ふくいをもっと楽しみたい!もっと自分を高めたい!志の高い人と交流したい!そんなあなたへ・・
福井でおもしろい活動をしている方々をご紹介します。
●「学ぶ」という事を問い直し、自らの意思に従い、行動し、自らを成長させていくことを目指し、クルーという仲間と共に交流を深め、自分自身の生き方・働き方を発見していきましょう!
flat⇒http://www.flat-fukui.tv/index.php

●ITでまちおこし!Twitter,iPad,Ustream・・まずはTwitterをチェック!
@taiskef⇒http://twitter.com/taisukef

●とにかくなにかはじめたい!ボランティアしたいけどなにから始めようかなぁ・・ おしゃれに街をクリーンナップ!
XGC⇒http://ameblo.jp/xgc/

●障害者と健常者とが一緒に遊べるスポーツ。車イスサッカーを体験しませんか?
車イスサッカー⇒http://ameblo.jp/lovefesmile/theme-10020159861.html

●福井の若手企業家と交流したい!とにかく起業したい!
ベンチャー.com⇒http://www.fukuiventure.com/

●自然はでっかい宝箱!!ふくいの街おこし・人おこしの活動に参加したい!I LOVE FUKUI!
楽放課後楽校⇒http://www.rakuraku2000.com/

●みんなの想いをカタチに!みんなの、みんなによる、みんなの為の大学です。
みん大⇒http://mindaifukui.jimdo.com/

●DANCE,BMX,ARTえきまえにストリートパークをつくろう!
scp41⇒http://scp41.net/

いい物件ありますか?

2010年09月10日



午前中新しい住居探しのために、不動産に行ってきました。
私の地元は永平寺なので、福井市は地元ではありません。
どこの地区から出させていただこうかまだ検討中なんですが、
住所を早めに移したいと思っているので、今月中には決断を出したいと思っています。
いよいよだなーって改めて感じました。

昨日も母と選挙について話をしていました。
やはり反対だそうです。
「鈴木先生の選挙の手伝いを一生懸命にやればいいじゃない」ばっかりです。
でも私がいつも返す言葉は
「今やらないと絶対後悔するからやらせてほしい」一点張りです。
まだ母とは毎日のように話合いをしているので理解を得ているのですが、
父は話を聞こうともしません。
私も恐くて話をきりだせません。。

私が政治家になって何をやりたいか、どのような信念をもっているのかを伝えていき、
その信念を突き通す強い心をもたなければ。

早く街頭演説も始めたいな^^


鈴木こうじチャレンジ日記
9月8日(水)

朝、Yプラザの前の交差点で488回目の街頭演説。
その後、大安寺幼稚園に呼ばれたので、
市役所の人といっしょに訪問。
保護者の方からいくつかの要望を受けた。
特に「暑すぎて子どもたちが体調悪くするので、
扇風機をつけて!」という切なる訴え。
幼稚園から帰ったあとに熱中症で倒れた子もいるようだ。
さすがにこれだけ暑いと、根性論は通じない。
地球環境の変化にあわせた対策は必要。
Posted by 中村 綾菜 at 13:10 │Comments(10)TrackBack(0)

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント

やってるね〜(゜Д゜ケロロ しっかり目標持って頑張ってでやんすよ☆ ケロロンも影ながら応援するでゲスよ(*´д`*)♪♪
Posted by 焼肉浪漫 三吉(ケロョ〜ン) at 2010年09月10日 13:37
焼肉浪漫 三吉(ケロョ〜ン)さんへ

ケロケロは人気者なんだから、あんまり他所へ迷惑掛けちゃダメだじょん★

この間もデイケアさんのブログにオイタしたでしょ?

アレもゴメンしないとだめだじょん★
Posted by 黒人fish at 2010年09月12日 20:42
 とある一軒家。二階の窓に明かりがともっている。居間はテレビの音が響いている。
「さあ、九回裏、デビルスレイヤーズの攻撃はピンチヒッター球道から」
「よっしゃ、いけえ!」
 メガネの男が缶ビールを片手に盛り上がっていた。
「お父さん、音量をもう少し下げてください」
 母親が注意に居間に入ってきた。
 二階。真由は溜息をついた。自室のベッドの上だった。
「そんなこと急に言われても、無理だよ。でも、せっかく友達に誘われたから。興味もあるし……」
 高校に入学して、二週間が経っていた。ごく普通の高校だったけれど、田舎育ちの真由にとって、都会は外国のようだった。学校の大きさにもビックリした。
「一緒にやらない?」
 昼休みのときだった。友人の佳織がやってきた。スカートがかなり短い。膝上二十センチ以上はある。真由は膝マイナス二センチだったから、初めは驚いたけれど、出会って、二週間して、ようやく慣れてきた。
「え、何を?」
「真由は田舎生活が長いんだよね。こんなスカート穿いてんの、あんただけよ。ほら」
 個人差はあるが、周囲の生徒も膝上、少なくとも、プラスだった。マイナスは真由だけだった。
「え? でも、制服合わせのとき、これしかなかったよ。どうして、みんな短くなってるの? あ! 都会の人は魔法が使えるとか」
「あんた、そんな発想してると、カルチャーショック受けるわよ。別に強制はしないけどさ。一緒にやらない?」
「何を?」
「援交って奴よ」
「えんこう? 何それ、アンコウの新種?」
 佳織は目を丸くした。真由は真顔のままだった。佳織は空き椅子に腰掛けて、足を組んだ。おにぎりをいくつか取り出す。
「あんたさ、援交って、単語に聞き覚えはないの?」
「えんこう……う〜ん、あるようなないような」
「簡単に言えば、セックスさせてあげる代わりに、お金をもらうっていう、最近ブームのアルバイトだよ」
「セックスって何だっけ?」
 真由が純粋な目で尋ねてきた。小学生が親に尋ねるような目だった。
「あんた、この歳になって、聞いたこともないわけ?」
「あるよ、あるけど、意味は知らないんだよ」
「田舎って、ほとんどの子が初体験済ませる頃に、その行為の意味を知らないわけか。何か天然って感じね。純粋で可愛いっていうか。髪型も明治時代じゃないんだからさ」
 佳織は真由の髪をいじった。ショートの整った髪型だった。
「でも、髪型も校則で決まってたよ」
「もういいわよ。で、セックスっていうのは……」
 佳織は真由の耳元で囁いた。真由の顔の色が変わっていく。
「えー!」
「というわけ。それをやって、お金を稼ぐのが援助交際。分かった? で、一緒にやらないかって話してるのよ」
「そんなの、そんなの、ダメだよ。ダメダメ、そういうことは大人になってからだって、お母さんが言ってたよ……言ってたかな……?」
「真由、ちょっと立って」
「え、立つの?」
 真由は立ち上がった。佳織がどこからともなく巻尺を取り出した。
「身長156センチ、バスト79、ウエスト58、ヒップ81.十分大人でしょ。もう十分よ」
「私……大人? エッチなことする歳なの?」
 真由は目を真っ白にして、方針していた。
「自覚しときなさいよ。私は中学のときに済ませてるけどさ。真由はまだでしょ? 処女は高く売れるんだからお得よ」
「あの……いや、でも、そんなこと急に言われても……」
「興味は?」
「そ、それはちょっとぐらいあるけど、そういうことは大人になってからで、私にはまだ早くて……」
「適齢期だって言ったでしょ。そりゃ、子供産むには早いだろうけどさ。たかだか、セックスよ。赤ちゃんの頭よりずっと小さいわよ」
「あのその、でも心の準備が……」
 真由の声が震えていた。
「なら、また明日聞くから、考えておいてよ」

「ということなんだよね」
 真由はベッドの上で寝返りを何度も打った。突然、ガラッと戸が開く。
「えぇ、誰?」
「おー、真由、デビルスレイヤーズ、逆転優勝だ。ほれ、やるよ」
 父が酔っ払って、一万円札を投げ入れてきた。父を見る目がおかしくなっている。心がドキドキした。父はすぐに出て行った。
「えと、えと……エッチなことだから、その、お父さんみたいな人と、その、何だっけ……あれ? エッチなことって何するんだっけ?」
 真由はその場に立ち尽くした。そこへ誰かがやってくる。
「お姉ちゃん、パパにお金貰ったよ。ほら」
「何だ、美由か……ビックリした。お父さんかと思った」
 妹の美由だった。中学二年生に上がったばかりだ。都会に引っ越してきて、さっそく友達が出来たみたいで、よく友達を連れてくる。
 ――まさか、美由はもうエッチなこと知ってたりして……。
 妹に先を越されるのはどこか悔しい。
「ねえ、美由、セックスって何か知ってる?」
「セックス? なあにそれ?」
 美由は怪訝な顔をした。それから、笑顔になる。
「パパに聞いてきてあげるよ」
 美由が外に出た。
「あ、待って、ダメ! あ、わっ!」
 一万円札に足を滑らせて、真由は頭を打った。その間に美由は父のところに到達してしまった。
「ねえねえ、パパ」
「ん、何だい? 何でも訊いてみなさい、ハッハッハ」
 父は歯ブラシを握っているところだった。遅かった。真由は廊下を曲がったところだった。
「セックスって何?」
 父の顔が真顔になる。すぐに笑顔になった。
「ハッハッハ、セックスは楽器の名前だよ」
 父は笑いながら、居間のほうに戻っていった。酔っていたおかげで助かった、
「それはサックスのことじゃ。でも良かった……」
 真由はその場に座り込んだ。美由がやってくる。
「楽器の名前だって。セックス」
「美由、セックスじゃなくて、サックス。サックスだよ。言ってごらん」
「セックス!」
 美由は笑顔で階段を上がっていった。何かとんでもないことを教えてしまったかもしれない。
「明日までには忘れてくれるよね」
 あまり深くは考えないことにした。

