新潟L相手にリーグ戦初の黒星。悔しい負けを次に活かせるか
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プレナスなでしこリーグ2010 第11節、マリーゼは、福島県・Jヴィレッジスタジアムにアルビレックス新潟レディース(以下、新潟L)を迎えてのホームゲームに臨んだ。今日の相手新潟Lはリーグ戦では7戦7勝と相性のよい相手。とはいえ、試合内容は常に拮抗する、油断できない相手だ。戦力的に大きな差はない。強い気持ちでぶつかって、しっかりと勝ち切りたいところ。
雨とともにひんやりとした秋の風が吹くなか、13時30分にキックオフ。マリーゼは前節と同じスターティングメンバー。3-4-3のフォーメーションで試合に入る。一方の新潟Lは中盤に2枚のボランチを置く4-4-2。ただし、前線で存在感を見せる大石を怪我で欠き、中盤でゲームをコントロールする上尾野辺が先発を外れるなど、いつもとは違った布陣となる。
試合開始と同時に積極的なプレーを見せたのは新潟L。DFラインを高く上げてマリーゼの中盤にプレスをかけてくる。ボールに対する反応も速く、こぼれ球をことごとく拾われてしまう。この試合に対する強い気持ちが表れた新潟Lの攻撃に、マリーゼは守勢に回ってしまう。
新潟Lの守備もまた、マリーゼの攻撃のストロングポイントに的を絞ったものだった。安本、田原の裏への飛び出しや、鮫島、伊藤らのサイドを使ったビルドアップをしっかりとケア。前線へのくさびのボールも、サイドでのパス交換もうまくいかないマリーゼは、焦ってボールを失うシーンが増えるなど、なかなかプレーの精度を上げていくことができない。
すると試合のペースは新潟Lに。川村、山崎の両ボランチが試合をコントロールし、菅澤、阪口の両FWが強さを見せ、たびたび決定的なチャンスを作り出すようになる。
そして30分、フリーキックのこぼれ球を川村に押し込まれて0-1。さらに33分には、ゴール前のバイタルエリアにフリーで侵入してきた川村に、強烈なミドルシュートを打たれて0-2。川村の2得点で、マリーゼはいきなり苦しい状況に追い込まれてしまう。
なんとか1点を返して前半を終えたいマリーゼだったが、安本のシュートも、宮本のヘディングシュートもわずかに精度を欠いてゴールならず。
ならばと、後半の頭から安本に代えて佐藤を投入したマリーゼ。フィジカルの強い佐藤を前線に置いてペースチェンジを狙うが、後半も流れを掴んだのは新潟Lだった。中盤での素早いプレスでマリーゼのボールホルダーに圧力をかけ、サイドに展開されたボールにも粘り強い守備で対応。マリーゼのスムーズなボール交換を許さない。
そんな中、前線で裏に抜け出す動きを繰り返し、攻撃のきっかけを作ったのは伊藤。鮫島や上辻の攻撃参加を呼び込み、自らもゴール前に入り込んでシュートを放つ。
惜しかったのは65分。中央の上辻、佐藤とつないで左サイドを崩し、最後は右サイドから突っ込んできた伊藤がスライディングしながら押し込もうとする。しかし、ボールは伊藤の足先をかすめてゴールならず。
得点を奪えないマリーゼは、70分、中村に代えて保格を、佐藤に代えて森本を投入。同時に田原をサイドに下げ、伊藤、鮫島、森本の3トップで徹底的に新潟LのDFラインの裏を狙う。
しかし、終盤まで集中を切らすことのない新潟L守備陣の網をかいくぐることはできず、試合は0-2のまま幕を閉じた。
新潟Lにリーグ戦で初の敗北を喫したマリーゼ。上位の浦和L、ベレーザを追う立場としては、勝ち点を重ねられなかったことが何よりも悔しい部分だ。
しかし、今日のゲームを冷静に振り返ってみれば、出足の良さ、判断の速さなど、いくつもの点で新潟Lがマリーゼを上回っていたのは間違いのないところ。悔しい結果ではあるが、シーズン終盤に向けて、自分たちのサッカーを見つめ直すいい機会になったとも言えよう。今日の試合を教訓に、一つずつ着実に勝利を積み重ねていってほしいところだ。がんばれ、マリーゼ!
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菅野将晃監督

