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「容疑者の実家」ネットデマ 電話攻撃全容(2)「謝罪文、書かせよ」
(09/16 19:06、09/16 19:08 更新)
外山不動産のホームページも風評打ち消しの文章をアップした
8月に札幌で発生した連続女性暴行事件(後に1人は死亡)で逮捕された男と同姓であることだけで、インターネット上で「容疑者の実家」と事実無根のデマを流布された外山不動産(江別市)の外山美喜雄社長(60)。事件発生直後に相次いだ「抗議電話」は、「容疑者とは無関係」と説明するとすぐに電話を切るものもあったが、納得しなかったり社長を責める内容もあった。
同種のトラブル予防の観点から、外山社長の承諾を得て、前回「電話攻撃全容(1)」で紹介した同じ人物(女性とみられる)の10分間に及んだ通話の一部録音内容の続きを掲載する。電話があったのは8月26日午前11時半。「興味本位に電話しただけ」と話す相手は、容疑者との関係を終始否定する社長に「頭大丈夫?」とまで詰め寄った。
社長「それで楽しんでいるんですか?」
女性「文句があるんだったら、テレビ局とか、事件を起こした男の子(容疑者)に連絡取って、迷惑してるって損害賠償でも請求したらどうですか」
(中略)
社長「あなた、ただ面白がってって言いますけど」
女性「(早口で)面白がってって。すごい、私にとっては気持ち悪い事件だから、女、女の人としては、そういう人(容疑者)が、不動産会社の息子っていうのは気持ち悪いから。それで電話して。(さらに興奮して)面白がってるだけじゃないですよ。ただ単に。女の人の身になってモノ考えたこと、あるの?」
社長「だから(家族とは)違いますから・・」
女性「車でひかれて、レイプされそうになった事件なんてあったら」
社長「違いますからそれは」
女性「あなたが違うとか違うじゃなくって! ただ単に私は、その事件が恐ろしいから、その件に関して、どういう関係あるのかっていう、調査してるだけであって。面白がってるというだけのことではありませんから!」
社長「とにかく、うちの人間とは違いますから。本当にもう、それしか言えませんよ。(疲れ切って)ふう」
女性「そんな対応じゃ全然だめでしょうね。違うって言い張っていても。対策を自分で考えてとらないと。永遠にこのまま、あなたの息子だっていうことで、静まることはない」
社長「違いますから」
女性「ずーっと、いくんでしょうけど。(急に強い声で)違う、違うっていったってしょうがないじゃない」
社長「じゃあ、どういう風に答えればいいんでしょうか」
女性「あなたが何か行動すればいいことでしょう?」
社長「どういう風にしたらいいんでしょうかね」
女性「(さらに大きな声で)いや、だから、その人(容疑者)に謝罪させるかなんかして。ネットで迷惑がかかってるとか、自分のせいでネットで、こういう風なことをいわれるようになっちゃって、迷惑をかけて申し訳ありませんって謝罪文、書かせるとか。そういうことやったらどうですか」
社長「(容疑者と)連絡つかないと思いますけど」
女性「それは当たり前。ただ、弁護士つけて、やるんじゃないですか?」
社長「(力なく)ああ、そうですか」
女性「まあ、がんばってね」(と、一方的に電話を切る)
この通話の後、外山社長は精神的に疲れ果て、一時は夜も眠れない日が続いた。「容疑者と一切関係ありません」とのチラシやメールを全国の不動産業者、取引先、新聞折込などで配布したこともあり、現在はデマ騒ぎも沈静化しつつある。(メディア局)