尖閣諸島近海の日本の領海内で7日、中国漁船が違法操業し、石垣海上保安部の巡視船2隻に接触した事件で、同部は8日午前、中国トロール漁船、〓晋漁(みんしんりょう)5179(166トン、乗組員15人)の船長(41)を公務執行妨害の疑いで逮捕した。第11管区海上保安本部によると、船長は巡視船に接触したことを認めているという。
第11管区海上保安本部は9日に船長を那覇地検石垣支部に送検し、今後、違法操業についても取り調べる方針。同本部は中国漁船を石垣港にえい航したほか、船内の14人を石垣港に連行。上陸させずに巡視船内で事情を聴いている。
中国当局は尖閣諸島について「中国の領土だ」と主張。逮捕を受け北京などで抗議活動が広がっている。海上保安庁は引き続き周辺海域を警戒している。
鈴木久泰海上保安庁長官は8日の会見で「領海内で2回も巡視船が当てられた事件であり、国内法にのっとり厳正に対処すべき事案だ」と強調した。
逮捕容疑は、7日午前10時55分ごろ、尖閣諸島の久場島から北西約15キロ付近の日本領海内で、中国漁船がかじを左に大きく切り、立ち入り検査を実施するため停船を命じ追跡中だった巡視船「みずき」の右舷に衝突させるなどし、海上保安官の職務執行を妨害した疑い。船長は逮捕時、中国語で逮捕容疑を読み上げられると、うなだれた様子で黙ったままだったという。
第11管区海上保安本部によると、中国漁船は巡視船「よなくに」が領海外に出るよう退去命令を繰り返した際、網を船上に揚げて航行を開始。よなくにに接触後、追跡していたみずきにも接触した。7日午後1時前、領海外で海上保安官が乗り込んで停船させた。
外務相の斎木昭隆アジア大洋州局長は、中国の程永華駐日大使に電話で厳重抗議。中国外務相の姜瑜報道局長は「深刻な懸念を抱いており、日本側に厳重な申し入れを行っている」と述べた。
※注:〓は門ガマエに「虫」
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