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トップ  >  「がんとの闘い」ほほえみ大使 アグネスが聞く > インタビュー第二回 「子どもをたばこから遠ざけよう」
人はなぜがんになるのか、がんは治せるのか、日本のがん医療は……。日本対がん協会の「ほほえみ大使」、アグネス・チャンさんが、がん医療に携わる医師や研究者にインタビューして研究や治療の最前線を紹介する「アグネスが聞く」。

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インタビュー第二回「子どもをたばこから遠ざけよう」 垣添忠生 日本対がん協会長 そのたばこですが、関係があるのは肺がんだけじゃないんですよね。

「肺がんはもちろんそうですけど、それだけじゃありません。例えば、煙の中にいろんな発がん物質が含まれています。それが吸収されて血液に入り、腎臓で濾過されて尿として膀胱にたまると、膀胱がんの引き金になることがある。膀胱がんの危険性は1・6倍くらい高くなると言われています。強い酒と一緒だと喉頭がんとか、食道がんの危険性が跳ね上がります」

お酒と一緒に、と言われると分かりますが……膀胱がんですか、全く関係があるとは思っていませんでした。確かに発がん物質が血液に入ると全身にめぐりますからね。

「アメリカでこんな調査があります。たばこと肺がんの関係はほとんどの人が知っていましたけれど、たばこと膀胱がんの関連というと30%ほどでした」「それとたばこはがんだけじゃなく、肺も傷めるし心臓も傷める。だから健康にはものすごく悪い。中学生や高校生、あるいは大学に入って開放感で吸い始める。その吸い始めの対策がすごく大事なんです」

−−若い時に吸い始めるほどやめにくいらしいですね。大人になって吸うようになった人は、13歳とか14、15歳で吸い始めた人よりやめやすい。アメリカは若い人をターゲットにして禁煙運動をしてきた。それが成功したんです。肺がんは90年代半ばごろにさーッと減りました。

「成果が出るまでに10年、15年と時間かかりますけれど、非常に重要なことです。もう一つ、たばこの値段を上げないといけません、この国は。ひと箱300円は安すぎます。欧米では1000円前後していますよ」

吸いたくても吸えないですね、とくに子どもは吸えないですね。

「いわば兵糧攻めですね。ギュッとしめて、若いころからたばこに接しないようにする。すごく効果的なんです」

もし禁煙が成功するとがんになる危険性は下がりますか。

「確実に下がります。すぐには効果は出ないですが、5年先、10年先にはだんだんと下がっていきます。がん全体のうち、たばこが関係しているのはざっと30%だと考えられています。喫煙率が10%を切るようになるとがんになる人は必ず減ってきます」

私、対がん協会のほほえみ大使になって、また攻撃されそうです。

「我々が守りますよ」

ありがとうございます。でも、今は恨まれても10年先、20年先に感謝してくれる人が出るかも知れません。それを期待したいと思います。
インタビュー第二回「子どもをたばこから遠ざけよう」 垣添忠生 日本対がん協会長
中村祐輔 東京大学医科学研究所教授 ヒトゲノム解析センター長

第一回 「がんワクチンに期待」

中村祐輔 東京大学医科学研究所教授
ヒトゲノム解析センター長
垣添忠生 日本対がん協会長

第二回
「子どもをたばこから遠ざけよう」

垣添忠生 日本対がん協会長
中村清吾 聖路加国際病院乳腺外科部長ブレストセンター長

第三回 「とにかく検診を」

中村清吾
聖路加国際病院乳腺外科部長
ブレストセンター長
佐々木康綱 埼玉医科大学教授(腫瘍内科)

第四回 「セカンド・オピニオンは
治療を始める前に聞いて」

佐々木康綱
埼玉医科大学教授(腫瘍内科)

第五回 

第六回 

 
アグネス・チャン
香港生まれ。

72年、「ひなげしの花」で日本デビュー。
上智大を経てカナダ・トロント大卒。
89年、米スタンフォード大教育学部博士課程に留学。
教育学博士号(Ph.D.)取得。
日本ユニセフ協会大使としてのボランティア活動や
文化活動など幅広く活躍している
アグネスさんのインタビューに関するご質問・ご意見はこちらへお寄せ下さい

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