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[21858] 【習作】おいでませダイアロス(現実→MoE)
Name: 斧戦士◆f029028a ID:a383a708
Date: 2010/09/12 07:58
どうも初めまして、斧戦士です

この作品はMaster of Epic(以下MoE)を元とした作品です。

小説なんて書いたことない人間が勉強の合間に書き上げたものなので色々とアレだと思います。

全体的に短い話が多くなるのが予想されます。

不定期更新+ネタが尽きた時に終了。

MoEはそれなりに長くやってますがストーリーとかあまり気にしてないので設定が食い違うことがあるかもしれません。

この作品を呼んでMoEに興味を持つ人がいてくれたら幸いです。



[21858] プロローグ的なもの
Name: 斧戦士◆f029028a ID:a383a708
Date: 2010/09/12 07:29
そこは錬金術と剣の力が支配する世界。

人々の間には、「ノア・ストーン」と呼ばれる石の伝説が語り継がれていた。

すべての魔法の力は、そのノア・ストーンから生まれ出てくる。

ノア・ストーンの力を手にした者には、地獄の災いか、神の恵みか、いずれかが与えられる。

しかし誰もが、その存在は空想の産物に過ぎないと信じていた。

ただの夢物語に過ぎない、と・・・




”ダイアロス”

外海の果てに、周囲を巨大な竜巻に囲まれた島があった。

いや、島なのか、未知の大陸の一部なのかも定かではない、辺境の地であった。

止むことなく吹き荒れる暴風雨は、島に近寄るもの、をことごとく沈めてしまうという。




沈んでいく・・・。

海の底へと沈んでいく・・・。

薄れゆく意識の中で誰かの声が耳に――




ぱちり、と目を開ける。

目に入ってくるのは知らない天井、というわけでもなく見慣れた自分の家の天井。

「夢・・・か・・・・・・」

いたって普通の日本人である自分が何の因果かMMORPGであるMaster of Epicの舞台、ダイアロスに流れ着いたときの記憶。

Master of Epicは数あるMMORPGの中でも完全スキル制という珍しいタイプのものだ。

筋力、生命力といったスキルや刀剣、素手といった戦闘系のスキルから伐採、採掘、木工、鍛冶のような生産系のスキル、

そして落下耐性や死体回収といった何これ?と思うような数々のスキルから合計850の枠に収まるように育てるのである。

スキル値の合計が850になっても、不要なスキルを下げて必要なスキルを上げるといった事ができるため自由度が高い。

初心者を見たら囲んだりツアーと呼ばれる複数PTで行くダンジョン探索でも若葉マークのついた初心者がいれば全力で守るツアーとなったり、

戦闘力のない人やいわゆるネタ構成と呼ばれる人がいても、われわれの業界ではご褒美ですと言ってしまうような雰囲気が好きでどっぷりとやっていた。

あのころはまさか自分がダイアロスに流れ着くなんて思ってもいなかったなぁと考えて苦笑する。

しかし、流れ着いて数年経ったが、あの時の事を夢で見るのは初めてだ。

何か良くないことが起こる予兆か、と考えて首を振りその考えを打ち消す。

そんなことを考えても詮無いことだ。

さて、今日はどうするかな・・・。



[21858]
Name: 斧戦士◆f029028a ID:a383a708
Date: 2010/09/13 18:20
自分の本業は鍛冶屋である。

鍛冶の流れとしては、様々な所で鉱石を採掘しその鉱石を精錬しインゴットを作る。

そして、そのインゴットを使い武器を作るのだ。

しかし、場所によっては採掘だけするというわけにはいかない場所もある。

例えばダーイン山。

入り口付近の銅やスズを掘るならば戦闘力が無くても問題はないが、奥にある鉄や黒炭を採掘しようと思ったらダーイン山を住処とするオーク達に襲われるのを覚悟しなければならない。

