また、菅首相支持に回ったある新人議員が、菅派決起集会のビラを持って「小沢ガールズ」の部屋を訪問したところ、呪いの言葉を投げかけられたという。
「『あなた、恨み買いますよ。なんで裏切ったんですか』『あんなに小沢さんにお世話になっておいて、そんな態度でいいんですか。今後気をつけたほうがいい』とか言われました。女性議員ですよ? 何か非常に不気味な、恐怖政治の臭いを感じましたね」(新人議員)
「議員票は280対130」
もちろん、これほど露骨に圧力をかけられれば、「絶対に小沢など支持するか」と反発する、気骨ある議員もいる。しかし、ここで小沢氏が昨年の衆院選の前から打ってきた布石が、効果を発揮するのだという。
「新人や若手議員の秘書は、ほとんどが小沢事務所の息がかかっています。これは、すべての行動、人脈、資金の流れを、小沢氏に握られているのと同じです。だから、内心不満を持っていても簡単に叛乱を起こせないようになっているのです」(別の新人議員)
決起集会における演説で、小沢氏は'06年に初めて民主党代表になった当時を振り返り、「最初の仕事は、ここにもいる太田和美君が当選した衆院補選だった。その後の参院選も、昨年の衆院選も、私は先頭に立って戦ってきた」と、自らの実績をアピールした。
「お前らは、誰のおかげで議員バッジをつけている。オレが選挙を勝ち続けたからじゃないのか」
小沢氏はそう言っているように見えた。
"主従"一体となり、手段を選ばず総理の座を奪うことに邁進する、リアリスト&ニヒリスト集団の小沢氏一派。それに対し、「首相をコロコロ替えてはいけない」といった道理を掲げて手を組む、いわば理想主義集団の菅首相派。
良い悪いの問題ではない。殺るか殺られるかの仁義なき戦いにおいて、どちらがより強力な軍団たりえるかは、自明の理と言える。
具体的な「票読み」については後述するが、小沢派中堅議員の一人は、本誌の取材に対してこう豪語している。
「412票ある国会議員票は、280対130程度の数でこちらが圧倒する。地方議員票や党員・サポーター票でいくら菅が善戦しても、大勢は覆らない」
かつて、通常の手段では天下を簒奪できないと考えた徳川家康は、あえて石田三成に背を向けて東上。自分のもっとも得意とする平野での決戦で雌雄を決するべく、三成を挑発した。その思惑通り、三成が西で挙兵すると、家康は取って返して関ヶ原で決戦。わずか半日の戦いで西軍を打ち破り、覇権を確立したのだ。
関ヶ原で東西両軍が激突したのは、慶長5年9月15日(旧暦)のことだった。410年後の9月14日、再び日本の命運を賭けた戦いが行われる。国民は、その結末を見守るしかない。
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