   二

 翌日、ホームルーム前に、佳織がやってきた。周囲は騒がしい。
「考えてきた?」
「ええっと、あの、ちょっとだけならやってもいいかもって」
「そう、それはよかったわ。で、真由は携帯持ってないんだよね」
「うん、子供にはまだ早いって」
「真由んとこの親は何時代生まれ? 携帯持ってない高校生なんて、天然記念物よ」
「そんなこと言われても、お小遣いは月千円だし……携帯電話ってすごく高いんでしょ?」
 佳織は目を丸くした。月千円という単位は聞きなれなかった。
「ちょっと待って、真由んとこのお父さん、仕事は何しているの?」
「えっと、営業課長だよ」
「お母さんは?」
「薬剤師さんだよ」
「二人合わせて、年収はいくら?」
「2500万円ぐらいだって、言ってたかな」
「何人家族?」
「五人家族。おばあちゃんは入院中で、後、妹」
「それで、月千円ってことは、残ったお金は全部貯金してるってわけね。そんなに貯金してるから、経済が悪くなるのよ。携帯電話ぐらい、必要だから、買ってて言えば、いいでしょ」
「え、でも、お母さんが」
「頼み方が悪いのよ。もっと、必要だから、みんな持ってて、メールしたいからとか言えば、買ってもらえるわよ。それでもダメなら、このがめついババア、時代錯誤も甚だしいぞ、ちっとは進歩しやがれって言えばオッケーよ」
「そんなこと言ったら、怒られるよ」
「ほーい、ホームルーム始めるぞ。席につけ」
 担任の教師が来て、生徒たちは一斉に席に付き始めた。
「明日、一緒に買いに行ってあげるから、お金もらっときなさいよ」
 佳織も席についた。

   三

 ここは父の会社。大手食品メーカーで、十五階建ての大きな建物だった。
「この度は、斉藤清氏を営業部長に昇進させることを表します」
「ありがとうございます」
 社内で拍手が起こった。父がまたひとつ出世した。同期の係長が笑顔で褒め称えた。
「いやー、さすがに、K大学卒業の清氏君は出世が早いねぇ」
「ありがとうございます」
「ですけど、これからは名前が有名になってきますから、責任重大ですよ。例えば、お子さんが何か事件を起こしたりすると、会社にも響いてきますから」
「大丈夫ですよ。うちの子は真面目でいい子に育ってくれましたから」
 父は子供を自慢に思っていた。何の汚れもなく、真面目に育ってくれた。事件など起こすはずがないと確信を持つことも出来た。

 総合病院付属の薬剤センターで、母は働いていた。患者がやってくる。七十台の老婆だった。近所の元気のいい老婆だ。
「あら、おばあちゃん、どうされたんですか?」
「実は、風邪をひいちゃってね」
「まあ、重いんですか?」
「なあに、熱が三十七度あるだけですよ。それより、お宅の芳江さん、ずいぶん具合がよくなってるそうで」
「ありがとうございます」
「もう、退院されるんですよね」
「ええ、早ければ、来週には。ホッとしてますよ、本当に」
「それから、B組の敏島さんのところ、泥棒が入られたんですって」
 それから、世間話が始まった。祖母は喘息で長らく入院していた。容態がよくなって、もうすぐ退院出来るほどに回復している。

   四

「以上でホームルームは終わります。では解散」
 担任が出ていくと、教室は慌しくなる。真由はクラブに入っていないので、直帰することになっている。佳織がやってきた。
「今日、何か都合は?」
「うん、全然ないよ」
「なら、町をちょっと見せてあげるわよ。まだこのあたりには慣れてないでしょ。案内も兼ねてよ」
「でも、私、お金ないし」
「宝払いでいいわよ。どうせ、援交したら、月二百万ぐらい溜まるんだから」
「え、そんなに?」
「あ、そうだ、ちょっとこっち来て」
 佳織は携帯電話を操作しながら、真由を廊下に連れ出した。階段を登って、三年生のフロアに向かった。
 ――え、わぁ……!
 髪を染めた生徒は当たり前、スカートなど、下着が見えそうなほどに短い。三年生は驚くほど美形が多かった。
 佳織は躊躇いなく、三年生のフロアを歩いていく。教室の前に止まった。
「朋子、連れてきたわよ」
 奥に五人ほどの集団がいた。かなり美形の女生徒ばかりだ。黒髪のロングヘアの少女が近づいてきた。
 ――すごい、足が長くて綺麗……。
 朋子と呼ばれた少女は真由の手前まで来た。
「この子が真由って子かしら? ふーん、けっこう素質的に可愛いじゃん」
「あ、あの」
 真由はオドオドした。自分だけこの場で浮いている。逃げ出したくなった。
「この子、イメチェンしたら、絶対化けるでしょ。しかも、処女」
 佳織が真由を差し出した。真由の足は止まっている。目は今にも泣きそうになっていた。
「いい感じじゃないの。ちょっと、こっちに来なさい」
「あの、私……」
「まず、スカートね。これは長すぎよ。髪はこうやって跳ねてる感だしたら、色っぽくなるわね。胸はこれから成長させるとして、ウエストは目指せマイナス一センチね。それで、朋子のメイクを施せば、化けるわね」
 佳織が真由の体を撫で回した。
「さっそく、開始して」
 朋子はメールを打ち始めた。
『レア物が入った。年五億は稼ぎそうな奴。いたって従順、ついでに処女』
 メールが送られる。

   五

「あ、あの……」
 真由は教室の前に立たされた。教室にいた少女たちが拍手を始めた。
「うん、完璧ね」
「女体の芸術ね」
「ステータスでは劣るかもしれないけど、これは超上物って感じね。可愛いわよ、真由。美しいはメイクで補えるけどね、可愛いはもう完全な才能なのよね」
 佳織は真由の頬を撫でた。しゃがんで、太ももを撫でた。スカートが切られて、プラス二十三センチになった。
「あの、佳織ちゃん、恥ずかしいんだけど……」
 朋子が近づいてきた。
「あのね、だいたいの女ってのはね、美しさがどんどん成長するのよ。平均が50だとすれば、30から70まで、色々いるってこと。だけど、可愛さってのは平均が50だとすれば、70か30しかいない。中間層が少ないってわけ。70付近の奴らは上玉だから、こういうところにはなかなか流れてこないのよ。可愛いに美しいを配合すれば、もう完璧。分かる、真由ちゃん?」
「あ、あの……これじゃ、家に帰れないので、もとに戻してくれませんか?」
「もう切っちゃったから、もとには戻らないし。髪形も、もう前と同じにはならないわよ。いいじゃない、可愛くなったんだから」
「お母さんとかが見たら、驚くよ」
「みんな、こうしてるからって言えばいいじゃない。そうだ、さっそく今日、デビューしようか。真由に取って置きのデビュー戦相手がいるのよ」
 佳織が真由の手を掴んだ。
「じゃあ、いつもの場所。あなたたちも早く準備して」
 朋子が指示を出した。数名の女生徒は教室を出て行った。
 真由は妙なところに連れて行かれた。何かのお店のようだが、看板が上がっていない。佳織が真由の手を引っ張って、中に入った。
「おじさん、Sランク、五つほどもらえる?」
「おや、そっちの子は?」
 真由はよく分からないまま連れてこられた。後ろには朋子と女生徒十名近くがいる。いずれもかなりの美人だった。
「こっちは今日、バージン捧げる子。いつもの」
「ほう、こりゃ、楽しみなこっちゃな。ワシも参加するかな」
 男はカプセルを五つ取り出した。それから、コップに水を注いで、差し出した。
「え、これ飲むの? 大丈夫?」
「平気よ。ピルって言うの。これ飲むと妊娠しなくなるのよ。ああ、でも、性病の予防は出来ないから、病気になったら、病院にいかないといけないわよ」
「……」
 真由にはあまりよく分からなかった。佳織は同じ錠剤を躊躇いなく五つ飲んでしまった。朋子も女生徒も飲んでいる。
 真由も飲んだ。飲んでしばらくして、体の内側がかゆくなってきた。不思議な感じ。
「さ、じゃあ、行くわよ。時間がないわ。早く」
 彼女らは駅のほうに急いだ。