例え自分がそのオーク達を楽に屠れるといっても本業は鍛冶屋なのである。

大事なことなのでもう一度言うが、本業は鍛冶屋なのである。

つまり何が言いたいかというと、

「シュージ!狩りに行くぞ!」

朝っぱらから人の家に押しかけてきて第一声がそれなのはどうなのか?という事である。






押しかけてきたコグニートの女性、ルクレティアに取り合えずミルクティーを出し尋ねる。

「で、いきなりどうしたんだ?」

「その、だな。この間アルケィナに加入したのは覚えてる?」

ルクレティアの問いに頷く事で答える。

数あるギルドの中の一つであるアルケィナは破壊魔法、神秘魔法、強化魔法、回復魔法の4つを研究する魔術師組合で、城下町ビスクの大聖堂に本部を構えている。

ギルドに加入すると、ギルドクエストを請け負い、完遂することによってクエスト毎に報酬とギルドポイントを得ることができるようになる。

このギルドポイントによって5つのランクに分けられており、ランクが高いほど請けられるクエストの種類が増えるのである。

余談ではあるが、調理師組合であるシェル・レランでは高ランク者にしか売ってくれない食材があるらしい。

更に余談であるが、ランク4までしか実装されておらず、ランク5はまだ未実装だったりする。

と、思考が横道にそれそうになった所でルクレティアが続きを口にする。

「それで、ランク3へのランクアップクエストを請けてきたのだけど・・・」

そこまで聞いて、アルケィナのランク3へのランクアップクエストを思い出した。

「確かバルドスだったか。」

確かそのクエストの内容はバルドスの肉1個とバルドスの髭を1個をギルドマスターに渡す。

バルドスというのは簡単に言えばマンモスの様な姿形で非常に大きな体に凶暴性、そして高い攻撃力を持っている強力な敵だ。

そんな強力な敵を倒して肉と髭を持ち帰って来いという低ランククエストの割りに難度が高いクエストなのだ。

そんなクエストを請けた事を聞いてしまった以上断っても安否が気になり何も手につかないだろうし、何より美人――コグニートという種族が美人ばかりであるが――に頼られるというのも嬉しいものである。

