沖縄県の尖閣諸島の日本の領海内で中国の漁船と海上保安部の巡視船が接触した問題で、海上保安庁は公務執行妨害の疑いで逮捕した中国人の船長の身柄を石垣島の海上保安部に移し、本格的な取り調べを始めました。
7日午前、沖縄県の尖閣諸島にある久場島の北北西12キロの日本の領海内で、中国のトロール漁船が網を広げているのを石垣海上保安部の巡視船「よなくに」が見つけ、警告しました。漁船は、網を回収して逃走し、その途中で「よなくに」と接触したあと、立ち入り検査をするために停船命令を出しながら追跡した別の巡視船「みずき」にも接触しました。このため海上保安庁は、漁船を停船させ、乗り込んだ海上保安官が乗組員らから事情を聞いていましたが、漁船の船長で中国人の*セン其雄容疑者(41)が立ち入り検査を妨害するために、故意に巡視船「みずき」に衝突させた疑いがあるとして、8日午前2時すぎ、公務執行妨害の疑いで逮捕しました。船長を乗せた巡視船「みずき」は午前7時すぎに沖縄県の石垣港に到着しました。船長は白いTシャツ姿で、頭から青いタオルをかぶって車に乗り込み、近くの石垣海上保安部に身柄を移されました。海上保安庁は、すでに本格的な取り調べを始めており、領海内で違法操業していた疑いでも捜査することにしています。船長以外の14人の乗組員と漁船は、8日午後、石垣島に到着するということです。(*「セン」=「擔」のつくりの部分の文字)