   六

 とある男が駅の前で、声を張り上げていた。
「会員の皆様は会員証を提示した後、五番乗り場でお待ちください。五番乗り場ですよ。お間違えのないように」
 男ばかり百名以上が駅の前に集まっていた。みんな、カードを取り出す。会員証になっていて、これを提示すると、ゲームの参加できる。若い者から、中年、老人までと色々な人がいる。
「実は、私、はじめてなんだが、このゲームはそんなにすごいのかね?」
「それはもうすごいよ。今日のゲームは流しそうめんだ。これはまだ序の口だけど、これでも十分堪能出来ると思いますよ」
 ベテランの者が説明した。
「流しそうめんですか……どんなゲームかまったく想像できませんが……まあ、年間二百万円も支払ってのことだから、いいのでしょう。出来損ないの女が出てきたら、ぼったくりだ」
「大丈夫っすよ。伊達に、二百万じゃないっすから」
「それでは、時間が近づいてまいりました。会員証を提示した方々は五番乗り場にお待ちください。これより先は係りの者に従ってください。従えない方はゲームのプレイ権利を剥奪させていただきます。必ず、係りの者の指示に従ってください」
 会員証を示して、改札を抜けていく。ここは二エリア環状線になっていて、二つの環状線を繰り返して、回る。十二時まで回り続ける。
 五番ゲートの係りの者がいた。
「それではゲームの説明をいたします。一から三号までに乗っていただきます。全員、すべての衣類を脱いでいただきます。何かを身につけての乗車はご遠慮ください。コンドームの着用のみ認められます。流れてくる女の子にいかなる性行為を加えてもよろしいが、身体を過度に痛めつける行為、度を過ぎた行為はすべて禁止です。また道具の持ち込みは媚薬、性玩具等を除いて、すべて禁止です。殴る蹴るなどの暴力行為はすべて禁止になっております。不正が見つかった時点で、刑事責任を負っていただきます。ゲーム終了は、終電となる午前0時16分です。それでは、列車が参りますので、会員証ナンバーに応じた場所に乗ってください」
「ちぇ、俺はシルバーだから二号だよ」
「ゴールドは三号だ。良かったな」
「ノーマルは一号か。最悪の場合、流れてこないんだよね」
 人々は裸になって、車内に駆け込んでいった。彼らが三両を独占した。
「それでは、流しそうめんをお楽しみください」

   七

 真由は駅の中に連れて行かれた。四号車に乗り込む。真由、佳織、朋子、他十一名の計十四人だった。彼女らは選び抜かれた美少女たちだ。
 援助交際を文化として捉えるスペシャル企画が功を奏して、発展してきた。今では、個人が年間億単位を稼ぎ出すまでに発展した。
 真由は身体のかゆみが強くなっていることに気付いた。体の内側が熱い。何もしていないのに動悸が激しくなってくる。性的な興奮が強くなっていく。
「あの、な、何が始まるんですか?」
「ルールは簡単、誰が最初に一号車の一番前にたどり着けるか。まあ、普通はたどり着けないんだけどね。一号車に一番近かった人が優勝ってことで、百万円もらえるのよ。負けても、五十万はもらえるから、問題ないわよ。それじゃあ、真由、さっそく行くわよ」
 佳織は真由の手を掴んで、三号車の扉を開けた。電車が走り始めた。
真由は奥の光景を見て、目を見開いた。男の人が裸で、こっちをジロジロ見ていた。ひどく興奮している。それを見て、体がよりいっそう熱くなった。体の中がかゆくてたまらなくなった。
「一番理想なのは、誰ともやらずに、一番前まで行くことね。誰だって、見ず知らずの人に体をいじられたくないものね。真由、頑張って、一号車までいけばいいだけのことだよ」
「こ、こんなの……」
「おぉ、そこのショートの子、バリ可愛い……早く来いよ!」
 男が扉に手をかけた。
「コラ、ルール違反だぞ」
「何だと!」
 車内で小さな乱闘がおき始めた。佳織は真由の手を離して、扉を開けた。短いスカートを靡かせて、前に飛び込んだ。ポニーテールの髪が揺れる。
「来た、来たぞ!」
「女だ。捕まえろ」
「ほら、邪魔邪魔!」
 佳織はハイキックや右フックを振り回して、男をなぎ払って、進んだ。騒ぎに紛れて、中間まで到達した。放ったハイキックが太めの男の鼻を掠めた。鼻血が出る。
「この野朗、よくもやったな」
 太めの男が佳織の腕を掴んで、引っ張り寄せた。同時に後ろにいた男が背中を捕まえた。
「あっ、きゃ、捕まっちゃった……」
 佳織は身をよじった。男の力の前で、びくともしない。
「本当は捕まりたかったんだろ、正直に言えよ。てめえのせいで、鼻血が出ちまっただろう。全部、舐め取れよ」
 太めの男は佳織を引っ張り寄せた。グイッと自分の体に押し付ける。後ろ髪を掴んで、唇を鼻元にくっつけた。佳織は舌で血をペロペロと舐め取った。男の手がいくつも動いて、佳織のスカートの中に進入した。下着を剥ぎ取って、
「今日のために媚薬を買い込んであるんだぜ」
 男が媚薬を無駄に両穴に押し込んでいく。すでに中は濡れていた。指を入れるたびにクチュクチュと音がした。
「あっ、あんやだ、そんなところまで塗らないで……んん、ちゅっ」
 鼻血が止まったらしい男が強引にキスをしてきた。舌が口の中で暴れまわった。
「俺、行くぞ」
 後ろの男は自分のモノに媚薬をたっぷりと塗りこんだ。モノは硬くなって、十七センチほどになった。スカートの下から、後ろの穴にモノを押し込んだ。両手で胸を掴んで引っ張る。カッターシャツのボタンを引きちぎって、手に絡ませた媚薬を胸全体に塗りつける。乳首に丹念に塗りつけていく。モノは勢いよく奥まで入った。
「ん、んんぅ……んん」
 太めの男のキスで声が出せない。その男は片手で、自分のモノを掴んで、前の穴に押し込んだ。両手で腰を掴んで、自分のほうに引き寄せた。唇が離れた。グチュグチュと音を立てながら、二つのモノが動いた。体の力が抜けた。後ろに体を倒した。後ろの男が体を支えて、前の男が腰を引っ張ってくる。
「あぁん、あんっ、やっ、いたっ、やめ」
「嘘つくなよ。本当はもっとやってほしいんだろうが」
 前の男が動きを緩めた。液がたくさん太ももを伝った。
「……ああぁ、もっと激しく」
「オラァ、本当のこと言わんかい」
「欲しいって言ってんのよ。あんたに惚れたのよ。もっと奥までかき回して、私のことを離さないで、奥まで、エッチに……あぁっ、そこ、イッちゃう……感じちゃうのよ」
 男が激しく腰を動かし始めた。
「裸で電車に乗る変態中年オヤジに惚れちまったのか。この淫乱が」
「そうよ、あんたのことが好きになっちゃったのよ。あんたがこんなに激しくするから、責任取りなさいよ」
 佳織は男にキスをした。体を乗り出して、舌を入れる。
「俺もだ」
「もうこの女をここから放すな」
 二人の痩せた男がやってきた。佳織の手を掴んで、強引に自分のモノを掴ませた。佳織は自分からモノをしっかりと握って、しごきはじめた。
 真由は放心した状態で見ていた。朋子と他の女生徒が中に飛び込んでいった。男を押しのけて、進んでいくが、二号車に到達する前に、全員捕まってしまった。
「いやぁ〜ん、いきなり入れるなんて、あっ、あん」
 男が朋子を引き寄せて、後ろから強引に挿入した。そのまま、朋子を座席に四つん這いに座らせた。別の男が出てきて、髪の毛をわし摑みしした。
「おら、さっさと口を開け」
 車内はひどく淫靡な音に満たされた。中に入った女生徒はみな犯された。真由はドアの外にいた。
 男が真由に気付いてやってきた。ドアを開けようとする。
「きゃあ、ダメ」
 真由は懸命にドアを押えた。体に力が入らない。むずむずして、アソコが濡れてきた。
「ふがー!」
 男が唸り声を上げて、ドアを開いた。真由は後ろに下がった。後ろのエリアに乗客はほとんどいない。イヤホンをつけた弱そうな少年が一人だけだった。こっちに気付いて、目をやっていた。異様な光景を見て、五号車に逃げ出していった。
「やった、貸切だ。君を独占出来るぞ」
 五十歳ほどの男だ。ひどく興奮して、やってくる。真由は五号車に逃げるように走った。男の手が肩を掴んできた。そのまま、座席にのしかかって、真由を押し倒した。
「君、サイコーだ。今日一日、俺の……俺のマニアエッチに付き合ってもらうぜ、ウヒヒ」
「待って、お母さんに、まだ早いって、お願い……嫌だから」

