2010年9月13日16時0分
破綻は10日朝、テレビのニュースで知った。「やっぱり、つぶれちゃったか」
経営者の時も取引先の金融機関が破綻したことはあったが、そのときは預金全額と利息が手元に戻った。「銀行の責任で損をかぶるのは、これが初めてだ」と語る。
ペイオフの限度を超える2千万円について、行員は「債務超過で支払うお金がない。お客様にご迷惑をかけて申し訳ありません」と繰り返すばかり。しかし、保護される1千万円分も中途解約すると利率が悪くなる。結局、解約は思いとどまった。
「人の金なのに、あきれちゃってものが言えない」
店から出てきた男性は、そうつぶやいた。
1千万円を預けていた同豊島区の会社員男性(62)は、会社を抜け出して振興銀の本店に駆けつけた。中途解約すれば利率が下がるが、「破綻した銀行に預けていたくない。元本さえ手元に戻れば構わない」と解約手続きをした。
1千万円は老後の蓄えにと考えていた。5日ほどで返金されるはずだ。「もう金利にはこだわらない。全額が手元に戻った時に初めて安心できるんじゃないか」(田村剛)