和牛の海外向けの輸出で急成長していた京都市の会社が、家畜の伝染病「口てい疫」の発生を受けて輸出ができなくなったことから経営に行き詰まり、京都地方裁判所に破産を申し立てました。
破産を申し立てたのは、京都市下京区の食肉の輸出販売会社「アディレクト」です。アディレクトは平成11年に起業したベンチャー企業で、アメリカやシンガポール、それにアラブ首長国連邦のドバイなどに拠点を置いて和牛を輸出し、事業を急拡大させていました。民間の調査会社「帝国データバンク」によりますと、アディレクトは、アメリカ向けの和牛の輸出では70%のシェアを占めていましたが、円高の影響で経営が悪化し、ことし3月期の決算では売り上げがピークの時の3分の1にまで落ち込んだということです。さらにことし4月、家畜の伝染病「口てい疫」が宮崎県で発生し、和牛の輸出ができなくなって経営に行き詰まり、15日、京都地方裁判所に破産を申し立てました。会社の弁護士によりますと、負債総額は11億9000万円に上るとみられるということです。