沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海内で海上保安庁の巡視船と操業中の中国トロール漁船が接触した問題で、石垣海上保安部は8日、公務執行妨害の疑いで逮捕した中国船の船長セン其雄容疑者(41)を巡視船「みずき」で沖縄県石垣市(石垣島)に連行、取り調べた。違法操業の疑いでも調べる。海上保安庁によると、船長は接触の事実は認めている。
菅直人首相は8日夜「わが国の法律に基づいて厳正に対応していく」と記者団に述べた。
中国当局は尖閣諸島の領有権を主張、逮捕を受け北京などで抗議活動が広がっており、海上保安庁は周辺海域を警戒している。
海上保安庁によると、みずきは8日朝、石垣島の石垣港に到着。ほかの中国人乗組員14人が乗った中国船は巡視船2隻に伴走され、夕方に石垣島に到着。石垣海保は14人から、巡視船や漁船内で参考人として事情聴取した。
逮捕容疑は7日午前10時55分ごろ、中国船のかじを左に大きく切り、立ち入り検査を実施するために停船を命じ追跡中のみずき右舷に衝突させるなどし、海上保安官の職務執行を妨害した疑い。