韓国の石油会社、政府の「備蓄油」を使い放題

1年近く返さないケースも

 韓国の石油会社が、非常事態や石油危機などに備えて貯蔵している政府の「備蓄油」を、自社のもの同然に使用していたことが明らかになった。

 国会予算決算特別委員会の李貞鉉(イ・ジョンヒョン)議員(ハンナラ党)は14日、「韓国石油公社から受け取った資料によると、SKやGSカルテックス、現代オイルバンクなどの石油会社が、政府の備蓄油を借りたまま、最長で1年近く返さなかったことが分かった」と明らかにした。現行の備蓄油の運用基準では、借りた備蓄油は60日以内に返すことになっている。なお、石油公社は備蓄油を貸し出す際に賃借料を受け取っているが、その収入は昨年199億ウォン(約14億2600万円)に達した。

 SKエナジーは2008年10月8日に軽油1億リットルを借り、356日後の昨年9月28日に返した。また、現代オイルバンクも08年6月11日に借りた灯油11万リットルを、287日後の昨年3月24日に返した。GSカルテックスは、05年に1591万リットルの軽油を238日間借りた。04年6月には、SKが京畿道九里市の備蓄油タンクに貯蔵されていた灯油47万リットルをすべて借り、在庫がゼロになる事態となった。SKは145日後に借りた分をすべて返したが、その間タンクは空の状態だった。また同年には、備蓄油タンクにあった軽油712万リットルを、石油会社4社がすべて借り、このタンクは約8カ月も空になっていた。これについて李議員は、「非常事態に備えるために設置された備蓄油のタンクが8カ月も空になっていたというのは、常識的に考えて納得できない」と指摘した。

 これに対し石油公社側は、「備蓄している石油製品の品質規格に合わせるため、石油会社に古くなった石油を貸し出し、代わりに新しい石油を受け取ることもある。決して、石油会社に甘い汁を吸わせているわけではない」と釈明した。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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