【タイ】岡田克也外相は23日、タイを訪問し、同国のカシット外相と会談、アピシット首相を表敬訪問した。日本の外相が国際会議出席などでなくタイを2国間訪問するのは5年ぶりで、2006年9月のタイの軍事クーデター以来初めて。
カシット外相は岡田外相との会談で、今年4月、ロイター通信の日本人カメラマン、村本博之さんがバンコクでタクシン元首相派のデモ隊と治安部隊の衝突を取材中に銃撃され死亡した事件について、情報、証拠が不足し、捜査が進展していないと説明。タイ東部のマプタプット地区で日系を含む石油化学、鉄鋼などの大型投資案件が裁判所命令で凍結されている問題に関しては、早期解決を目指し対処していると話した。両外相はこのほか、国連安保理改革、ミャンマー情勢、タイ・カンボジア関係などについて意見を交換した。
岡田外相は外相会談後、アピシット首相を表敬訪問し、村本さんの事件の早期真相解明とタクシン派デモで被害を受けた日系企業への補償について対応を求めた。その後、プミポン・タイ国王が入院中のバンコクの病院を訪れ、快癒(ゆ)を祈り記帳。村本さんが死亡した現場で献花した。また、日本の有償資金協力で建設されたバンコクの地下鉄、トヨタ自動車のタイ工場などを視察した。
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