   八

「そらそらそら」
「あっん……すごい、素敵よ。もっと、もっとくれないと離してあげないから」
 佳織は前方の男にしがみついていた。
「六回目、いくぞ」
 男の動きが速くなる。中で射精した。ペニスを引き抜いて、佳織のカッターシャツを脱がせた。
「俺も四回目。思いっきり出すぞ」
「わ、私も四回目、いっちゃうぅっ!」
 後ろの男も射精した。佳織は膝を折った。何度もいって、体に力が入らない。前方の男にスカートを脱がされた。
「入れるぞ」
 男は佳織をドアに押し付けて、後ろからペニスを挿入した。
「もっと、もっと速く動かしなさいよ」
「またいきたいのか?」
 男が動きを止めた。
「そうよ。奥まで入れて、もっと速く動かして」
 男は手で佳織の乳房を掴んだ。腰の動きを速くする。
「あっ、すごくいいわよ。本当にすごいわ」
 佳織は目を閉じた。快感が止まらない。体の力が抜けた。男とドアに挟まれたまま、快感に身を任せた。

 真由は下着を取られて、足を広げられた。男はペニスをヴァギナにあてがった。
「真由ちゃん、初めてかな?」
「嫌だぁ……」
「大丈夫、おじさん、AVたくさん見て、風俗店にもたくさん通ってるから。気持ちよくしてあげるね。初体験がおじさんでよかったね」
 男は一気に入ってきた。処女膜を貫通して、ペニスを子宮近くまで押し入れる。
「ほら、入っちゃった。見てごらん。おじさんとエッチな状態になってるよ」
「痛い、痛いから、もう嫌、いやあぁ!」
「すぐにおじさんのこと好きになるから大丈夫だよ。少しの辛抱だからね」
 男は身を乗り出して、真由の唇にキスした。唇の間に舌を入れる。腰を動かして、真由の中を押し広げた。
「おじさんは気持ちいいよ」
 真由の胸を潰すように触って、首筋から肩にかけて、舌を這わせる。真由の頭を撫でた。
「軟らかい髪の毛だね。真由ちゃん、まだ子供なのかな」
 男は真由の耳を全部口の中に含んだ。舌を内部に押し入れる。真由は唇を噛み締めた。体の中で何かが動いている。知らない人の前で足を広げているのが恥ずかしかった。
「あっ! かゆいとこに当たって……」
 真由は足をさらに広げた。男が気付いて、腰の動きを止めた。
「ん? どうしたのかな?」
「かゆいところがあって、そこを何とかしてほしいの。お願い」
「へえ、そうなんだ。どうしよっかな。だって、真由ちゃん、さっき嫌だって言ってたもん。嫌なら、抜くしかないよ」
 男がペニスを抜こうとした。真由は力を入れて、ペニスを強く締めた。
「お、お願い、かゆくて……自分でかけないから」
「うーん、じゃあ、おじさんのことは好き?」
「……」
「好きになってくれないなら、おじさん、もう抜いちゃうよ」
「うぅ……好き。好きだから」
「何かいやいや言ってるみたいだもん。やっぱり抜いちゃお」
 男はペニスを抜いた。膣《ちつ》内ら血があふれ出てきた。真由は足を広げたまま、手で血を受け止めた。手が震えてくる。
「おじさんのここにね、とってもよく効く媚薬《びやく》を塗っておいたんだ。そろそろ効いてくるはずだよ。いっそうかゆくなってくるんじゃないかな」
 男は媚薬を取り出した。それを指に出して、真由のクリトリスをいじり始めた。ピクピクと動いて、クリトリスが硬くなってきた。
「ね、よく効くでしょ」
「いやぁ、かゆい、かゆいよ」
 真由は指を自分のヴァギナに強引に入れた。けれど、一向にかゆみは止まらない。
「おじさんのこれが必要だよね。約束しない? おじさんと付き合ってくれたら、かいてあげるよ。奥の奥までね。どうだい?」
「何でもするから、もう我慢出来ない、かいて、お願い」
 真由は体を震わせていた。目から涙がこぼれる。
「よし、じゃあ、約束だよ。おじさんのここ、大きいから奥まで入るよ。見ててごらんよ」
 男は真由を横に寝かせて、スカートを肌蹴《はだけ》た。繭の足を折って、ペニスを一気に押し込んだ。血と体液があふれ出てくる。
「真由ちゃん、媚薬、またたくさん塗ったからね」
「ああっ……もっと奥がかゆいの、もっと奥に」
 男は奥まで入って、激しく動いた。真由の中を激しくかき回した。真由の頬に自分の頬を擦り付けた。
「真由ちゃん、いいにおいだね。まだ時間はたっぷりあるから、ゆっくりエッチなことをしようね。真由ちゃん、あんまり詳しくないみたいだから、おじさんが教えてあげるね」

   九

 電車は終点駅についた。係りのものが来て、乗客を全員降ろした。車内の掃除を始める。
「いやぁ、素晴らしいねぇ」
「また金魚すくいやってくれないかな」
「何? 金魚すくいって?」
「やってみれば分かるよ」
 乗客は服を着て、帰っていった。都会の夜はとても明るい。ネオンサインのもとにはたくさんの人が歩いている。

 真由はシャワールームに入った。ぬるめの水を頭からかぶった。
「まだかゆい……私、さっきまであんなことしてたんだ」
 真由は性器に触れてみた。刺すような痛みがある。先ほどのことを思い出すと、体が震えてきた。
「家に帰れないよ」
 親が知ったら、ショックを受けるに違いない。不意にドアが開けられた。佳織が入ってきた。タオルを一枚頭に被せているだけだった。頭からシャワーをかぶる。真由は隅に退《ど》いた。
「お疲れ、どう?」
「うん……複雑な気持ち」
「処女喪失のときはみんなそんな感じよ。ずいぶん激しくされたでしょ。見せてごらんなさい」
 佳織がしゃがんで、性器を覗き込んできた。指で触れて、状態を確かめる。
「化膿とかはしてないみたいだけど、しばらくはやっちゃダメね」
 シャワー室を出た。出るころには制服が洗われて、乾燥機にかけられていた。係りの男がやってきた。
「着替えを置いておきますね。ご苦労様でした。本日の手当でございます」
 男はそれだけ言って、部屋を出て行った。小さなホテルの一室だった。隣の部屋に朋子たちもいる。佳織は給料袋を二つ取った。ひとつを真由に投げ渡した。
「……うわぁ、たくさん入ってるよ。これ、おもちゃのお金だよね」
 一万円札が七十五枚入っている。こんなお金を生で見るのは初めてだった。
「そんなわけないでしょ。きつい、きけん、きたない。三Kの仕事なんだから、それぐらいもらわなきゃやってらんないわよ。きもちいいもあるから、四Kかもね」
 佳織はクスリと笑って、衣服を身に付け始めた。色っぽいキャミソールとミニスカートだった。それにチョッキが一着ある。
「あんたも早く着替えなさいよ」
「うん、でも、このまま帰ったら、お母さん、絶対心配するよ。こんな時間だし」
「友達とカラオケに行ったとでも言えばいいじゃないの。服はそのついでに買ったっていえば」
「だって、私、お金持ってきてなかったし」
「友達に買ってもらったって言えばいいじゃないの」
「友達にお金を借りたりもらったりしたらダメだって、言われてるし」
 そう言うと、佳織は溜息をついた。
「あんたんとこはほんとに田舎育ちなのね。都会じゃ、この時間まで外出してたって普通だし、服だって、買うわよ。それで、怒られたら、うるさいわね、私の勝手でしょと言えばいいのよ」
 佳織はさっさと服を着込んだ。
「帰るわよ。あんまりうろついていると、補導員に捕まることもあるからね」
「あ、待って」
 真由は慌てて、服を着込んだ。

   十

 真由は家の前に立っていた。一度深呼吸する。それから、ドアを引いた。閉まっている。真由はインターホンを鳴らした。すぐに反応がある。母が顔を出した。
「ま、まあ! 真由、あんたこんな時間までどこに行ってたの! 警察に連絡して、お父さんが車を出して、大変だったのよ。それに何です。この格好。こんな短いスカート。一体何をしていたか説明しなさい!」
 母は半泣きの状態で、怒っていた。真由は思わず、うろたえてしまった。
「その、友達とカラオケに……」
「都会だから、そういうこともあるとは思うよ。でもね、それなら家に一言連絡を入れてからにしなさい。ほんとにもう、誘拐されたんじゃないかって、心配したんだから」
「はい、ごめんなさい」
 父も戻ってきて、丸く収まったけれど、
「まったく悪い子だ。せめて連絡は入れなさい。金輪際、無断でそんなことはしてはいけないよ」
 父もひどく怒っていた。
 何時間もして、ようやく真由はベッドに入った。
 ――七十五万円もあるけど、これは隠しとかないと。
 真由は押入れの奥の貯金箱と壁の間に七十五万円を入れておいた。

