朝鮮半島の領土権放棄を規定した1952年のサンフランシスコ講和条約発効に伴い日本国籍を失った性人類学者のキム・ミョンガンさん(59)=韓国籍=が8日、「法的根拠のない国籍のはく奪で『国民の要件は法律で定める』とした憲法10条に反する」などとして、国に日本国籍を有することの確認などを求めて東京地裁に提訴した。
講和条約の規定については最高裁大法廷が61年に「朝鮮に属すべき人について日本国籍を喪失させることを意味する」との判断を示しているが、キムさんは「条約は個人の国籍について何も定めていない」と主張。「外国人として長年、無権利状態に置かれた」として慰謝料など550万円も求めている。【和田武士】
毎日新聞 2010年9月8日 18時55分