警視庁が防犯意識向上のためにホームページで公開しているゲームがネット上で話題になっている。全編アニメ調の子供向けゲームながら、主人公の女の子が変質者に襲われそうになったり、「ヤクチュー君」なる極悪キャラクターが登場したり、と中身はなかなか過激。その内容から「とても警察が作ったものとは思えない」との声が上がっているのだ。
このゲームは、「ドキドキまあちゃんゲーム」。母親から買い物を頼まれた主人公の小学生、まあちゃんを操作し、待ち受ける8つの魔の手から逃れて無事に家に帰るのがゲームの目的だ。
ユーザーは、まあちゃんになりきって、2択の選択問題にチャレンジ。防犯上正しい選択肢を選ぶと次のステージに進めるのだが、まあちゃんに待ち受ける魔の手が「子供向けにしては過激」と話題になっている。
最初の“関門”は、男友だちからの遊びの誘い。きっぱり断らずに誘いに乗ってしまうと、おカネを落とすハメに陥り、あえなくゲームオーバーとなる。ゲームが進むごとに誘惑はどんどん巧妙化し、主人公が巻き込まれる災厄もエスカレートしていく。
ゲームセンターでは、金髪の不良にカツアゲされ、若い男や身なりのいい老女に誘われてクルマに乗ると、そのまま連れ去られてしまう。
ゲームの世界には変態もうじゃうじゃ。「猫がいなくなった」という若い男に付いていくと物陰に連れ込まれて体を触られ、「モデルになってほしい」という女性カメラマンの求めに応じると、下着姿や裸の写真を撮られるなど、散々だ。
数々の罠を乗り越えて買い物を終えても、苦難は続く。落ちていた財布を持ち帰ると、「ドロボウと同じです」と手錠を掛けられ、親切心で財布の持ち主に連絡を取ると、怪しげな男が電話に出る。帰り道には、ひげ面にトレンチコート姿の変質者に襲われてしまうのだ。
さらに、死人のような顔色をした「街の嫌われ者」というキャラクター「ヤクチュー君」が主人公をつけ狙う、というサイドストーリーもあり、子供にはもちろん、大人にもスリル満点の仕上がりとなっている。
ゲームを公開した警視庁にこの力作誕生の経緯を聞くと、「広報課が作成したもので、防犯意識を向上していただくための活動の一環です」と答えた。状況や登場人物には妙に現実味があるが、「これといったモデルはない」という。