ついに全米も制したナダル　土の王者から真の王者へ

全米オープン男子シングルスで初優勝し、笑顔でトロフィーを手にするラファエル・ナダル
Photo By ＡＰ

　【全米オープンテニス】待ちに待った瞬間が訪れた。相手のショットがラインを割ると、大歓声を浴びながらコートに倒れ込む。ジョコビッチとの激しいラリーを制したナダルが、悲願の全米制覇。生涯グランドスラムを達成し「信じられない。夢見た以上にすごい」と優勝トロフィーを頭上に掲げた。

　第１セット第１ゲームを、いきなりブレークした。あらん限りの力のこもったフォアで揺さぶり、このセットは２度のブレークで６―４。バックハンドを執ように狙われ、第２セット途中には１１ポイントを連取されもした。それでも持ち直し、第３、４セットをものにした。雨による中断でも崩れなかった。

　あまり得意ではなかったタイプのコートに、両ひざの痛み。過去の全米は「いつも問題を抱えていた」とナダルは打ち明ける。だが今大会の体調は万全で、さらに全米用にラケットの握りを従来のスピン重視から、直線的に打てるものに変えた。

　生涯グランドスラム達成のための選択は当たり、決勝では相手を圧倒する強打を連発。サービスエースの数でも上回った。挑戦する意識の高さが、土の王者を、真の王者に変えた。（共同）