イラク 収容者に人権侵害続く
K10039690111_1009140619_1009140620
NHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

イラク 収容者に人権侵害続く

9月14日 6時13分 twitterでつぶやく

イラクでは、政府の治安機関が犯罪にかかわったとされるおよそ3万人を長期間にわたって拘束したり、拷問したりしているとして、国際的な人権団体が、待遇などの改善を強く求めています。

これは国際的な人権団体「アムネスティ・インターナショナル」が、13日に発表したイラクの人権をめぐる報告書の中で明らかにしたものです。それによりますと、現在イラク政府の治安機関によって犯罪にかかわったとされるおよそ3万人が裁判も行われないまま、長期間にわたって国内各地の収容所で劣悪な環境のなかで束されており、中には弁護士との接見や家族との面会がまったく許されていないケースもあるということです。また報告書は、治安機関の担当者が武装勢力との関係を疑い、拘束した人から供述を引き出すため、割れたガラス片の上に座らせたり電気ショックを与えたりするなどの拷問を日常的に行っていると指摘しています。イラクでは、駐留するアメリカ軍が2003年のイラク戦争以降、国内各地に設置した収容所で収容者への虐待や令状のない拘束を繰り返し、国際的な非難を浴びていました。アメリカ軍はイラクからの撤退を進めるなか、ことし7月までにこうした収容所すべてをイラク側に引き渡していますが、アムネスティ・インターナショナルは、今も人権侵害が続いているとして収容者の待遇などの改善を強く求めています。