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【プロ野球】

虎の高卒ルーキー秋山 プロ初完封

2010年9月13日 紙面から

阪神−ヤクルト 甲子園初登板で初完封を達成し、お立ち台でウイニングボールを手に笑顔の秋山=甲子園球場で(田中久雄撮影)

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◇阪神5−0ヤクルト

 絶対に負けられない試合で、阪神の高卒ルーキーが大仕事をやってのけた。すでに2度連敗ストッパーの役割を果たしている秋山が、プロ4度目のマウンドで躍動。打っても7回の好機に自らを助ける左前へのプロ初適時打。投打でヒーローの座を射止めた。

 昨夏、愛媛・西条高のエースとして踏んだ甲子園のマウンドも、プロでは初めて。満員のスタンドからの視線を一身に浴びても「変に落ち着きがあって、気が抜けてるかと思った」という。そんな強心臓男は、立ち上がりでいきなり青木に中前打を許しても「詰まっていたんで、それほどショックは受けなかった」。慌てることなく飯原、ホワイトセルを内野ゴロに仕留めた。

 2回を3者凡退とすると、後は堂々とした投球でヤクルト打線を抑え込む。無四球、散発の4安打。初完投、初完封を成し遂げた。球数はわずか93。高卒ルーキーが100球以内で完封したのは、中日・近藤が1987年8月23日、阪神相手に98球シャットアウト(2度目の完封、同年は3度達成)して以来、23年ぶりだ。

 「高校時代は投げても打っても結果はでなかったんですけど、投打でいいプレーができてすごくうれしい。1つ1つのアウトを、と思って投げました。(完封は)最終回に意識しました」。阪神での高卒新人の完封は1986年の遠山以来24年ぶり3人目。無四球完封となると球団史上初の快挙だ。

 真っすぐは140キロ前後で、決して剛球ではない。それでも抑えるのは城島によれば「腕が体から離れず近くを通るから打者に(球の出どころが)見えずらい。最後まで球に指がかかっているから低めのたれそうな球もたれない」。快投の要因はフォームにありそうだ。

 チームは引き分けを挟んで3連敗中だった。前日(11日)は守護神・藤川球が2点のリードを守れず、首位中日には1・5差をつけられた。そんな苦しい状況の中、孝行息子が出現。真弓監督は「いい救世主になっている。練習を見ると高校をでたばかりに見えるけど、マウンドに上がると豹変(ひょうへん)する。度胸がいいし動揺しない」と絶賛。優勝争いに頼もしい切り札が加わった。 (中山隆志)

 

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