原作は大人気作家・東野圭吾 感動のロングセラー傑作長編ミステリー『秘密』
2010年上半期作家別の販売部数ランキングでも1位(日販調べ)と、今もっとも勢いのある作家・東野圭吾氏。彼が手掛けた小説は次々と映像化され、数多くの視聴者の心を掴んできた。今回満を持して連続ドラマ化されることになった『秘密』は、そんな東野氏がブレイクするキッカケとなった出世作。1998年に発表されるや、第120回直木三十五賞、第20回吉川栄治文学新人賞にノミネート、第52回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した傑作ミステリーだ。
物語はごく平凡な3人家族である杉田家を突然襲った“悲劇”から幕を開ける。妻と娘を乗せたバスが崖から転落。妻は死亡し、娘は奇跡的に助かるが、そのとき誰もが想像すらしなかった事態が起こっていた。助かった娘の体には妻の魂が宿っていたのだ! その日から、一家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まる――。
連続ドラマ化するにあたって、この珠玉の名作により深く、より丁寧にアプローチ。原作本来のミステリーの縦軸はもちろん、全編に散りばめられた家族愛と夫婦愛の軌跡を余すところなく映像化する。
夫婦のあり方、親子の絆、“人を愛すること”の本質を問う家族の愛の物語
妻の魂だけが娘の体に入り込んだとき、夫の妻への愛、娘への愛はどう変化していくのか。“体が単純に魂=心のいれもの”と捉えるならば、妻への愛には何の支障もなく、それまで通り夫婦として生活を続けられるはず…。しかし、娘の体には彼女自身が持っていた可能性が蕾のままで眠っている。誰を愛し、どんな人生を送るか――選択肢は無限にある。また、「人生が終わった」と一度は感じた妻が、愛する娘の可能性を消費してしまえるのか。「伴侶を失った」と一度は絶望した夫が、愛する妻の苦悩を理解できるのか。愛について考えることは、そのまま生き方について考えることに通じるのではないか。愛を選ぶことが、人生を選ぶことではないか…?
そんな物語のさまざまな場面で、登場人物たちが直面する問題を深く丁寧に描写し、“人を愛すること”の本質を問い掛けていく『秘密』。夫婦のあり方とは、親子の絆とは、そして愛情はどうすれば深まっていくのか…? 親子3人の関係を繊細に描いて話題を呼んだ『マイガール』から1年、同じ金曜ナイト枠で“感動の愛の物語”が再び紡ぎ出される!
志田未来×佐々木蔵之介――25歳差の演技派2人が生む化学反応に期待
主人公・藻奈美を演じるのは役設定と同年代、17歳の志田未来。その高い演技力で若手女優を代表する存在となっている彼女が“母親の魂が宿った女子高生”という複雑な役どころに挑戦する。16歳の藻奈美を演じること=娘の体に宿った38歳の母の精神を演じること。やがて直面する“夫婦(男と女)の問題”や、その末の苦渋の決断など、大人の女性ならではのさまざまな感情表現が求められる。彼女にとって、女優としての幅をさらに広げる役柄となるだろう。
そして、そんな娘(=妻)の存在に大きく揺れ動く平介を演じるのは佐々木蔵之介。事故を機に夫として、父として、男としての苦悩に終始苛まれる平介。確固たる演技力で幅広い役柄をこなしてきた佐々木が、そんな細やかで複雑な心の機微を丁寧に演じていく。
映画『誰も守ってくれない』で共演済みの2人だが、全編にわたって絡むのは今回が初めて。25歳差の2人が本格的にタッグを組んで夫婦を演じることで、作品にどんな深みが与えられるのか――。演技派2人が起こす化学反応にも注目だ。