   十一

 制服に予備があって助かった。ひとつは切ってしまって、短くなってしまった。真由は長いスカートを穿いて、登校した。
 教室内は静かだった。ほとんどの生徒が椅子に座って、教科書や参考書に目を通している。佳織も教科書に目を通していた。
「ねえ、何でみんな勉強熱心なの」
「ああ、真由。今日、抜き打ちで歴史のテストがあるらしいのよ。中学校で習った範囲のね」
「へえ、抜き打ちなのに、どうして分かったの?」
「麻戸《あさど》って奴が職員室で問題用紙発見したんだって。ばれそうになって、問題までは見れなかったらしいけど。麻戸って奴はあいつのことね」
 佳織が指差した。麻戸達樹《あさどたつき》はメガネをかけたどこにでもいそうな少年だった。男子生徒数名と話をしている。特別かっこいいわけではない。
「真由も早く勉強しなさいよ。十九世紀以降の問題があったらしいから」
「勉強は苦手だから、あきらめるよ」
「あんた、勉強出来ないの? ここに入ったんなら割といいほうになるでしょ」
「だって、推薦だったし。推薦はいつも定員割れてるから」
「ふーん」
「佳織ちゃんは勉強得意なの?」
「得意じゃないけど、まあまあじゃないの」
 チャイムが鳴って、教師が入ってきた。

 テストが終わり、休み時間になった。
「どうだった?」
 佳織が尋ねてきた。真由は溜息をついて、机に倒れこんだ。
「全然出来なかった」
「ま、大学受験しないなら、勉強なんて何の役に立たないから、いいんじゃないの」

   十二

 四時間目は美術の時間だった。選択授業になっている。佳織は音楽だった。
 真由は廊下で迷子になってしまった。
「えっと、美術室は確か三階のこのあたりのはずだけど……」
 都会の学校はとても広い。五階まであって、フロアの広さも田舎のものとは比べ物にならなかった。
「ここかな」
 真由が開いた部屋は図書室だった。本棚に本がぎっしり詰まっている。中は誰もいない。
「図書室だった。がっかり」
 ドアを閉めようとすると、奥で物音がした。本が落ちる音だ。真由は覗いてみた。男子生徒が廊下で蹲っていた。本があたりに散らばっている。
「あ、あの、どうしましたか?」
 真由は近くによってみた。見たことのある顔だ。同じクラスの生徒。
「あ、君は確か……斉藤さん」
「え〜っと、君は確か……」
「荻野です。荻野良介《おぎのりょうすけ》です」
「あ、そうそう、そうだったよね」
「美術室に行こうとしたら、図書室に来ちゃって。ちょっと腹痛に襲われちゃって」
 ――あっ、私と同じだ。
 同士だったので、真由には気持ちがよく分かった。
「最初はここが美術室だと思ってたんだ。待ってても先生来ないし、美術っぽくないと思ってたら、図書室だったんだ。僕って馬鹿でしょ」
 ――私でも一目見れば図書室って分かったよ。私より馬鹿な人がいたんだ。
「全然、私も美術室に行こうとしたんだよ」
「あ、そうだったんだ。じゃあ、一緒に行こう……ああ、でもお腹が」
「じゃあ、美術室より先に保健室だよ。肩、貸してあげるから」
 真由は良介を連れて、図書室を出た。しばらく彷徨う。

「ここが保健室だよ」
「ありがとう、斉藤さん、助かりました」
 真由が扉を開けると、中にベートーヴェンの写真があった。
「ここが保健室か。ピアノがあるね。あ、ベートーベンにモーツァルトだ」
 良介は苦しそうな表情で、顔を上げた。教師が駆けつけてくる。
「君たち、なんだね」
「ああ、保健室の先生。腹痛なんです」
「何を言っとるのかね。私は音楽の教師だ」
「真由、何やってんの」
 佳織も駆けつけてきた。手にリコーダーを持っていた。
「ちょっと保健室に行こうと思ってたんだけど、音楽室まで来ちゃった」
 真由は苦笑した。
Posted by K5 ◆Gy/l3.HlSE at 2010年09月12日 23:55
「では、斉藤真由と言ったね。君は早く美術室に向かいたまへ」
 音楽の先生に保健室まで連れて行ってもらった。良介はベッドに転がった。腹痛の原因は胃炎で、持参の薬を飲んで、だいぶ楽になっていた。
「はい」
「ありがとう、斉藤さん。僕も元気になったら行くよ」
「無理はダメだよ」
 良介はニコニコと微笑んで、手を振った。真由が部屋を後にする。若い保険の先生が立ち上がった。先生も微笑んでいた。
「二人はお付き合いをしているの?」
「いえ、違います。今日、初めて話したばかりだから」
「そうなんだ。二人は何となく雰囲気が似ているのよ。荻野君と斉藤さんは」
「そ、そんなことないです。きっとない……です」
 良介は窓の外に目を向けた。

 美術室が騒がしい。真由が戸を開けると、騒ぎ声が聞こえてきた。教師がいない。ぺちゃくちゃと話したり、絵を描いたりしている。
 真由が入っても、ほとんど気にするものはいなかった。黒板に『急用が入りました。自分の手をスケッチして、提出しておいてください。出席番号、氏名を忘れずに』と書いてあった。
 真由は自分の席に座って、スケッチブックを取り出した。前後左右が騒がしい。
「俺ったら、昨日、ツチノコを捕まえる夢を見ちまってよ」
「何じゃ、その子供みたいな夢はよ」
「エロい夢見るお前よりマシじゃ」
「きゃー、この彼、イケメンね」
「すごーい、ねえねえ、どこで出会ったの?」
「町でナンパされたんよ。私、チョーラッキーやったわ」
 真由は黙って、自分の手を描き始めた。絵は苦手だ。変な絵になってしまった。
「わぁ……何かマドハンドみたいになっちゃった」
 真由は新しいページを開いて、新しく描き始めた。
「一緒にやらないかい?」
 声がかけられた。振り向くと、男子生徒が微笑みかけていた。背が高くて真面目そうな生徒だった。
「え、ええ、いいですけど」
「僕は本田尊《ほんだみこと》というんだ。君は斉藤真由さんだよね。よろしく」
「はい、どうも」
 尊は椅子を持ってきて、真由と向かい合って座った。尊の絵はかなりうまかった。
「へえ、上手なんだね」
「一応、教室に通ってるんだ。将来、画家になりたくてさ」
「画家さん……え〜っとゴッホさんとかですか?」
「そうそう、真由さんの絵はどんな感じ?」
 尊が覗き込んできた。
「私は下手だから」
「絵には上手も下手もないんだよ。安心して」
 尊は真由のスケッチブックを取り上げた。絵を見て、クスリと笑った。真由は恥ずかしそうに笑った。
「ごめん、そうじゃないんだ。可愛い絵だね。個性的で面白いよ。人を笑わせることの出来る絵って、とても魅力的なんだよ。どんなに下手だと思われても、笑顔を与えられる絵は素敵なんだよ」
「……」
 真由は無言で尊のほうを見つめた。胸の鼓動が高くなっている。チャイムが鳴った。
「チャイム鳴ったね。提出しようか」

   二

 六時間目の授業までがすべて終わった。真由は席に座ったまま、ボーっとしていた。佳織がやってくる。
「真由、何やってんの。早く行くわよ。携帯電話買いに行くんでしょ」
「あ、ごめん」
 真由はようやく我に返った。ずっと尊のことを考えていた。
「行くわよ」
 二人は町に出た。すごい量の人々が歩いている。広い道路には車が汲々《きゅうきゅう》しながら通っている。高層ビルが立ち並んでいる。大手企業の本社もたくさんあった。
「そういや、親はどう言ってたの?」
 佳織が尋ねた。
「何とか誤魔化せたよ。携帯電話も持っていいって」
「そう。良かったじゃない」
 歩いていると、佳織にメールが届いた。マナーモードに設定してある。
「え、音もないのに分かるの?」
「振動するのよ。私、音嫌いだから、いつもマナーモードにしてるの」
 メールは朋子からだった。佳織はメールを返した。
『真由は行けないわよ』
 すると、『真由を連れてきなさい。絶賛している人がいるから』
「困ったわね」
 佳織は頭を抑えた。昨日の今日だから、真由はメンテナンスが必要だ。
「どうしたの?」
「あんた、まだ痛むでしょ?」
「え?」
 真由が怪訝な顔をする。佳織は言う代わりに、その部分に近いところを押えた。
「う、うん、すごく痛い」
「そりゃそうよね」
 佳織はその方面でメールを返した。『1日ぐらい問題ない。連れてきて』と返ってくる。
「まったく、勝手な奴ね。真由、この後、付き合いなさい」
「うん、いいけど、何をするの?」

