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ホルムアルデヒド:高濃度の雨 全国で降っている可能性

 水道の水質基準を超える高濃度のホルムアルデヒドを含んだ雨が、全国で降っている可能性が高いことが、田口茂・富山大教授(環境化学計測学)の研究チームの調査で分かった。車の排ガスなどから放出された後、大気中で取り込んだとみられ、継続調査が必要になりそうだ。仙台市で開催中の日本分析化学会で17日、発表する。

 ホルムアルデヒドは発がん性があり、シックハウス症候群の原因物質の一つとしても知られる。目に入ると涙が出たり、肌に触れるとひび割れを起こす恐れがあるが、雨水の全国的な汚染状況は不明だった。

 研究チームは07年から富山市内で数回にわたり、ホルムアルデヒド自体とアルデヒド類全体の濃度をそれぞれ測定。雨水中のホルムアルデヒドはアルデヒド類全体の46~100%を占めていることが分かった。

 また、12都道府県の計18カ所で雨水を回収し、ホルムアルデヒドを含むアルデヒド類の濃度を測ると、栃木県で最大0.64ppm(1ppmは100万分の1)を記録した。大半の地点が0.1ppmを上回り、雨水中のホルムアルデヒド濃度は頻繁に水道水質基準(0.08ppm)を上回っている可能性が浮上した。

 降り始めや少雨のときに高濃度になる傾向があり、田口教授は「現状では雨にぬれても健康影響があるとは考えにくいが、監視が必要だ」と話す。【須田桃子】

毎日新聞 2010年9月16日 19時39分(最終更新 9月16日 20時56分)

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