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「金と女性」3事件に共通 元交際女性殺人の容疑者

2010年8月15日

 県警は14日、沼津市内の空き地のドラム缶の中で遺体で見つかった日比野かおりさん(当時22)殺人容疑で、清水町のリフォーム業、桑田一也容疑者(44)を地検沼津支部に送検した。また同日、浜松医科大で遺体の司法解剖を行ったが、腐敗が進んでおり死因を特定することはできなかった。今回の事件のほか、桑田容疑者は、すでに2件の事件で起訴されている。いずれの事件にも金と女性が関係し、不可解な点も多いのが特徴だ。

 御殿場市萩原の住宅物置で、3月末から捜索願が出ていた桑田紘子さん(当時25)がブルーシートにくるまれ、遺体で見つかったのは5月5日。

 住宅密集地の物置小屋に遺体が放置された奇異な事件。県警は、3日後、桑田さんの夫である桑田容疑者を死体遺棄容疑(のちに殺人容疑も追加)で逮捕した。

 「生活費をせがまれ、頭に来たので殺した」と供述した桑田容疑者。離婚後も元妻や子どもが暮らす現場の家に出入りしていた上、殺害した再婚相手の遺体まで放置。そのまま別の事件で逮捕された。

 死体遺棄容疑で逮捕される2カ月前の3月、桑田容疑者は詐欺行為に手を染めていた。「保険料を振り込めば死亡給付金を受け取れる」。女性に電話をかけて92万円をだまし取り、4月、詐欺容疑で逮捕された。東京地検の職員を装っての犯行もさることながら、だました相手は、自ら借金をしていた知人女性だった。

■多額の借金が背景か

 今回、遺体で見つかった日比野さんの口座からは、殺害されたとみられる時期に、複数回にわたって金が引き出されている。総額は、約2千万円。桑田容疑者は、引き出しを認めているという。

 6月に始まった詐欺事件の裁判では、被害女性に4千万円の借金があったことや犯行当日が、暴力団から借りた金の返済日だったことが、検察に指摘された。

 10年前に御殿場市内に家を購入し、その後、自らリフォーム業を興した桑田容疑者には、数千万円の借金があったことがわかっている。多額の借金が犯行につながった可能性が高く、県警では慎重に捜査を進めている。

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