   三

 午後五時。待ち合わせ場所には朋子が立っていた。それ以外にも二人いる。
「さ、行くわよ」
 朋子が言った。みんなスカートが尋常でないほど短い。朋子は洋服店に入った。
「真由、あなた、すごく指示されているの。責任重大な立場にあることを自覚しておきなさい」
「え、私?」
「真由は可愛いからね。色っぽくしたら、絶対もてるわね。で、朋子、どういう方向で持っていくの?」
 佳織は真由を試着室に入れて、下着以外の衣類をすべて取り除いた。
「割とシンプルで行くつもり。真由、こっち向いて」
 朋子が真由の髪の毛をいじり始めた。口紅を塗って、目にも何かメイクを施した。佳織の持ってきた服を着せられた。下着が見えそうなほど短いスカートだった。
「うぅ」
「オッケー、かなり可愛くなったじゃない」
 佳織が顔を覗き込んできた。真由は俯いた。自分から自分の顔は見えない。それが不安だった。
「下着はいらないでしょ」
「あっ!」
 朋子が下着を剥ぎ取ってしまった。
「じゃ、行くよ」
 例の怪しい店で怪しい薬を用意された。真由は水で流し込んだ。

 カラオケボックスが五つ貸しきられていた。会員ナンバーがドアのところに張ってある。
「00001〜00300まで」
 百区切りに仕切られていて、外からでは中の様子が分からない。五人はボックスの前に並んだ。
「私、ここね」
「じゃあ、私ここ」
「真由、あんたは五番目に入りなさい」
 朋子はそう言って、三つ目に入った。四つ目と五つ目が残った。
「私らも行くわよ。私、四つ目に入るから、真由も頑張りなさいよ」
 佳織が中に入っていった。カラオケボックスの廊下は驚くほど静かだった。歌を歌う場所とは思えなかった。
 真由は五つ目のドアに手をかけた。緊張してなかなか入れない。
「このまま帰ったらどうなるんだろ……」
 そうしていると、中からオヤジが顔を出した。前回交わったことのあるオヤジだった。
「やあ、真由ちゃん、待ってたよ。さあ、入って」
 オヤジはもう裸になっていた。
「真由ちゃんとエッチがしたくてうずうずしてたんだ。さあ、こっちに座って」
 真由は頭を下げて、中に入った。オヤジ一人しかいない。真由はぎこちなく隣に座った。座ると同時にオヤジは真由を抱き寄せて、キスをした。唇を食べるように激しかった。
「今日は一段と可愛いね。おじさん、堂本浩二《どうもとこうじ》って言うんだ。真由ちゃん、前に付き合うって言ってくれたからね。もうおじさん、ハッピーだよ」
 そう言って、浩二はまたキスをした。真由の口の中に舌を入れて、唾液をたくさん交換した。
「あれ?」
 浩二は手をスカートの中に入れた。性器に直接触れてきた。親指でクリトリスに触れた。
「真由ちゃん、今日、穿いてないんだ。こんな短いスカートなのに」
「友達が取っちゃったから……んんっ」
 浩二の指が奥まで入ってきた。体がかゆくなってきた。薬が効いてきたらしい。男は何かを取り出した。
「とても強力な媚薬らしいんだ。スーパーオットセイとトンギーコングのエキスが入っているんだよ。これをつけたら気持ちよくなるよ」
 浩二はかなりの量を取って、真由の中に塗りつけた。キャミソールを取って、胸を露出させた。
「あ、そうだ、真由ちゃん。ここのカラオケボックスね。自分で歌った歌を録音出来るようになってるんだ。エッチな歌を録音しようか。いいアイデアでしょ」

   四

 四番目のカラオケボックスには三百四十人が入っていた。佳織は差し出されたペニスを口に含んだ。下に寝転んでいる男に跨った。性器に入ってくる。後ろから佳織のもうひとつの穴にペニスを押し入れた。
「三百人以上の精子を体にぶち込むのか。どれぐらいの量になるんだ」
「さあねぇ」
 後ろに男がたくさん待っている。興奮気味に勃起させていた。射精を終えた男は最後列に移動する。何度も繰り返された。

 浩二は真由を自分の上に座らせて、向かい合った。真由は硬くなったペニスを掴んで、自分の性器にあてがった。
「入れてほしいのかな、真由ちゃん」
「だって……かゆいから、我慢出来ないから」
「そうかい、じゃあ、入れてごらん」
 ペニスは簡単に奥まで入った。動くたびにクチュクチュと大きな音が立った。
「気持ちいいかい?」
「……ん、気持ちいい。かゆいとこ擦られると、すごく」
「そうかい、それはよかった。これからもっともっと気持ちよくなるよ」
 浩二は真由の小さな乳房を掴んだ。乳首にキスをした。
「真由ちゃんのにおいはおじさん、大好きだよ。真由ちゃんの好きなことはなんだい?」
 浩二が奥のほうまで入ってくる。奥を刺激されると、力が入らなくなる。真由は浩二にしがみついた。
「エッチが好きなことになっちゃったかな?」
「……」
「うーん」
 浩二はペニスを抜いて、真由をソファーに押し倒した。ペニスで割れ目を激しく擦った。
「か、かゆくなっちゃう……早く入れて、お願い」
「真由ちゃん、エッチは好きかな?」
 浩二は先端だけを入れたり戻したりした。真由の中から体液があふれ出てきた。
「ん、好き」
「おじさんのここも好きなんでしょ?」
「好き。だから、早く入れて。かゆいところたくさん擦って……」
「よく出来ました。じゃあ、入れるよ。真由ちゃんの好きなエッチだよ」
 男は奥まで一気に入った。

 佳織は十五人目の精液を全部飲み込んだ。
「よし、次は俺だ。三十四日溜めてきたんだぜ」
「もう、お腹がいっぱいで、飲めそうにないのよ」
 佳織は顔を背けた。男は無理やり佳織の口の中にペニスを入れた。
「んん、や……」
「嘘つけ。大好物なんだろ。いくらでも食えるだろ」
「俺、いくぞ。十八発目」
 寝転んでいた男が中で射精した。

   五

 浩二は三回中出しした。真由が大人しくなってきた。真由を後ろにして、自分の膝に座らせた。ペニスが真由の中にスルリと入った。
「真由ちゃん、大人しくなったね。どうしたの?」
「気持ちいいから、感じてるの……」
「そうかい。明日もやりたいかい?」
「うん、ずっと浩二さんとエッチしてたい」
 真由は大きく足を開いて、浩二にもたれかかった。
「そうだね、明日の朝までいようか。寝るときも繋がったままでさ。トイレは真由ちゃんの中ですればいいもんね。真由ちゃんはお漏らししてもいいよ」
「うん、それがいい」
「ああ、またいきそうだ。真由ちゃんの中気持ちいいから」
 浩二は動きを早めた。真由の子宮の中に精子を放出した。真由は目を閉じて、感じていた。
「じゃあ、明日までこうして寝ようか」
 挿入したまま、二人は横になって、向かい合った。真由のほうから浩二にキスをした。
「真由ちゃん、おじさん、このまま、おしっこしちゃうね」
「うん」
 浩二は真由の中に尿を放出した。真由の体が震えた。
「ふう、真由ちゃんはどんな感じだい?」
「温かくて気持ちいい」
「そうかい、また出そうになったら、たくさん出してあげるよ」
 不意にドアがノックされた。係員が入ってきて、
「時間です。退室して下さい」
「残念、真由ちゃん、時間みたいだ」
「うぅ……」
 真由は浩二にしがみついた。
「おじさんもこのままでいたいけど、ルールだから仕方ないよ」
「じゃあ、最後に私をいかせて……」
「よし、そうするか」
 二人は同時に達した。

   六

 深夜になっていた。家には友達と遊ぶと伝えてある。真由はラブホテルの一室に座っていた。俯いたままで元気がない。佳織がシャワー室から出てきた。
「真由、家に電話しなくてもいいの」
「うん、言ってあるから」
「ふーん」
 佳織は下着だけを身に付けて、真由の隣に座った。おでこを重ねた。
「……熱があるわけじゃないわね」
「……」
 真由は胸を押さえた。体をギュッと縮めた。
「恋の病かしらね」
 佳織は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してきた。ひとつを真由に渡す。
 真由は無言のまま、恥ずかしそうに俯いた。
「あら、図星だった? 相手は誰なの?」
 真由は言い辛そうに俯いたままだった。
「ま、言う気になったら相談しなさいよ」
 二人でホテルを後にした。外はすっかり暗くなっている。昨日の今日で百万円以上もお金が溜まった。けれど、そのお金を使う気は起こらなかった。

