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押尾被告「ウソをついていました」

 保釈され謝罪の第一声を発する押尾被告(09年8月31日、東京・三田警察署)
 保釈され謝罪の第一声を発する押尾被告(09年8月31日、東京・三田警察署)

 合成麻薬MDMAを一緒にのんで死亡した飲食店従業員・田中香織さん(当時30歳)を救命しなかったとして保護責任者遺棄致死などの罪に問われた元俳優・押尾学被告(32)の第6回公判が13日、東京地裁で開かれた。裁判の最大のヤマ場となる被告人質問が初めて行われ、MDMA使用の罪に問われた昨年11月の裁判と食い違う証言内容を検察と裁判長に追及され「ウソをついていました」とけろりと認めた。

  ◇  ◇

 裁判でウソをついてました‐。注目の被告人質問で仰天の供述が飛び出した。

 検察側は質問の冒頭で、「以前にも田中さんと一緒に薬物を使用したかどうか」、「田中さんが押尾被告のもとを訪れた理由」、「押尾被告が過去に薬物を使った回数」の3点について、押尾被告の証言が、麻薬取締法違反の罪に問われた前回(昨年10月)の裁判と今回の法廷で異なることを指摘。検察側から「前回の法廷ではウソをついた?」と確認された押尾被告は、「ハイ」とあっさり肯定した。

 「前回はどうしても隠したい、ということしか頭にありませんでした。今回は何も隠さず、全部話しています」と苦し紛れに説明。さらに質問を受け「私はクスリのことを隠したかったんです」と開き直った。

 “ウソ発言”には、山口裕之裁判長からも「前回と今回で、どういう違うがあるんですか?」と鋭く質問され、「前はバレなかったらいいなというのがありました。(今回は)やはりウソはよくないと…」と子どもの言い訳のような主張を展開した。

 検察官も、裁判員も、田中さんに異変がみられても119番通報をしなかった理由を“追及”されると、最後には「クスリ(薬物使用)の発覚を恐れていたからです」と“自分の保身のため”に119番通報しなかったことを認めた。

 想定問答を繰り返した弁護側の質問では、答えを丸暗記していたとみられ、検察側に“食い違い”を矢継ぎ早に突かれると、いらだつように語気を強める場面も。また“食い違い”供述の言い訳連発に傍聴席から失笑が漏れる場面もあった。

(2010年9月14日)

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