このまま手をこまぬいていれば、問題解決の道はさらに険しくなる――沖縄県名護市の市議会議員選が民主党政権に警告を突きつけた。
5月の日米合意では、同市辺野古周辺に米軍普天間基地を移設することになっている。ところが、定数27の市議選では移設に反対する稲嶺進市長派が16人当選し、過半数を占める結果になった。
普天間移設は在日米軍の抑止力のあり方や日米同盟の運営に大きくかかわる問題だ。1つの地方自治体の選挙によって、国家安全保障の政策が二転三転すべきではない。
政府は13日、同市への移設案を変えない方針を示したが、当然の対応といえる。
その一方で、1月の名護市長選に続き、市議選でも移設反対派が勝った結果、移設に向けたハードルが一段と高くなったのも事実だ。
次の大きな焦点は11月28日の沖縄県知事選である。知事選は再選をめざす仲井真弘多知事と、県内移設に反対の伊波洋一・同県宜野湾市長の戦いになる雲行きだ。
仲井真氏は名護市移設を完全には否定していないが、反対を明言している伊波氏が勝てば、移設案が宙に浮く可能性が強まる。
こうした状況下で、菅政権は日米合意順守の原則論を繰り返すばかりだった。問題を全力で打開しようという気迫が感じられない。もっと真剣に沖縄と向き合い、移設案への理解を得る努力が必要である。
やらなければならないことは明白だ。政府は10日、経済振興などを沖縄側と話し合う沖縄政策協議会を再開させた。本来もっと早く再開すべきだったが、この協議のペースを速め、知事選までには目に見える成果をまとめてもらいたい。
協議会では普天間問題は当面議題にしないもようだ。地元の信頼を回復するうえで、振興策の協議が先行するのもやむを得ない面があろう。
なぜ沖縄に米海兵隊が駐留しなければならないのか。政府はこの点についても詳しく、沖縄の人びとをはじめ広く国民に説明すべきだ。在日米軍の役割への国民的な理解を得る努力を怠ったままでは、普天間をはじめとする米軍基地の問題が和らぐことにはならない。
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