   七

 次の日、土曜日で学校が休みだった。家族みんなで食卓を囲う。
「最近、お姉ちゃん、帰ってくるの、遅いよね。高校生になったら忙しくなるの?」
 隣に座っている美由が尋ねてきた。真由はお茶を噴出しそうになった。
「まあ、真由も高校生だからな。だけど、真由、あんまり危険なことには手を出しちゃいけないよ」
 父が言った。真由は苦笑したが、ここに居辛かった。いいところで電話が鳴った。
「あ、私が出るよ」
 真由は受話器を取った。電話は病院からだった。
「おばあちゃん、すっかり元気になって、予定より早いけど、早く退院したいって。お家の方はいる?」
「あ、はい、お待ちください。お母さん、おばあちゃんが退院するって」
「え、来週でしょ、それは」
「元気になったみたいだよ」
 母は受話器を取って、話し始めた。祖母の件が終わると、関係のない話に移行していた。
「おばあちゃん、退院するの?」
「うん、そうみたい」
「わーい。おばあちゃん、元気になったんだ」
 美由がはしゃぎまわった。父は「ハッハッハ」と笑う。
 家族で祖母を迎えに行った。祖母は松葉杖をついて、外に出てきた。
「おばあちゃん、大丈夫なんですか?」
 母が駆けつける。祖母はニコニコ笑っていた。
「ああ、もうこの通りじゃ」
 祖母は真由のほうに目を向けた。
「真由は高校生になったんじゃな。お祝いをせんとな」
「おばあちゃん、退院おめでとう」
 美由が走っていって、祖母に飛びついた。
「コラ、美由、そんなに勢いよく飛びついちゃダメでしょ」
「ええよええよ、美由は中学二年生になったんじゃよな。美由もお祝いせんとな」
 父は病院の人々に礼をしていた。
「合併症もありませんし、もう大丈夫でしょう。お大事に」
「どうも、ありがとうございました」
 家族は車に乗り込んだ。家に向かって走り出す。
「あっ」
 真由は携帯電話を取り出した。メールが来ている。佳織からだった。
「ほう、これがポケベルちゅうもんか」
 祖母が興味深そうに画面を覗き込んだ。
「これは携帯電話だよ」
「せや、携帯電話言うんやったな。そのうち携帯トイレも発売されるかもしれんの」
「それはオシメ……じゃないか。あれ、オシメって携帯トイレじゃないよね」
 真由はよく分からないことを考えていた。
『明日、予定なかったら来なさいよ』
 何を意味しているのかはよく分かった。胸の鼓動が早くなる。真由は『うん、行くよ』と返した。
「友達からの誘いかい?」
「うん、遊ぶ約束をしたの」
 真由はそう誤魔化した。親には内緒にしている。援助交際を親が認定してくれるはずがない。真由はもう体が熱くなっていた。

   八

 家についた。昨日から母が祖母の部屋を掃除していた。
「まあ、久しぶりの我が家だねえ。新築みたいに片付いておるの」
「私が片付けたんです。病み上がりなんですから、しばらくゆっくりしていてくださいね」
「そうさせてもらうよ。よっこいせ」
 祖母は机の前に腰を下ろした。体はすっかり元気になっている。母はホッとして、部屋を出た。

 真由は帰ってすぐ、自分の部屋に戻った。ベッドに転がって、メールを確認した。
「お姉ちゃん、勉強教えてほしいんだけど」
 美由がいきなり部屋に入ってきた。
「今はダメ。忙しいから」
「残念……」
 美由は残念そうに部屋を出て行った。誰もいなくなって、真由はベッドに色っぽく転がって、スカートの中に手を忍ばせた。
「あぅ、ムズムズする。あ、あん……」
 下着をずらして、直に指で触れた。クリトリスを刺激しながら、薬指を内部に忍ばせた。
「浩二さんの……もっと太いんだよね。もっと気持ちいいんだよね。あっ……」
 指を動かすと、だんだん濡れてきて、目や表情がみだらになってきた。
「わ、わぁ……すごく濡れてる。すごい、ああぅ……すごくいい……もっと」
 エッチをしているところを想像して、指の動きを早めた。あふれ出た液が太ももを伝っていく。
「浩二さん、そこ、いいの……もっと、うん、奥まで……あっ、すごくいい、気持ちいいよぉ……!」
 すぐにイキそうになった。絶頂が近くなって、指の動きがいっそう速くなる。
「あああっ! イク……もうダメェ……」
 真由は布団に噛み付いて、ギュッと目を閉じた。強い快感を覚えて、しばらく放心した。虚しさが込み上げてくる。
「浩二さん、いてくれないからかな……」
 体が冷めないように、真由は布団にしがみついた。不意に、部屋のドアが開いて、美由が顔を覗かせた。
「え?」
「お、お姉ちゃん、な、何やってるの……?」
 美由は下半身を晒していた真由を見て、恥ずかしそうに目を覆った。
「み、美由、これは……あの……何しに来たの?」
「お姉ちゃんの部屋から何か声が聞こえてきたから……具合が悪いのかなって」
「何でもないよ。これは検査の一種……だから」
 中からはたくさんの体液がこぼれていた。
「……」
 美由はまだ恥ずかしそうにしている。
「美由、お父さんとお母さんには内緒だよ。こっち来て」
「……うん」
 興味があるのか、美由は恐る恐る真由に近づいた。真由は急いで下着を戻して、立ち上がった。美由の恥ずかしそうな顔を見ていると、性的な興奮が強くなってくる。
「一緒にする?」
「え?」と美由はあまりよく分かっていない様子だった。
 ――妹を誘うなんて、私、どうかしてる。でも……興味はあるよ。
 真由は少し強引に美由をベッドに座らせた。
「お、お姉ちゃん、今から何をするの?」
「絶対誰にも言っちゃいけないよ。お姉ちゃんと美由二人の内緒だからね」
 真由はもう興奮を抑え切れなかった。好奇心に駆られて、美由をベッドに押し倒した。
「お姉ちゃん?」
「チューするけど、内緒……だよ」
「お姉ちゃんと?」
「そう、目、閉じててね」
 美由は黙って、目を閉じた。真由は美由の上に跨って、唇を近づけた。まず、重ねて、それから舌を割って入れた。美由の舌と絡めて、唾液を交換する。
「うんっ……んんんっ……ちゅ、くちゅ……んんっ」
 舌を絡み合わせて、何度も唾液を吸い取った。真由は夢中になって、キスに集中した。その先の好奇心もある。真由は美由の服を脱がし始めた。
「お姉ちゃん……」
「静かに。誰にも内緒なんだから」
 美由はブラジャーをつけている。それを取り除いて、胸に手を置いた。小さいが、ふくらみは確認できる。
 真由も上半身をさらけ出した。
「美由、触ってごらん」
「触るって……でも」
「いいから、こうやって」
 真由は美由の手を掴んで、自分の胸に押し当てた。
「あぅ、もっと揉んで……乳首も」
「お、お姉ちゃん、私、何だか変な感じになってきたよ……」
 真由は美由の乳首をつまんで、優しくいじった。体を倒して、キスをする。お互い胸を触りながら、唇や舌を舐めあった。
 真由は体を捻って、美由と横に向かい合った。美由の乳首は敏感に反応している。何度もいじって、ピンと立っていた。
「美由、ジッとしててね」
 真由は左手で美由の下着に手を当てた。指を押し込むように動かす。軟らかい感触が伝わってきた。
「あっ、お、お姉ちゃ……んんっ、ちゅっ……」
 真由は美由の唇をキスで塞いで、美由の下着を下げた。指でクリトリスを執拗に刺激した。美由が弱弱しい吐息を漏らす。
「……美由、どう? 気持ちいいって思う?」
「分かんないよ。すごく恥ずかしいよぉ……」
 美由の目に涙が溜まってきた。ひどく体が暑くなってきている。
「私、こういうところもキスしてみたかった。美由、動かないでね」
 指でクリトリスをいじりながら、真由は美由の首筋に舌を這わせた。
「んっ、ああっんっ……」
 美由は恥ずかしそうに声をあげる。真由は耳元にキスを繰り返した。指を美由の中へと侵入させる。表面をなぞるように優しく動かす。
「お姉ちゃん……! やっ、痛いよ……」
「あっ、ごめん。美由も私のところに触ってごらん」
 真由は美由の手を誘導して、自分の股間に移動させた。指でクリトリスを掴ませた。真由はそっと美由の頭を抱き寄せて、乳首にキスをさせた。
「あっ……美由、吸ってみて。強くしてもいいから」
「うん……ちゅっ……んん……」
 美由は吸い付くように真由の乳首にキスをした。真由の体が痙攣したようにはねた。
「きゃあうぅ……すごい……すごく気持ちいいよ。もっと強くして」
 真由は体に力を入れて、指の動きを早めた。
「あっ、あん……お姉ちゃん。な、何か変な感じ……」
 美由は口元に力を入れた。真由の乳首を強く吸い上げた。舌で先端を撫でる。
「ひゃ……すごく気持ち……いい。あぅ、体が……」
 真由は体を震わせて、指を止めた。美由にキスをしてから、体を起こした。美由の衣類をすべて取り除く。自分の衣類もすべて取り除いた。
「美由、今度はお姉ちゃんのここを舐めるんだよ」
 真由は性器に手を当てて、足を開いた。美由が恥ずかしそうに見る。
「そんなところ……嫌だよ」
「綺麗にしてるから大丈夫だよ。すごく気持ちいいから。ね」
 真由は強引にシックスナインの体勢に入った。美由の足を開いて、股に顔を近づける。クリトリスに舌を当てた。
「きゃ、お姉ちゃん、そんなところ舐めちゃダメ……」
「美由もやって。私も気持ちよくなりたいんだよ」
「……」
 美由は舌で真由のクリトリスを舐めた。唇でキスをする。
「うぅ、すご……気持ちいいよ……」
 真由も唇で押さえるようにして、愛撫した。指で押し広げて、中に舌を入れた。
「んん……や、やだ、お姉ちゃん。こんなこと……」
 真由の舌が内部まで入り込んでいく。美由も真似るように舌を入れた。真由の中は比較的開拓されていた。
「あ、あうぅ……いっちゃう、我慢できないよ……」
 体全体に快感が走り抜けていく。熱いものが込み上げてきた。
「ああ、もうダメ、イク……あああっ!」
 真由は体を震わせた。美由は顔にかかった体液を拭った。呼吸を整える。
「内緒だからね……約束だよ」

