国際人権自由権委員会とは
日弁連代表団16名は、10月15、16の両日、10年ぶりにジュネーブで行われた国際人権自由権規約委員会による第5回政府報告書審査において、13日からロビー活動を始めました。
「自由権規約」とは、66年の国連総会で採択、76年発効の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」を指します。
これは、48年の「世界人権宣言」を、国際的に拘束力ある規範にするためにつくられたもので、日本は79年6月に批准しています。
この規約の内容は、日本国内で憲法とともに高位の人権規範としての法的効力をもつものです。
今回の審査は、政府報告書の提出が3年も遅れ10年ぶりに行われるものですが、その政府報告書とNGO(非政府組織、日弁連はその最大の組織です。)から提出された報告書などに基づき建設的会話がなされ、人権基準の実施を促進し、改善するために行われます。
ロビー活動開始
最初の仕事は、パレナシオンでのレジストレーション(受付)です。
会長の委嘱状とパスポートの提示等、長蛇の列に並んで首からかけるIDカードを全員が貰うのに2時間もかかりました。
その後、ロビーで日本のマスコミ記者へのレクチャーを行い、この定期審査が重要で日本国民の人権状況改善に画期的な影響を及ぼすとアピールしました。
その甲斐あってか、NHKが委員会始まって以来初めてという委員会会場へのテレビカメラ持ち込みを許され、審査状況が日本でもニユース放映されました。
また、この日は翌日のNGOブリーフィング(公聴会)にむけ他のNGOの方々と連絡調整を行いました。
14日午前、早くよりレマン湖畔のパレウィルソンで打合せを行い、12時からNGOブリーフィングに備えました。
昼休みの2時間、サンドイッチや飲み物を用意して、関心のある規約委員や事務局の参加を呼びかけ、それぞれの訴えを聞いて貰うのがNGOブリーフィングなのです。
そして、出席してくれた委員から質問があり、それに会場で答えます。
答えられない場合や、不十分な場合には翌日に書面で回答するのです。
そこで、力を発揮するのが、我がタスクフォースの若手弁護士です。7時間早い時差の日弁連にメールで問い合わせて判例等を検索して返事を貰い、それから徹夜で英文作成し、翌朝には文書を委員会に届けるのです。
若い団員の皆さんの活動は特筆すべきもので、新しい日弁連の活動の芽が育っているなと感動しました。
その日の夕刻、団長、副団長ら5名が、ジュネーブの日本代表部に表敬訪問し、上田人道人権大使や、公使、外務省課長らと面談し、審査での協力を約しました。
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