大野強殺の指紋、ＤＮＡ特定急ぐ　ビデオ映像で県警に情報１９件（2010年8月30日午前7時37分）

　福井県大野市牛ケ原のコンビニ店「サークルＫ牛ケ原店」の店長山本嘉裕さん（４６）＝同市牛ケ原＝が店を訪れた男に殺害され、現金約３５万円を奪われた強盗殺人事件で大野、福井両署と県警捜査１課、機動捜査隊でつくる合同捜査本部は２９日、発生から３日連続で店内の実況見分、現場検証を行った。容疑者特定の決め手となり得る指紋やＤＮＡの採取に全力を挙げている。また、同店を起点とした道路沿いで遺留品の検索を行ったが、凶器などは発見できなかった。

　捜査本部は３日間の見分で、男が開けようとしたレジ周辺や金を奪った事務所を中心に店内をくまなく調べ、大量の指紋やＤＮＡ検出に必要な毛髪などの試料を採取した。防犯ビデオに映った男の姿からは手袋をしている様子はうかがえず、男の指紋やＤＮＡの検出に期待をかけている。

　しかし、被害者の出血が指紋を洗い流した可能性があり、タオルを巻いていた男が毛髪を落としたかは不明。今後、採取した指紋や検出したＤＮＡから同店関係者分を仕分ける作業に入る。ただコンビニは不特定多数の人が訪れるため、相当数のサンプルが残ると予想される。男の指紋などが特定されるかどうかは現段階で不透明だ。

　捜査本部はまた、店内の血だまりに残った足跡から、男は運動靴を履いていたとみて製造元や商品の特定を進めている。

　犯行に使われた可能性のある白い大型セダンタイプの車については、目撃情報などから車種を絞り込み、複数台の県外ナンバーの車を割り出した。県外に捜査員を派遣して裏付け捜査を進めているが、ナンバーを特定するまでには至っていない。

　２９日は大野市要町の三番交差点から福井市計石町まで、約６キロの道路沿いを凶器などの遺留品がないか検索したが、有力な手がかりは見つからなかった。

　防犯ビデオに映っていた男の顔を公開したことで、３日間で計１９件の情報が電話で寄せられた。２９日未明に行った同時間帯検問では９５台から話を聞いたが、有力な情報は得られなかった。