小沢氏「最後まで全力」菅首相「信じている」…両陣営が最後の争奪戦

民主党代表選でひな壇の席に着く菅首相（右）と小沢前幹事長

　民主党代表選で激戦を繰り広げる菅直人首相と小沢一郎前幹事長の両陣営は１４日午前、都内で同日午後開かれる臨時党大会での国会議員投票をにらみ、ぎりぎりまで争奪戦を続けた。

　小沢氏は午前、陣営が衆院議員会館で開いた会合に出席。国会議員約７０人を前に「今回ほど多くの友情を感じたことはない。最後の最後まで全力を尽くす」と訴え、支援を重ねて要請した。

　首相は朝、公邸前で記者団に心境を問われ「元気だよ」とひと言。安全保障会議や定例の閣議など公務を淡々とこなし、閣議前に菅氏を支持する岡田克也外相、前原誠司国土交通相と笑顔で言葉を交わした。正午からは陣営の決起集会に出席。

　菅陣営は朝から幹部らが国会近くのホテルに集まり最終情勢を分析した。江田五月選対本部長は小沢氏について記者団に「最も手ごわい相手だった」と振り返り「国会議員は国民の代表者だから、国民の声を代弁してくれると信じている」と勝利に自信をみせた。

　菅氏を支持する仙谷由人官房長官は午前の記者会見で、代表選後の挙党態勢の在り方について「チーム民主として力を合わせて未来志向で、それぞれが力を尽くすことになればいい」と指摘。菅陣営の牧野聖修衆院議員は記者団に「国民が願う政治状況をつくるため、残された時間も支持集めに頑張る」と述べた。

　一方、小沢陣営の会合では、鳩山由紀夫前首相が「投票まであと数時間残っている。覚悟を仲間に広げてほしい。官僚任せの政治を復活させてはならない」と支持を呼び掛けた。三井弁雄国対委員長代理は都内で記者団に「手応えを感じる。勝てると思う」と強調した。

　小沢陣営は態度未定議員に電話などで小沢氏への投票を働き掛ける「最後のお願い」に全力を挙げた。

（2010年9月14日14時06分  スポーツ報知）

ソーシャルブックマークに登録