パレスチナのガザ地区で、イスラエル軍の砲撃によってパレスチナ人3人が死亡し、今週行われる予定の中東和平に向けた2回目の直接交渉に悪影響を及ぼす事態が懸念されています。
パレスチナ暫定自治区のガザ地区の北部で12日午後、イスラエル軍の砲撃によってパレスチナ人3人が死亡しました。これについて、イスラエル軍は「イスラエルとの境界線付近に近づいてきた武装勢力を発見し、対戦車砲をもってこれを攻撃した」と発表しました。これに対しガザ地区の医療関係者は、死亡した3人は90代の男性とその10代の孫らで、いずれも農民だったとしており、双方の主張は食い違っています。12日には、この攻撃の前にガザ地区からイスラエルに向けて3発の迫撃砲弾が発射されており、イスラエル軍が境界線付近での警戒を強化していました。イスラエルとパレスチナは、今月14日にエジプトで中東和平に向けた2回目の直接交渉を予定しています。しかし、ガザ地区は、和平交渉に反対するイスラム原理主義組織ハマスによる実効支配が続いており、今回の攻撃によるガザ地区での緊張の高まりが、和平交渉に悪影響を及ぼす事態が懸念されています。