つまるところ、

「わかった、手伝うよ。」

選択肢にはYESしかなかったのである。







さて、バルドスが生息しているイルヴァーナ渓谷には二通りの行き方がある。

一つ目は、城下町ビスクの東門からでて、レクスール・ヒルズを通る行き方。

二つ目は、ネオク山からネオク高原に行き、イルヴァーナ渓谷へと抜ける行き方。

とはいえ、距離的には余り変わらず、安全度はレクスール・ヒルズから行く方が高いのでレクスール・ヒルズから行くほうがいいだろう。

自分たちもそれに則り、レクスール・ヒルズからイルヴァーナ渓谷へと辿り着いた。

この先に見える小さな川を渡り、森林へ入ればもうそこはバルドス達の住処だ。

しかし、城下町ビスクを出たときはまだ朝だったがすっかり日も昇ってお昼時といった所なのでまず昼飯を兼ねた休憩を取る事にした。

そこいらにいたレスクールライオンを倒し、肉を捌き塩を振りポータブルキッチンをセットしフライパンで焼く。

これでローストライオンミートの完成なのだが、上手に焼けるまでしばらく時間がかかるのでふと気になったことを肉が焼けるのをじっと待っているルクレティアに聞いてみた。

「そういえば、まだリコールアルターは使えないのか?」

リコールアルターというのは神秘魔法の一つでアルターを出現させ 近くにいる者を自分で記録した場所へと送り届ける魔法である。

大体の人は、ホーリーレコードという魔法で位置を記録したレコードストーンというアイテムを併用している。

ルクレティアは神秘魔法と回復魔法が得意でそれに弓で前衛の援護をする後衛なので使えてもおかしくはない、が。

「使えないわ。せいぜい私一人をテレポートさせるので精一杯ね。」

「ふむ。」

つまりゲームでいうとスキル値50付近といったところか。

リコールアルターはスキル70のスキルなので先はまだまだ長い。

そんな事を話している間にライオン肉もいい具合に焼けたので持参したお握りと一緒に食べる。

そういえば、ゲームでは何故か熊がお握りをドロップしていたな、と思い出し苦笑する。

それをルクレティアが見て不思議そうな顔をしたが、すぐに食べる事に夢中になったのであった。






やがて、昼飯を食べ終え適度に休憩し終えた二人は遂にバルドスの住処である森林へと入っていった。

バルドス自体はその巨体のため非常に見つけやすいのだが、時たま出るコボルトを警戒しつつ進んでいく。

そして、遂に

「大きい・・・」

遠くからでも目立っていた巨体にある程度近づいた所で、ぽつりとルクレティアが言葉をこぼす。

もちろん自分もそう思っていた。

大きさをゲームで知っているとはいえ、やはり実物を見るのでは全然違う。

今からあんな馬鹿でかいのを倒そうとしている自分たちに気が滅入りそうになるが、泣き言は言ってられないと頭を切り替える。

隣ではルクレティアがスチールアローを取り出し、神秘魔法フリーズブレイド――武器に冷気を宿らせ 水属性の追加攻撃を発生させる――を詠唱している。

そしてお互い戦闘技術であるバーサーク――攻撃力と攻撃スピードが高める――とナイトマインド――攻撃の命中率を大幅に上昇させる――をかけた所でアイコンタクト。

自分がスチールグレートアクスを構え突進、それと同時にルクレティアが冷気を宿った矢が放つ。

バルドスに矢が突き刺さり冷気が体を覆う、その隙に接近し斧を振る、が。

「ッ!硬い!」

バルドスの分厚い肉に阻まれ、大したダメージは与えられない。

そして攻撃した事でできた隙にバルドスが下から上と首を振り、かち上げる。

かろうじて武器を盾にして防ぎつつ、咄嗟に後ろに飛んだがそれでも衝撃は逃がしきれずに、かなりのダメージを負ってしまったが、

「ヒーリング!」

すぐにルクレティアから回復魔法が掛けられなんとか立て直す。

「ああもう!でかいってだけで強力な武器だな畜生!!」

思わず悪態を吐く、今もルクレティアはバルクショット――複数の矢を連続して射る――で攻撃しているが大した効果は挙げられてない様に見える。

このままではジリ貧だ、なにか解決策を考えなくては。

あの馬鹿でかい図体のどこが弱点かを必死で考える。

(待てよ・・・馬鹿でかい・・・ッ!)

「ティア!足を狙え!」

視界の端でルクレティアが頷いたのを見て再び突進、それと同時にスローナイフを投げて注意を引く。

と、そこにルクレティアのジャッジメントショット――敵に矢を射て突き刺さった矢に稲妻を落とす――が右足に突き刺さり、その少し後に稲妻が発生しバルドスが硬直する。

その隙を逃さずにチャージドスラッシュ――力を溜めて激しく敵に斬りつける――を右足に叩き込むとバルドスの巨体が傾いた、足がその巨体を支えきれなくなったのだ。

すかさずチャージドスラッシュの勢いのまま回転、そしてそのまま切り上げでニューロンストライク――剣で斬りつけて属性防御値を下げる――を放ち顎をかち上げる。

「これで・・・とどめッ!」

顎がかち上げられた事により晒された喉にルクレティアが放ったソニックアロー――有効レンジは短いが、ガードを貫通する攻撃――が突き刺さり遂にバルドスはその巨体を地に倒れ伏す。

そして、戦いが終わり静寂を取り戻した森林に、パンッというハイタッチの音が響き渡った。






その後、バルドスを何とか倒したのはいいが、二入とも肉体的にも精神的にも疲れたため川まで戻り野営の準備に入り一泊。

そして朝一番で出発し城下町ビスクに到着、ルクレティアはそのままアルケィナへと報告しにいくため別れ、自分はソレス渓谷にある自分の家へとテーブルに身を投げ出し戻りだらけていた。

「バルドス強かったなぁ・・・」

バルドスの巨体は、繰り出される攻撃の威力を高めると同時に精神のほうもガリガリと削ってくる。

あの巨体がズンズンと自分に迫ってくるのは笑えない。

「まあそれはおいといて」

いすから立ち上がり、ベットにダイブ。

そして、そのまま襲ってくる睡魔に身を任せ眠りについた。

バルドスを倒した達成感を噛み締めながら・・・。






――あとがき

スキルが上がって強い敵倒せるようになったらニヤニヤしちゃうよねって話。

ちなみに実話を元としてますこの話

あと、このランクアップクエストはQoAジェスパー(旧タイタン)で比較的楽に取れたりします。

他には、酩酊シップ装備クエとかも30になったばかりで行こうとすると結構鬼畜だと思うんですがどうでしょうか。


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