0-2で敗戦。試合を振り返って。
苦しい試合でした。快勝ではありませんでしたが、こういったゲームを勝てたことで修正点にアプローチしやすくなりますので、得たものの多い試合だったと思います。
守備面ではどのようなところを注意していましたか?
安易なファウルをしないこと、積極的なシュートに気をつけるということです。ただ、相手のうまさもありましたが、注意していたこの2点を突かれてしまった。また残念だったのは我々が得点を取ることができなかったことです。特に終盤は、焦りからかチームとしてちぐはぐしてしまい、慌てたプレーになってしまいました。
ピッチが荒れていた影響は?
たしかにマリーゼにとってはいい状況ではありませんが、それも含めてサッカーです。ピッチの影響でミスがあっても、しっかりと取り返すようなプレーをしなくてはなりません。
次節に向けて。
連敗をしないということが大きなテーマとなります。次は土曜日の試合で、普段より間が少ないですが、しっかりとリフレッシュをして自分たちのサッカーに立ち返って闘っていきたいと思います。
GK 天野実咲選手(1番)

リーグ戦では新潟Lに初めての敗戦となりました。
これまで負けていないということを、ポジティブに捉えていました。ただそれが、先制をされても「なんとかなる」という気持ちにつながり、奮起し切れなかった原因になっていたとしたら、それは反省しないといけません。
2点目は不運な形での失点となってしまいました。
思い切りよく打たれてしまうと、ボールが変化してしまうこともあります。その場面を作らないようにDFラインをしっかりと上げなくてはいけない。私自身、みんなが熱くなっているなかで、どうすればもっと効果的な指示を出せるのかを考えていかないといけないと思います。
順位争いがプレッシャーになったということはありますか?
もちろんベレーザやレッズと試合をする前に負けたくないという気持ちはありましたが、それがプレッシャーになったということはありません。むしろ、今の3位というポジションも確固たるものではありませんので、もっと上を目指すというアグレッシブな気持ちで入ることが大切だと考えています。
次節に向けて。
連敗をしないということが大きなテーマとなります。次は土曜日の試合で、普段より間が少ないですが、しっかりとリフレッシュをして自分たちのサッカーに立ち返って闘っていきたいと思います。
DF 山本りさ選手(2番)

試合を振り返って。
勝ち点3を取るつもりで臨んだので、痛い敗戦です。新潟Lは、阪口選手と菅澤選手というフィジカルの強い選手が起点になるチーム。不用意なファウルはしないようにしっかりと抑えていこうという話をしていたのですが……。球際の強さは向こうが上回ってたかもしれません。
試合中、DFからは「一歩前へ」という声が聞こえました。
DFラインが低くなってしまっていたので、ハーフタイムにはもっとラインを高く保って、中盤の選手を活かすようにしようと話をしました。監督からは「もっと相手の背後を狙うようなボールを」という指示を受けていたのですが、なかなかうまくいきませんでした。
次はアウェイでの湯郷戦となります。
今日の試合では、やりたいサッカーができなかったわけではないと思います。ただ、もっと集中力を高めていかなくてはなりません。これからは今まで以上に取りこぼせない試合が続いていくので、しっかりと切り替えて、勝ち点3を取りにいきたいと思います。
MF 森本華江選手(21番)
 悔しい敗戦となりました。
プレーのスピードがいつものように上がらず、点を取って調子に乗る新潟Lに押し込まれてしまったような印象です。
後半途中からの出場となりました。
ハーフタイムには前から思い切って行こう、という話がありました。自分としては、スピードを活かして前を向いてプレーをすることを考えてピッチに入りました。
アディショナルタイムには惜しいシュートもありました。
ゴール前でちょうどフリーになれたので思い切って打ったのですが、キーパーに弾かれてしまいました。もっと攻守の切り替えのスピードを上げることと、競り合いのなかでの強さを出していかないといけないと思います。
今シーズンは出場機会も増えています。
自分の特長であるトップスピードの速さを活かして、得点に結びつけていきたいです。
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