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【石川】捨て猫の叫び聞いて 金沢の施設 引き取り、処分減らず2010年9月15日
『不妊、去勢、室内飼い徹底を』「これ以上、不幸な猫たちを増やさないで」。捨て猫などとして公的な小動物管理施設に引き取られる子猫の“救済”を求める声が高まっている。引き取られる犬の全体数が減少傾向にある中、子猫は高水準で推移し、新たな飼い主が見つからずに処分される割合が高いため。関係者は不妊・去勢や室内飼養の徹底を呼び掛けている。20日から動物愛護週間−。 (田嶋豊) 金沢市小動物管理センターなどによると、二〇〇九年度の金沢市での捕獲・保護、引き取り数は犬が九十匹に対し、猫が三百八十九匹。犬は六十九匹が飼い主らに返還または新たな飼い手に譲渡されたが、猫はわずか十六匹で、ほとんどが処分されている。センターに来るのは大半が子猫で、目がまだ開いていなかったり、へその緒が付いたままだったりするケースも。ほとんどが自活できない状態だという。 犬は狂犬病予防法や危害防止条例などが一定の歯止めとなっているが、猫にこうした十分な法律はない。猫は繁殖力が強い上、放し飼いによる子猫の産み落としも後を絶たない。 行政が犬猫の避妊・去勢手術費の助成制度などを続けてきた結果、施設での引き取り全体数が減少。これを受け、財政難なども背景に、制度を取りやめる自治体が相次ぎ、県も〇七年度末で廃止した。 一方、県内では金沢市とかほく市が市単独で助成制度を続行。金沢市は今年六月から制度を見直して対象を雌猫に限定し、不妊助成額を従来の二千円から三千円に増額し、周知に懸命だ。 市民団体「猫の避妊と去勢の会」(金沢市)は、同市福久の大型商業施設・金沢サティと連携して十二日、猫の飼い方相談会を初めて開催。捨て猫の実態などを伝えるとともに、不妊・去勢手術や終生愛育を呼び掛けた。 全国各地を視察し、猫がガス処分される実態を見ている代表の桐畑陽子さんは「なぜ猫が命を落とさなければいけないのか。飼い主のモラル、レベルアップが求められている」と訴える。 新たな飼い主になりたい人は、小動物管理センター(平日午前八時半〜午後五時)=電076(258)9070=へ。 手術費用の助成 石川初めて対象日本動物福祉協会日本動物福祉協会が犬猫の不妊・去勢手術費用を助成する「捨て犬・捨て猫防止キャンペーン」が本年度、県民を対象に初めて実施される。 キャンペーンは、同協会が一九九四年度から毎年一回、全国二地域を対象に実施し、二〇一〇年度は石川と栃木両県が選ばれた。抽選で犬猫の雌二百匹、雄百匹に限り、雌は一匹当たり一万円、雄は同五千円を支給する。 希望者は、〒141−0031 東京都品川区西五反田8の1の8中村屋ビル4階、日本動物福祉協会「捨て犬・捨て猫防止キャンペーン係」へ。十一月五日の消印有効。問い合わせは、同協会=電03(5740)8856=へ。 (田嶋豊) 捨て犬・捨て猫の実態 県によると、県全体の2009年度の引き取り数は、犬が478匹(捕獲を含む)に対し、猫は1516匹(保護を含む)。07年度以降3カ年の推移をみると、犬・猫ともに減少しているが、猫の減少率は低いという。県は08年3月に「いしかわ動物愛護管理推進計画」を策定し、17年度末までに引き取り数の半減を目指す。また、県は金沢市と協調し、08年10月から犬猫の引き取りを有料化(91日未満400円、91日以上2000円)した。 PR情報
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