【福岡】「正当な業務」逆転無罪 看護師爪切り事件

09/16 14:25 更新

北九州市の看護師爪切り傷害事件で、福岡高裁は16日、有罪とした1審判決を破棄し、看護師の上田里美被告に逆転無罪を言い渡しました。北九州八幡東病院の上田里美・元看護課長(44)は2007年、認知症のお年寄り2人の爪を深く切り出血させたとして、傷害の罪に問われました。上田元看護課長は裁判の中で、爪を切ったのは「看護ケア」と無罪を主張してきましたが、1審は「爪切りは被告の楽しみ」と認定し、懲役6ヵカ月の執行猶予付きの判決を言い渡していました。16日の控訴審判決で、福岡高裁の陶山博生裁判長は「被告が爪をはいだとする捜査段階の供述調書は、捜査官に誘導されたという疑念がぬぐえない」と指摘。「看護目的があり正当な業務行為だった」と認定し、1審判決を破棄し逆転無罪を言い渡しました。判決後、上田元看護課長は「これで安心して看護師が続けられると思いました」と話していました。