後継者問題:「偉大なる首領」と呼ばれ始めた金総書記

秒読みに入った労働党代表者会、「後継公式化」のシグナルもキャッチ

 北朝鮮が労働党代表者会を開くと公言した「9月上旬」の最終日(15日)が翌日に迫った14日、後継者登場の可能性を思わせるシグナルがあちこちでみられた。

 労働党の機関紙「労働新聞」は14日、1面の社説で「党の強化と発展に、祖国と人民の運命、革命の前途がかかっている。全党と社会全体で、党の唯一的領導体系をさらに徹底して確立していかなければならない」「全党・全軍・全民が、金正日(キム・ジョンイル)同志を首班とする党中央委員会を命を懸けて死守し、敬愛する将軍様(金総書記)の周りで団結、さらに団結しなければならない」と記した。北朝鮮は、44年ぶりに開催する今回の党代表者会で労働党を強化した後、後継者とみられる金総書記の三男ジョンウン氏に主な党職を任せ、後継体制を公式化する-という見方が出ている。北朝鮮は、今年6月に党代表者会を招集した際、その議題について、「党最高指導機関の選出のため」と表明していた。

 14日の米国国営ラジオ局「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」放送も、「最近北朝鮮で金総書記を、“親愛なる指導者”ではなく、故・金日成(キム・イルソン)主席のことを指していた“偉大なる首領”と呼ぶ場面が目撃された」と報じた。先月初めに訪朝したキリスト教団体「オープン・ドアーズ」のポール・エスタブルック局長は、VOAのインタビューに対し、「(北朝鮮の人々が)金主席を指していた“偉大なる首領”を金総書記に使い、金主席は“永遠の主席”という呼び方に変わった。(従来)金総書記に使われていた“親愛なる指導者”という呼称は聞かれなくなったが、後継者ジョンウン氏のために取ってあるという気がした」と語った。韓国政府の当局者は、「報道が事実なら、呼称まで世襲しようということのようだ」と語った。

 また読売新聞はこの日、北朝鮮内部の消息筋の話を引用し、「労働党の各地区の代表は13日までに平壌に集結し、代表登録を終え、待機している。代表者会は、15日開催に向け準備が進められている」と報じた。

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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