「新たな証拠がない」検察側、控訴断念へ

　厚生労働省文書偽造事件で村木厚子元局長（５４）に無罪を言い渡した大阪地裁判決について、大阪高検と大阪地検が１５日、対応を協議した。「無罪を覆すのは困難」との意見が大勢を占めたとみられ、控訴断念がほぼ確実となった。

　１０日の判決後、大阪高検では控訴への慎重な意見が多かった。当初は控訴すべきだとの意見が出ていた大阪地検でも「新たな証拠がない。控訴は見送るべきだ」との見方が強まった。地検、高検は週明けにも最高検に報告、控訴期限の２４日までに断念を正式決定する。

　厚労省は１５日、村木元局長を局長級で復職させる方向で本格的な調整に入った。

[ 2010年09月16日 ]