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小説インターネットプランナー
林田力(『東急不動産だまし売り裁判』著者)

林田力『小説インターネットプランナー』マイブックル、2010年
http://www.mybookle.com/indiv/bookle/2061
これはインターネットプランナーを職業とした人物の物語である。インターネットプランナーは馴染みの薄い職業である。インターネットプランナーの職務内容説明書は存在しない。世間に認知された職業に就いたのではなく、プランナーが自ら肩書きを作ったと言った方が正しい。
プランナーの仕事内容は、個人や企業のネット戦略の企画立案やアドバイスである。具体的には企業やタレントのネット戦略コンサルティング、企業のネットクレーム対応、政治家のパーティー企画、ネットオークションの英語コーディネーターなど様々である。ウェブサイトを作成するだけの関わりから、クライアントのプライバシーに関わるネット上の問題解決のような微妙な案件もある。むしろインターネットに現れる活動は氷山の一角で、大部分は秘密である。
『小説インターネットプランナー』読者の質問
小説インターネットプランナーの読者から質問を受けた。
「『小説インターネットプランナー』を読みました」
「ありがとうございます」
「プランナーについて質問があります」
「どうぞ」
「プランナーから東急不動産だまし売り裁判について取材を受けたことは事実ですか?」
「事実です。それがプランナーと知り合ったきっかけです」
「取材後にプランナーは東急不動産だまし売り裁判についての記事を発表しましたか?」
「いいえ。私の知る限り、現在に至るまで発表されておりません」
「それならば取材は近づくための口実だったとは考えられませんか?」
「何のためにですか?」
「プランナーは企業から対価を得て、企業にとって都合の悪いサイトを潰す仕事をしていました。あなたは東急リバブルや東急不動産を批判しています。ここから想像できます。プランナーは東急工作員で、東急不動産との間に金銭授受があるのでは?」
「それは東急不動産やプランナー本人に質問する問題です」
「東急不動産が嘘つきで真実を話さないことは分かっている筈です。プランナーも同じです」
「それでは私が実際に見聞きしたことを話します。そこから判断して下さい」
「お願いします」
「まずプランナーは最初の取材時も含め、会う度と言ったら大袈裟ですが、かなりの頻度で東急リバブルや東急不動産の批判記事を書くなと言いました。それから、最初の取材時の会計の際は領収書をもらっていました」
「それは興味深い話ですね。三枝さんには話しましたか?」
「三枝さんとは北芝健さんと共に活動されている方のことですか?」
「はい。会って話したことがあるのでしょう」
「ここで何で三枝さんが登場するのですか?」
「特に深い意味はありません。三枝さんはプランナーのことを調べているので、有益な情報提供になると思います」
「そうですか。私も隠すつもりはなかったのですが、私が会った時の三枝さんは別の方向に関心が向いていたので、話しませんでした」
「別の方向とは?」
「宗教団体をめぐる疑惑です。それについて私は話すほどの情報を持っていません」
「それとは別に東急工作員疑惑について話さなかったのですか?」
「はい。三枝さんは、まともな企業はプランナーを相手しないというスタンスでした。だから言いませんでした」
「三枝さんのスタンスは正しいですか?」
「ある意味では。たとえば時間にルーズなところです。最初の取材の日も彼は大幅に遅刻しました」
「それは『小説インターネットプランナー』と異なりますね」
「率直申し上げると、小説ですので主人公補正があります」
「なるほど」
「北芝さんもブログでプランナーがホリエモンの警備に遅刻したと書いていました。二人の間に何があったという以前に、北芝さんのような方には彼のルーズさが許せなかったという面もあるのではないかと思います。このような点から三枝さんがプランナーを大企業と取り引きできるようなビジネスパーソンとして失格と考えたとしても不思議ではありません」
「それでは東急工作員疑惑は成り立たないのでしょうか?」
「それは短絡的です。東急不動産は、まともな会社ではありません。まともな回答文書も書けず、コミュニケーション能力もありません。自社の身勝手な主張を繰り返すだけで、消費者の話を聞きません」
「まるでプランナーの話を聞いているようです」
