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【大相撲】白鵬48連勝 千代の富士超えへあと62010年9月13日 紙面から
◇秋場所<初日>(12日・両国国技館) 自身初の4連覇を狙う横綱白鵬(25)=宮城野部屋=は小結鶴竜を寄り切りで退け、初場所14日目から続く昭和以降3位の連勝記録は48に伸びた。 野球賭博問題のため10人の関取が謹慎するなど異例ずくめだった名古屋場所からの再出発となる今場所は、4大関も白星発進。初日に横綱、大関陣が安泰なのは、ことし春場所以来。 「千代の富士超え」に向けて好発進だ。白鵬が相撲巧者の鶴竜を冷静に料理して、単独3位の連勝記録を48へ伸ばした。 立ち合いで鶴竜が手をつかずにじらしてきたが、熱くなることなく仕切り直した。立ち合い後も、もろ差しを許す不利な体勢になりかけたが、巻き替えて左四つに。有利な体勢をつくると「手の長さと身長があるから利用した感じかな」と、再度もろ差しを狙ってきた瞬間に体を寄せて寄り切った。 今場所、7日目まで土つかずなら歴代2位の千代の富士(現九重親方)の53連勝を抜く。「意識がないといったらウソになる」と言うが、初日にプレッシャーは皆無だった。今場所のけいこも名古屋場所に続き非公開だが、「リラックスして若い衆にも声を掛けていた」と、実質的な師匠である熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)。けいこ後の風呂場からは、横綱の鼻歌も聞こえてきた。 「鶴竜の気迫も見えたけど、横綱の強さと速さが上回っていたね」と、放駒理事長も絶賛。異例ずくめの名古屋場所を終え、ほぼ通常の態勢に戻った秋場所だが、東京場所の初日としては5年ぶりに大入り満員にならず、傷あとは残った。盛り上げるためにも「自分の気持ちとしては、連勝を伸ばしてほしいね」と理事長は期待を込めた。 横綱も応える気持ちは十分だ。「終わったことは終わったこと。前向きに今場所頑張るだけです」。勝ち続けて、新生・大相撲をアピールする。 (田中一正)
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