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【明日に挑む】日本中油社長・柴野多伊三さん ジャトロファ原料に“緑の油田” (2/2ページ)
《日本中油は中国のほかリベリア、ガーナなどアフリカ諸国の広大な土地でジャトロファを栽培。インドネシアで流通・物流事業に参画しているほか、広西省柳州市でも上海中油の開発した品種改良苗のジャトロファを手がけている。上海中油はバイオ燃料精製施設の能力増強に着手し、この中で日本中油は30万ヘクタールの農園経営権を取得。自主開発に乗り出している。砂漠化を防ぐ緑化事業として、中国政府が資金支援を行っている》
中国でバイオ燃料をつくる事業は、世界規模の環境対策に貢献できると思っています。昨年、中国の自動車販売台数は1300万台を超え、世界トップに躍り出ました。増え続けるガソリン需要をすべて原油で賄うのは不可能です。世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国の汚名を返上するには、バイオ燃料の導入が切り札になるでしょう。将来は世界各地で合計3000万ヘクタールのジャトロファの農園を作り、地球環境に貢献したいと思っています。
今後、需要拡大を期待しているのは航空ジェット燃料です。上空でCO2をまき散らすことが環境に良いわけがありません。欧州では航空会社への環境規制強化が検討されていますし、欧州の空港に乗り入れる日本の航空会社も対応を迫られます。
すでに、英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズはバイオジェット燃料の生産工場をロンドン東部に建設する計画です。経営再建中の日本航空もジャトロファや水の中で育つ藻を使ったバイオ燃料導入のための試験飛行を進めています。バイオジェット燃料の安定供給のニーズに応えていきたいと考えています。(上原すみ子)
■日本中油 パーム油を精製し、バイオ燃料として中国などで販売。バイオ燃料の原料となるパーム油やジャトロファを世界規模で栽培している▽本社・東京都港区▽資本金12億円(上海中油企業集団が20%出資)▽従業員数(連結)約100人▽http://www.nippon-cnpc.jp/
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