「人間的にはプランナーの方が立派です。東急不動産にとって重要な仕事は地上げ屋やブローカーから土地を仕入れることです。社会人としての東急不動産従業員のレベルも彼らと変わりません。建設したマンションの販売は東急リバブルに丸投げしています。だから東急不動産従業員には消費者に信頼されようとする意識もありません。地上げ屋や近隣対策屋とも取り引きしており、企業工作員を雇っても不自然ではありません」
※東急不動産ソリューション営業本部の係長が取引先の女性社長に嫌がらせ電話を繰り返し、大阪府迷惑防止条例違反で逮捕される事件も起きた。
「なるほど」
「それから東急不動産が直接企業工作員に依頼するとも限りません。東急不動産は工作員と接点を持たず、ブローカーや近隣対策屋を通じて工作させることも考えられます。実際、東急不動産だまし売り裁判での東急不動産従業員は、逃げてばかりのチキン集団でした。プランナーが東急工作員であったとしても、東急不動産の体質には嫌悪感を抱いたと思います。実際、東急工作員と考えた場合、プランナーが熱心に働いたとは言えません」
「それが『小説インターネットプランナー』につながるわけですね。ところで書籍の『小説インターネットプランナー』はウェブサイトで公開していたものとは、かなり内容が異なっていましたが」
「ウェブで公開していたものは初期の原稿です」
「分かりました。どうもありがとうございました」
林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年
http://astore.amazon.co.jp/hayariki-22/
東急不動産(販売代理・東急リバブル)から不利益事実を隠して問題物件をだまし売りされた著者(=原告)が消費者契約法に基づき売買契約を取り消し、裁判(東急不動産消費者契約法違反訴訟)で売買代金を取り戻した闘いの記録。
裁判における当事者と裁判官の緊迫するやり取りを丹念に再現
個人が不誠実な大企業を相手に闘うドラマがある!
裁判と並行して明らかになった耐震強度偽装事件の余波や欠陥施工、管理会社・東急コミュニティーの杜撰な管理にも言及し、深刻化を増すマンション問題の現実を明らかにする。
東急不動産のために働いた地上げ屋(近隣対策屋)が暗躍し、住環境を破壊する高層マンション建築紛争と共通するマンション建設の闇に触れる。
林田力『二子玉川ライズ反対運動』マイブックル、2010年
http://www.mybookle.com/indiv/bookle/2099
本書は二子玉川東地区再開発(二子玉川ライズ)に対する住民運動を記録したノンフィクションである。東京都世田谷区の二子玉川(ニコタマ)では街壊しが進行中である。「二子玉川ライズ
タワー&レジデンス」や「二子玉川ライズ
オフィス」など東急電鉄・東急不動産ら東急グループの営利目的の再開発によって、二子玉川の貴重な自然と近隣住民の住環境が破壊されている。
自然と住環境を守るために住民運動側は住民集会や裁判、議会への陳情など様々な活動に取り組んでいる。本書では「にこたまの環境を守る会」「二子玉川東地区まちづくり協議会」「玉川にエコタウンを作る会」ら住民団体の活動の一端を紹介する。
また、同じく二子玉川で起きている住民運動である多摩川暫定堤防や三菱地所玉川一丁目マンションへの反対運動についても触れた。『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者である私が東京都に提出した二子玉川東第二地区市街地再開発事業計画(案)への意見書及び口頭意見陳述原稿も収録した。
林田力『東急コミュニティー解約記』マイブックル、2010年
http://www.mybookle.com/indiv/bookle/2073
本書はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。
私はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。
絶望者の王国 | ブクログのパブー
http://p.booklog.jp/book/8936
崇拝するほどの最愛の恋人と喧嘩別れしてしまった望琉が落ちた先は「絶望者の王国」であった。新築マンションだまし売りの裁判闘争を描いたノンフィクション『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の著者・林田力による恋愛ファンタジー小説。