河野、王座奪取でトレーナーへ恩返しだ！…ＷＢＣ世界Ｓフライ級王座決定戦

スパーリングで鋭いパンチを繰り出す河野公平

　プロボクシングＷＢＣ世界スーパーフライ級王座決定戦（９月２０日、埼玉・さいたまコミュニティアリーナ＝報知新聞社後援）に挑む同級１位の河野公平（２９）＝ワタナベ＝が１５日、東京・五反田の所属ジムで練習を公開。入門時から指導を受けてきた高橋智明トレーナー（３３）への恩返しのためにも王座奪取を誓った。

　「これが最後と思ってずっとやってきた」と河野は２度目の世界戦へ悲壮な決意を明かしたが、その思いは高橋トレーナーも同じだ。初の世界挑戦となった０８年９月の名城信男戦は判定負け。同トレーナーは将来を見すえ、ひとみ夫人（３２）の実家がある静岡・御殿場市で暮らすことを決めた。「河野がやめるなら最後の世界戦と思っていましたけど、やめないので（ジムに）残りました」。以来、週５日は都内で単身生活。再び河野と世界を目指してきた。

　高橋トレーナーを相手にした２ラウンドのスパーリングで、河野は同級２位のトマス・ロハス（３０）＝メキシコ＝戦へ向けて強化した左ボディーなどを打ち込んだ。「パンチが強くなってきました。ゼロから見ているから思い入れはありますよ」と同トレーナーは頼もしげに河野を見つめた。「自分のために残っていただいた。チャンピオンになることが恩返し」と河野。その言葉を大舞台で実現してみせる。