民主党新幹事長に岡田外相内定 岡田外相「国民の気持ちを考えたら天命でしょう」
迷走した民主党の幹事長人事は、16日午後、岡田外相で決着した。幹事長受諾を「天命」と語った岡田新幹事長。その決断の裏には、藤井元財務相の存在があった。
16日午後4時半ごろ、菅首相との会談を終えた岡田外相。
外務省へ戻った岡田外相は、「外務省の皆さんには申し訳ないね。(といいますと?)政権交代をしていただいた国民の気持ちを考えたら、いろんなことを考えてられない。天命でしょう」と述べた。
大臣の職をなげうつことへの無念さをにじませながら、幹事長職の受諾を「天命」と語った岡田外相。
15日の小沢前幹事長との直接会談を終え、菅首相が党運営の要に選ぶのは、「脱小沢」かそれとも「融和路線」か。
16日朝、「党役員人事、きょう中に決まりますよね?」との質問に、あいまいな表情だった菅首相。
実はこの時、参議院の北沢防衛相、そして「中間派」の川端文科相の幹事長就任を検討するも、相次いで断られていた。
そこで「反小沢」で、代表経験者でもある岡田外相に白羽の矢が立った。
しかし、小沢前幹事長側近の松木謙公議員は、「岡田さんなの? へぇー、ホント? あれ、川端さんって言ってなかった?」と述べた。
そうした中、当の岡田外相は、昼すぎまで「沈黙」を守った。
政治アナリスト・伊藤惇夫氏は、「岡田さんにしてみると、非常にきまじめな方ですから、途中で(外相を)放棄するのは、じくじたる思いがあるだろう。今回は明確に菅さんを支持したわけですから、(小沢グループとの)しこりが大きくなるんじゃないか」と話した。
そんな岡田外相の背中を押したのは、藤井元財務相だった。
2010年1月の辞任騒動以来、「表舞台」から姿を消していた藤井元財務相が16日昼ごろ、首相官邸に入った。
かつての「小沢側近」でもある藤井元財務相は、「人事について、あなたの考えはということでした。若返っていく必要がある。(若い世代というのは岡田外相?)具体的な名前は言ってません」と述べた。
菅首相の意を受け、午前中、電話で、藤井元財務相が岡田外相に、「あなたしかいない。日本の政治史にとって大切な時なんだ」と語ったとされる。
この時、岡田外相は「イエス」とも「ノー」とも答えなかったが、午後4時前、岡田外相は幹事長受諾を告げに向かった。
「表情が吹っ切れたようだ」との報道陣の問いに、岡田外相は「吹っ切れてはいない」と返答した。
岡田外相は、「政権交代をしていただいた国民の気持ちを考えたら、天命でしょう」と述べた。
自民党の谷垣総裁は、「早く体制をつくって、国会を開いて、われわれの要求していることだが、受けてもらいたい」と述べた。
松木議員は、「人事は首相の専権事項ですから、それでよろしいんじゃないでしょうか。ただ、挙党態勢というお話をずっと言っていたので、それがまだ見えてこない」と述べた。
ねじれ国会、そして党運営。
岡田新幹事長には、極めて高い力量が問われる。
(09/16 18:56)