阪神・能見篤史投手(31)が、18日からの巨人、中日と続く勝負の6連戦に、2度先発する可能性が13日、浮上した。まずは6連戦初戦の18日の巨人戦(甲子園)に先発し、体調などに問題がなければ、中4日で23日の中日戦(ナゴヤドーム)に臨む。残り19試合。優勝争いのヤマ場に、復活した左腕がフル回転で臨む「Vローテ」。ここを乗り切り、真弓阪神が一気に優勝へと突き進む。
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太陽に照らされ、無観客の静かな聖地に、ミットから奏でられる重い音が響き渡った。久保や下柳が屋内のブルペンで投球しただけに、黙々と屋外で投げ込む能見の姿が余計に際立った。決戦を見据えた48球の「予行演習」。勝負の6連戦、能見のフル回転で「Vローテ」を完成させる。
まずは14日から横浜3連戦を戦い、いよいよ週末からは巨人、中日と続く6連戦に挑む。覇権を争う重要な直接対決。ここでの勝敗が、大きく優勝争いに影響する。だからこそ万全の態勢を敷く。先陣を切り、順調にいけば締めくくりとなる23日の敵地での中日戦も、能見に託される。
投手指名練習の終了後、体調について問われると「(体全体の)張りはありましたけど、だいぶ取れてきましたよ」と手応えを口にした。130日ぶりの1軍マウンドとなった9日の中日戦では、今季最多の128球を投げて7回2失点の力投。翌日は疲れも口にしたが、18日まで中8日と間隔があくのが好材料だ。
課せられるのは「GD斬り」の大役。ただ、相性には問題ない。巨人に対しては、09年7月19日から5連勝中という「巨人キラー」だ。今季は5月2日の甲子園での対戦中に、右足楔(けつ)状骨をはく離骨折するアクシデントに見舞われた。それ以来となる甲子園での伝統の一戦が、大切な「決戦」のマウンドとなるのも運命か。リベンジへと気持ちは高まる。
また、中日に対しては昨年にナゴヤドームでの対戦で勝利するなど、現在2連勝中だ。恐れることはない。自信を持ってマウンドに上がることができる。
山口投手コーチは、6連戦を見据えて「6連戦にベストのピッチャーで臨めるように、総力を挙げていかなあかん。こっちは追いかけるほうやから、取りこぼしもできないし、勝ちにいかなあかん」と話した。まず横浜との3連戦をスタンリッジ、下柳、久保の3投手でしっかりと勝ち星を重ねることが重要。その上でメッセンジャー、秋山を加えた先発陣、そしてリリーフ共に直接対決に向けた態勢を整える。
長かった戦いも残り19試合。ここから、最後のラストスパートに入る。本拠地でのG倒と、敵地での竜倒を描いたVローテ。虎投の誇りを胸に、一丸となって勝負どころを乗り切り、優勝へと一気に加速する。
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