてお知りになったのですから。


ですから今回、この負債額を、しかもそれを今すぐ支払わなければ差し押さえられ、挙句には負債額の差額は追加で請求される、、などと、そんな理不尽な話には、おそらく僕がこの方の立場だとしてもそこには怒りしか感じないでしょう。  



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しかし問題は、今後は制度として、ハワイの法律に従って、コトが進んでいくということです。
 

せめて昨年までなら、アソシエーションの弁護士がまだ話し合いの席にいてくれたときならば、もう少し支払いについてその金額(利子がかなりの部分しめているので)と支払い期間についての譲歩を求めることもできたかもしれませんが、しかし残念ながら既に話し合いは決裂しており、また最後通告がなされた今となってはでき得ることはほぼありません。



ですから今後、このまま何もせず放置していた場合、事態はこうなっていきます。

 1)先月届いたアソシエーションからの手紙のように、今月いっぱいまでに返事がない場合、更なる抵当権(ちなみに今も既にひとつついています)がつきます。
(この抵当権を解除する場合、その設定された金額の他に解除するための費用が徴収されることになります)

そしてその債権の徴収は別の機関へ移り、またそのときに25%の金利が更に加算されます。
(おそらく最近ハワイ郡がよくやっているように、日本の弁護士を通じて請求してくるものと思います。つまりその時にはこの25%の金利のほか、徴収機関の費用も加算されていますので、金額はかなりなものとなるでしょう。)

また同手紙に書かれていたように、もし今月いっぱいまでに年利10%が今後も引き続くことを自署にて改めて合意した上で、今後は毎月最低50ドルつづ(一区画につき)を返済していくことを約束すれば(しかし当然その間のこれからのアソシエーションフィーも別途支払わねばなりません)今回の追加の抵当権設定は止めてくれます。

しかしながら仮に今後毎月最低額である50ドルづつを支払い続けたとしても、年間わずか600ドルにしかなりません。
これでは一年間の金利分にすら到底足りず、つまりいつまでたっても完済することはできないということになります。

しかもこの方の場合は複数区画所有されていますから、これに合意するということは今後永遠に年間最低数千ドルは納めなければならなくなり、しかも今後の更なるフィーの請求でますます額は多くなってしまうということになります。

更には今回この用紙に自署でサインをしてしまうことは、そのことに認めたということになりますので、今後もしまた滞納などしてしまえばこれは確信犯となるので、万が一法廷で争うことになった場合など、これではこの先ますます立場が悪くなる一方となります。
 



2)更にはこの方の場合、やっかいな問題は固定資産税の滞納もされているということです。

ハワイ郡では、非居住外国人が所有する不動産に関しては一定期間税金を滞納しているケースには、その国の弁護士を通じて督促を掛け、その後差し押さえそして競売へという手続きをとることになっています。

競売不動産は、ハワイ郡が指定した裁判所で公開で希望者を集めオークションにかけられます。
開始金額は差し押さえた個人か機関が決めますが、しかしこれには市場価格ではなく債務の額に経費を加えた額とするのが普通です。

何しろ
売主は債務の徴収だけが目的なので、わざわざ債務者のためにリスクを取り高額で売ってあげる義務はないからです。
高い金額をつけて競売にかけ、もし売れなければこれは債務の回収ができないばかりか、経費ばかりが更にかかってしまうのです。

また、ハワイ州は日本と同じく、債務が個人に残ってしまう州です。

なので郡により競売にかけられた場合、つまりアソシエーションに残っている債務はまったく清算されないまま郡により差し押さえられ競売にかかってしまった場合、今度はアソシエーションが債務者個人をハワイ州の裁判所で訴訟するという事態になってしまいます。

つまり物件は既に郡により処分されてしまったけれど、しかし債務者のアソシエーションに対する債務はそのまま(しかも利子は増えています)継続しているので、加えて弁護士費用や裁判費用や各種経費まで全てが結果的にこの方が負担しなくてはならなくなります。

そうなるといずれハワイ州の裁判所から召喚状が届くことになります。
もちろん米国は公平な法治国家なので、その方は法廷へ赴き異議申し立てすることができます。
弁護士を雇い、時間と交通費をかけてハワイへ、、、、、。
そして裁判に負ければ、敗者が双方の経費から何もかも全てを負担するのが公平な米国の裁判の掟です。



また余談ですが、ハワイにはエスクローという登記機関(登記前に売主と買主の全ての瑕疵等を調べます)がありますので、今後もし米国でこの方が不動産などを購入しようとした場合、それらは全て没収され債務にあてられることになります。

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生土地はお金を生みません。

購入しても造成、伐採、インフラ、建築としなくてはいけないことはたくさんあります。

更には今後も税金やアソシエーションフィーの支払いもあります。
 

今ここで債務を支払っても、それで終わりません。

税金とアソシエーションフィーの支払いは区画を所持している限り続きます。
    


例えばいっそ今この債務のために支払うべきだったお金と、今回任意売却し負債を全て清算して入ってきたお金を足しにして、安く、例えば近くの程度の良い新古住宅を購入され、そしてしばらくは他人に貸して家賃収入を得ながら値上がりを待つ、などということも選択肢のひとつとして考えられてはどうかとも思います。

いずれにせよ、今のまま放っておけば、結果として更にいわれのない債務ばかりが増え、そしてあろうことか訴訟までされるという事態になります。


腹立たしいことです、そして甚だ遺憾です。
しかし現実には、今となっては、選択肢はあまり残ってはいません。
  


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しかしそれでもどうか前を向いていて下さい。

当初の夢を思い出して下さい。

購入時にひどい会社に当たってしまったのは本当に不幸なことでしたが、しかしだからといって元来の夢をあきらめてしまうのは残念でなりません。


何よりもまずもうこれ以上
回収の可能性のないお金を取り戻すために、今ここで更なるお金をつぎ込むことは、やはりもう止めて欲しいと思います。

目的が向こうでの生活なら、あるいは不動産投資なら、余計にこの生土地にこれ以上お金をかけることはおやめ下さい。

とても悔しいでしょうが一旦はここで損切りをされ、その上で現時点で最大限取れるもの勝ち取った上で、そのお金を今後に生かしてください。

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実は、、、、、、、そこにあるのは、きっと貴方が想像されるような上げ膳据え膳のハワイではありません。

しかしあの地での生活には本当に皆さんに体験していただきたい、素晴らしい出会いと出来事ががたくさんあります。
 


楽しみは本当はこれからなのでしす。 

そのためなら、私でよければ是非協力させて下さい。

話は更に明日に続きます。

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posted by 海外ロングステイ相談室 at 10:09 | ホノルル 晴れ | Comment(0) | TrackBack(0) | ○海外ロングステイ相談室:事件簿
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