北朝鮮の核実験に対する国連の制裁措置に基づき、ぜいたく品として輸出が禁止されているピアノを、北朝鮮に輸出していたとして、警察は、広島市の貿易会社の社長を、外国為替法違反の疑いで16日にも逮捕する方針です。
警察の調べによりますと、広島市安佐北区の貿易会社「サプライダー・トレーディング」の60歳の社長は、おととし、ピアノ22台を、神戸港から中国の大連を経由して北朝鮮に不正に輸出したとして、外国為替法違反の疑いが持たれています。北朝鮮に対しては、4年前の核実験に対する国連の制裁措置として、大量破壊兵器に転用できる機械のほか、ピアノを含むぜいたく品の輸出が禁止され、去年6月からは日本独自の追加制裁として、すべての品目で輸出が禁じられています。警察は、ことし4月に会社などを捜索して捜査を進めた結果、外国為替法違反の疑いが強まったとして、社長の逮捕状を取り、16日にも逮捕する方針です。警察は、この会社が、日本が北朝鮮に追加の制裁措置をとった去年6月以降も不正な輸出を続けていた疑いがあるとみて、さらに調べることにしています。