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【社会】

公金詐欺元職員に実刑 神奈川県不正経理

2010年8月25日 夕刊

 神奈川県の不正経理事件で、架空発注により公金約四千百万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた県税務課元主幹吉田伸一(59)と、元副主幹木村仁(50)の両被告=いずれも懲戒免職=の判決で、横浜地裁は二十五日、吉田被告に懲役三年六月(求刑懲役五年)、木村被告に懲役二年(同四年)を言い渡した。

 秋山敬裁判長は「幹部としての責務に反し、多額の公金をほしいままにした言語道断な犯行で、県民の行政に対する信頼を裏切った」と指摘。「犯行を認め反省し、木村被告は被害金を弁済しているが、動機の悪質さと結果の重大さから、執行猶予は相当でない」と、実刑を選んだ理由を述べた。

 判決によると、二人は二〇〇四年三月〜〇五年三月、横浜市内の二業者に事務用品を発注したように架空の書類を県に提出、業者の銀行口座に公金を振り込ませた、とされる。少なくとも吉田被告は八百万円を、木村被告は千三百万円を、業者から図書券などで納品させて換金、遊興費などに使っていた。

 県庁内では当時、予算を年度内に使い切るため、業者に公金をプールする「預け金」などの不正経理が慣習化。県によると、不正経理は二〇〇三〜〇九年度で約十六億六千万円に及んだ。県は昨年十二月、預け金を私的流用したとして、両被告ら三人を詐欺罪で告訴。残る一人は嫌疑不十分で不起訴となっている。

 

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