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雅山vs豊ノ島、謹慎明け対決に賞賛の大歓声

 上手投げで豊ノ島に敗れた雅山(左)=両国国技館(撮影・開出 牧)
 上手投げで豊ノ島に敗れた雅山(左)=両国国技館(撮影・開出 牧)

 「大相撲秋場所初日」(12日、両国国技館)

 野球賭博問題など一連の不祥事からの出直しを図る大相撲秋場所が、初日を迎えた。東京場所としては5年ぶりに初日に満員御礼が出ず、厳しい船出となった。十両では野球賭博関与で名古屋場所を謹慎し、幕内上位から陥落した元大関雅山と元関脇の豊ノ島が対戦。「みそぎ」の思いを、土俵上で示した。幕内では横綱白鵬が小結鶴竜を寄り切り、連勝を「48」に伸ばした。

  ◇  ◇

 「みそぎ」を土俵で体現した。十両最後の一番は、元大関の雅山と元関脇の豊ノ島。ともに野球賭博関与で名古屋場所を謹慎し、幕内上位から十両まで転落した。複雑な感情を胸に、互いに闘志をぶつけ合った。

 鋭く踏み込んだ雅山が強烈な突き放しで、豊ノ島を土俵際まで追い込む。雅山は一気に突いて出たが、豊ノ島が突き手をたぐりながら回り込み、素早く上手を奪って豪快に投げ捨てた。情熱ほとばしる相撲を繰り広げた両者を、観衆は大歓声で称賛した。

 見事な逆転勝利を飾った豊ノ島は、「勝ち負けより、相撲を取れたのがうれしかった」と神妙な面持ち。5年ぶりとなる十両の土俵を「気にはならなかった」と話し、「温かい声援が励みになった。土俵入りの時に『おかえり』と声をかけてもらい、グッとくるものがあった」と感謝した。

 一方の雅山は「温かい声援をいただいた。帰ってきてよかった」と安どの笑み。元大関が十両の土俵に上がるのは、1977年夏場所の大受以来2人目。「自分の小さなプライドでやめるのはもったいない」と現役続行を決意したが、前夜は何度も目が覚めた。取組前は「土俵に上がれるうれしさよりも、怖さが先行している」と不安を吐露。敗れはしたものの無事に初日を終え、「相撲になったから今日はよし!!」と一息ついた。

 放駒理事長(元大関魁傑)は「十枚目(十両)の相撲じゃなくて、幕内後半のような相撲だった」と絶賛。さらなる熱戦に期待をかけた。野球賭博関与で6人が幕内から陥落。熱い十両優勝争いの火ぶたが切られた。

(2010年9月14日)
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