桑田さん「心の収穫」自ら田植えした稲を収穫、一般向け限定販売

コンバインを巧みに操作する桑田真澄さん

　巨人、パイレーツで投手として活躍した桑田真澄さん（４２）＝スポーツ報知評論家＝が１０日、福岡県豊前市内で自ら田植えをした稲の収穫を行った。収穫された米の一部は、地元の知人によって来週中にも一般に向けて限定販売される。パッケージには桑田さんの写真と「心の農業」というメッセージが入る“お宝米”だ。

　猛烈な日差しの下、麦わら帽子姿の桑田さんは「野球のトレーニングになるね」と額の汗をぬぐう。右手にカマを持つと、往年のカーブの投球時のようにリストを利かせて稲をザクッザクッ。「アウトロー（外角低め）にスパッと投げる時みたい」。思わぬ場所でマウンドを思い出した。

　巨人時代から米作りに興味を示してきた１８番。今年５月に人生初の田植えを行い、夢を実現した。７月には成育状況を確認するためだけに田んぼを再訪。そして今回、３日前に直撃した台風にも負けずに頭を垂れた稲穂を、自らの手で刈り取った。「土、風、雨、状況。野球と農業は深いかかわりがあります。どれだけ三塁打を打ってもホームにかえってこないと０点。だから（収穫も）丹精込めてね」。コンバインの操作も１５分間でマスター。ＪＡ関係者が「すごい。初心者には見えない」と驚くセンスを見せた。

実りの秋に、稲の刈り取りを行い笑顔の桑田さん

　桑田さんが育てたのは、福岡のブランド米『夢つくし』。２５アールの田んぼから収穫された計約１０００キロの米は、ＪＡ福岡豊築による品質検査・精米の後に２キロずつパックされ、今週中にも一部が一般向けにも限定販売されることになった。パッケージには、収穫する桑田さんの写真と「心の農業　桑田真澄」という文字が刻まれる予定だ。

　古くからの知り合いで販売を手掛ける宮崎農園の宮崎勝廣さん（６３）は「桑田さんのお米を通じて『夢つくし』というブランドを皆さんに知ってもらえれば」と願いを込める。価格は通常と同じ１０００円前後を予定している。

　「桑田産」のご飯を誰より楽しみにしている１８番も「ウチの息子が育ち盛りなんで（かなり食べると思いま）すけど、他にも僕が作ったお米を食べてみたいという人がいるなら、ぜひ食べてほしいですね」と呼び掛けている。

　◆桑田さんの引退後の活動
  ▼大学院　１０年３月、早大大学院スポーツ科学研究科を首席で卒業。論文「野球道の再定義による日本野球界のさらなる発展策に関する研究」は最優秀論文賞と日本スポーツ産業学会選定の「濱野賞」に。
  ▼ワイン作り　１０年４月、ニュージーランド・オークランドのワイナリーを訪問。樽詰め作業などに挑戦。
  ▼ＮＰＯ法人　１０年６月、少年野球の指導者を育成する「アミーチ・デル・クオーレ」（イタリア語で『こころの友』）を設立。

　◆問い合わせ先　宮崎農園（（電）０９７９・７２・２０２０）

（2010年9月11日06時01分  スポーツ報知）

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