もしかしたら明日はパリのバケットコンクールの日ではないでしょうか?パリ一番のパン職人決定戦ですので皆さん気合いが入っている頃ですかね。
日本人は出場すら出来ないハイレベルなコンクール。せめて出るだけまでは頑張って欲しいものです。もし、今年日本人が出るならアドバイスを。採点表が見た目に傾いています。ある程度の見た目がないと勝負になりませんけど、優勝狙いなら味が全てです。見た目で20位までが決まり、そのなかから試食。味が良ければ採点表は後から見直され、一番うまいバケットが優勝になります。
予選的な見た目ですけれど、見た目が綺麗ではダメです。美味しそうな見た目に高得点がつきます。日本人は工業製品的な精度の高い物を美しいと考えがちですけど、フランスの美は違います。クープを精度よく入れる為に必要以上に生地を捏ねて、見た目が日本的な美を持ったバケット、これは食べると間違いなくガッカリします。それを審査員たちは見た目でわかりますので、日本で一般的な形の整ったバケットは危険です。なかなかここが日本人ブランジェには難しい。どうしても日本的な思考回路を抜け出せないようです。具体的にはペトリサージュを極限まで浅くする事が大切です。浅くすると形が美しく出来ないじゃあないかと言われそうですが、ワールドクラスの上位陣は浅いペトリサージュの扱いにくい生地を上手く成形、焼き上げています。日本人ではこの技術を持った人、シェリーしか見たことがありません。
僕のバケット2007。南部藩の伝統的な味がテーマでした。複雑な発酵のさせ方は小麦の味を損ねます。ありがちな失敗は天然酵母です。確かにコントロールが難しい製法だけに、この製法はパン職人の自己満足に使われます。パリでもルヴァン製法に回帰する流れがあり、これがバケットの味を悪くしていた。
僕はここに注目。南部藩の中でも特に冷候な八戸は米が取れず、麦文化。生地を三角に切ったり、やや、発酵させた生地を引っ張ってちぎったり、せんべいに焼いて鍋に入れたり、米の代わりに様々な食べ方で麦を食べて来ました。お菓子も麦餅が基本です。
現在では流通が良くなり、普通に米を食べていますが、1000年以上受け継がれた、麦で継いできたDNAは僕の中にも生きています。麦に対する厳しい基準はフランス人にもひけを取りませんでした。
麦の香りを損ねないバケット。考えてみれば当たり前なのに、パン職人は自己満足の酸っぱくなる発酵で麦を殺してしまう。南部藩の僕だから出来た麦の味が力強いバケット。過去10年間のなかで、組合員ではない店による優勝になりました。
パリの空の下のパンはどれも小麦の香り、味わいが豊かです。ヴィエノワズリーまでも麦感で表現。南部藩出身らしいパンで、パリより美味しいパンを目指しています。
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日本人は出場すら出来ないハイレベルなコンクール。せめて出るだけまでは頑張って欲しいものです。もし、今年日本人が出るならアドバイスを。採点表が見た目に傾いています。ある程度の見た目がないと勝負になりませんけど、優勝狙いなら味が全てです。見た目で20位までが決まり、そのなかから試食。味が良ければ採点表は後から見直され、一番うまいバケットが優勝になります。
予選的な見た目ですけれど、見た目が綺麗ではダメです。美味しそうな見た目に高得点がつきます。日本人は工業製品的な精度の高い物を美しいと考えがちですけど、フランスの美は違います。クープを精度よく入れる為に必要以上に生地を捏ねて、見た目が日本的な美を持ったバケット、これは食べると間違いなくガッカリします。それを審査員たちは見た目でわかりますので、日本で一般的な形の整ったバケットは危険です。なかなかここが日本人ブランジェには難しい。どうしても日本的な思考回路を抜け出せないようです。具体的にはペトリサージュを極限まで浅くする事が大切です。浅くすると形が美しく出来ないじゃあないかと言われそうですが、ワールドクラスの上位陣は浅いペトリサージュの扱いにくい生地を上手く成形、焼き上げています。日本人ではこの技術を持った人、シェリーしか見たことがありません。
僕のバケット2007。南部藩の伝統的な味がテーマでした。複雑な発酵のさせ方は小麦の味を損ねます。ありがちな失敗は天然酵母です。確かにコントロールが難しい製法だけに、この製法はパン職人の自己満足に使われます。パリでもルヴァン製法に回帰する流れがあり、これがバケットの味を悪くしていた。
僕はここに注目。南部藩の中でも特に冷候な八戸は米が取れず、麦文化。生地を三角に切ったり、やや、発酵させた生地を引っ張ってちぎったり、せんべいに焼いて鍋に入れたり、米の代わりに様々な食べ方で麦を食べて来ました。お菓子も麦餅が基本です。
現在では流通が良くなり、普通に米を食べていますが、1000年以上受け継がれた、麦で継いできたDNAは僕の中にも生きています。麦に対する厳しい基準はフランス人にもひけを取りませんでした。
麦の香りを損ねないバケット。考えてみれば当たり前なのに、パン職人は自己満足の酸っぱくなる発酵で麦を殺してしまう。南部藩の僕だから出来た麦の味が力強いバケット。過去10年間のなかで、組合員ではない店による優勝になりました。
パリの空の下のパンはどれも小麦の香り、味わいが豊かです。ヴィエノワズリーまでも麦感で表現。南部藩出身らしいパンで、パリより美味しいパンを目指しています。
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