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真弓監督V継投裏目…陥落、なぜ代えた

 7回、畠山に同点弾を浴び痛恨の表情で頭を抱える福原(撮影・飯室逸平)
 7回、畠山に同点弾を浴び痛恨の表情で頭を抱える福原(撮影・飯室逸平)

 「阪神4-7ヤクルト」(10日、甲子園)

 あぁ、まさかの逆転負け。阪神は1点リードの七回、2番手・福原忍投手(33)がいきなり畠山に一発を食らい同点。さらに3連打で逆転を許した。初回に新井、二回にマートンの適時打が飛び出すいい流れも生かせず敗戦。気が付けば14日ぶりに首位の座を中日に明け渡していた。残り21試合、振り返ってはいられない。仕切り直しや。

  ◇  ◇

 勝利へのシナリオは脆(もろ)くも崩れ去った。踏ん張り切れなかったリリーフ陣。福原が、久保田が天を仰いだ七回の継投劇。好投の久保を早めに降ろした決断が、すべてを暗転させた。首位陥落。勝利への軌跡が見えていただけに、落胆も失意もあまりに大きい。

 勝負に打って出た。六回終了で1点リード。久保は走者を出しながらも4安打1失点と好投を続けていた。球数も81球。続投の選択肢もあった中、真弓監督は七回のマウンドに福原を送った。だがこのスイッチが無情の結果を生み出す。福原は先頭の畠山に甘く入ったスライダーをとらえられて左越え同点ソロを浴び、さらに相川、宮本にも連続長短打を許し、1死も取れずに降板した。

 「今まで福原は良かったんでね。今日も球は走っていた。(畠山の)あのボールやね。あれでリズを壊してしまった」

 指揮官は背番号28の乱れに悔しさをあらわにした。一度、傾き出した流れはもう止められない。なお無死二、三塁で久保田を投入も、川端に詰まりながらも左前に勝ち越し打を許した。「失敗、失敗、大失敗。私の責任です」と久保投手コーチ。期待を裏切った福原も「久保に悪いことをしてしまった。チームにも申し訳ない。次、頑張ります」と唇をかんだ。

 後半戦に入って先発投手の完投は1試合もなく、リリーフ陣には大きな負担が生じている。そんな中での久保の早期降板。真弓監督はアクシデントの可能性を否定し、「(六回終了の)あの辺で切ろうと思っていた」と早い段階で継投勝負を決めていたことを示唆した。久保は中5日で週明けの横浜戦に登板すれば、天王山となる23日の中日戦(ナゴヤD)に登板が可能だ。先を見据えた判断が裏目に出たともとらえられる。

 延長十二回の死闘の末に落合竜と引き分けた価値あるドローの勢いを持ち込めずに、8月28日から守り続けてきた首位の座から滑り落ちた。だがこれで終わりじゃない。まだ21試合も残っている。下を向く必要なんてない。第2戦に勝てばいい。継投失敗で敗れたこの悔しさを晴らさない虎じゃない。

(2010年9月10日)







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