「やあ、あんた元気になったんかいな」
 祖母の友人が家を訪れていた。一階で向かい合って話をしていた。
「あんたの孫、一番上の子は高校生になったんやろ。早いもんやな。うちはもう大学受験や。必死に勉強しとる」
「ワシはもう七十三やからな。いつぽっくりいくか分かりやしません。正直、出来ることなんて長生きして、お金を残すことぐらいじゃ」
「そりゃあかんわ。何か楽しみ見つけんと」
「もう歳やからのぉ」
 真由の祖母はお茶を飲んだ。

 母は電話をしていた。
「それで、おばあちゃんの具合は?」
「すっかり元気になって、木下さんには迷惑をかけてしまいましたね」
 母は笑顔で言った。
「いいのよ、そんなの。それはそうと、今度、研修に来る子、あんた、預かるやろ」
「そっか、もうそんな時期なんですね。研修生の担当は大変だと先輩から聞いているんですけど」
「そうなんよ。あれ、時間外手当出ないしね。しかも、最近の若いもんは仕事中に平気で携帯電話。もうほんまに怒鳴りたくなるねんよ」
「大変そうですね、ほんとに」
「まあ、頑張って。携帯電話なんかしよったらひっぱたいてやったらいいのよ。それぐりあの意気でね」
 母は苦笑した。

   九

 翌日、日曜日。真由は午前四時に目を覚ました。
「あん……ダメ……早くエッチしたいよ」
 不埒な夢を見て、真由は興奮していた。アソコを下着の上から触れた。上を脱いで、乳首をつまんだ。
「はぅ……気持ちいい……でも我慢しなきゃ」
 真由は着替えて外に出た。朝の四時で、かなり薄暗い。それでも、ランニングをしている人や犬の散歩をしている人がたくさんいた。
 真由はボーっと歩いて、公園にやってきた。
「まだ五時にもなってないのか……」
 真由はベンチに座って、もたれた。絶妙なもたれ具合だったので、眠くなってきた。公園にあった時計を見つめる。四時四十五分を示していた。それを見ているうちに目を閉じた。

 某家の朝。五十代ほどの女性が寝室に入ってきて、カーテンを開けた。かなり太った男がすごい姿勢で寝ていた。
「あなた、早朝のランニングは?」
「眠いからいいよ」
「お医者さんに約束したんでしょ。毎朝、四時に起きて、走るって」
「まだ三時でしょ」
「何言ってるの、もう五時ですよ。はい、水を飲んで、一時間頑張っておいで。メタボリックシンドロームだって甘えてたら、全然体重が落ちないわよ」
「う〜……」
「ほら、目指せ体重二桁って、こんなに公言してるのよ、あなたは」
「また明日からでいいよ」
「そんなことだから出来ないのよ。ほら、行け、ブタ!」
 妻が尻を蹴って、たたき起こした。
「いったいなぁ、もう……」
「ほら、さっさと言った。そうじゃないと今日から、野菜と豆しか食べさせませんよ」
 渋々、男はランニングに出かけていった。

 家を出て、グルリと回って、へばってきた。
「ふー、疲れた。もう何キロ走っただろうな」
「まだ二十メートルですよ」
 家の窓から妻が顔を覗かせた。
「二十メートルも走ったら十分だよ、もう」男はへばって死にそうになっている。
「ここから公園まで走っておいで。そしたら一キロになるわ」
「勘弁してよ、もう」
 男は体を丸めたまま、公園まで走ってきた。
「あーあ、時給二千円ならやる気出るんだけどなぁ」
 男は公園を歩き始めた。時間が早く誰もいない。軽く冷え込んでいる。
「おや、人がいる」
 男は目が悪かったので、近くまで行って目を凝らした。少女がベンチにもたれて眠っていた。Tシャツとスカート、その上に上着を羽織っている。
「ほえぇ……女の子だ……」
 男はあたりを見渡した。空はだいぶ開け始めているが人はいなかった。男は何度も観察してから、少女の隣に座った。少しずつ接近する。肩が触れ合った。
 男は再三《さいさん》周囲を気にした。誰もいないことを何度も確認してから、少女の髪に触れた。少女は目を覚まさない。
 男は顔を近づけて、少女の首筋にキスをした。震える手で少女の頬に触れる。唇を耳元まで持ってきた。少女は起きないし、誰も来なかった。
 男は少女を引き寄せて、唇を重ねた。両手で少女の肩を支える。小さくてか弱い肩だった。男は右手で少女の手を掴んで、自分の股間に持っていった。ズボンの上からペニスを握らせた。
 少女の唇を割って、舌を入れた。舌で唾液を奪っていく。遠くで犬の声がした。男はすぐに知らん振りをした。周囲を確認して、誰もいないことを確認して、もう一度少女を抱き寄せた。Tシャツの上から胸に触れた。キスを繰り返す。
 不意にザッザッと誰かが走ってくる音がした。
 男は慌てて、少女から離れて、口笛を吹いた。
「ピーヒョロ、ピーヒョロ」
 中年の男が道を駆け抜けていく。それを確認して、男は少女を抱え上げた。あたりを見つめて、林を見つける。
 男はその中に入っていった。木の前に少女を置いた。木にもたれかかるように座らせた。念のため周囲を確かめる。
 男は少女の上着を脱がせて、スカートに中に手を入れた。少女のアソコに触れる。左手で少女の肩を寄せて、キスをした。どこかで猫が鳴く。

 真由は体に圧迫感を覚えて、目を覚ました。
「え、あれ?」
 男がTシャツをたくし上げて、胸に触れてきた。何が起こっているのか分からない。真由は男の顔を見た。目が合う。
 男は必死に声を出すなと小さな声で言った。真由は顔を赤くして俯いた。男は自分の上に真由を座らせた。位置をずらして、真由の頭を自分の膝の上に置いた。
 真由の口に左手の指を三本押し込んだ。
「……ん……ちゅ」
 右手で真由の下着をずらした。
「声だめ。だめ、いいね」
 真由は目を半開きにして、男の指に舌をからめた。男の指がクリトリスを撫で回した。人の気配は無い。軽く吹いてくる風が涼しかった。
 男は中指で真由の中を攻めた。激しく、緻密に手を動かす。
「ん……あっ、んん……」
 真由の中がだいぶ濡れてきた。男は「よし」と言って、自分のペニスを取り出した。完全に勃起している。
 真由は一瞬、ギョッとした。男は真由の体の位置を強引に変えた。真由の頭を押さえて、ペニスの先端を真由の唇に重ねた。男は強引に真由の頭を引き寄せた。ペニスが口の中に入っていく。ぬるっとした感触の後、一気に奥まで入った。
「……ん……ちゅ……んん……」
 男は真由の頭を押さえたまま、フェラをさせた。余った右手で真由の体に触れた。やがて真由のアソコに達して、内部をいじった。
 男は「う〜」と唸りながら、体を倒した。69の体位になる。
 真由の股を開いて、頭を差し込んだ。真由のアソコに唇をくっつけた。舌を伸ばして、引掻くように中を舐めた。
「んん、くちゅ……ちゅ……ん、ちゅ……」
 真由は目を開けて、男のペニスを見つめた。熱さもにおいも口の中で感じた。男は懸命に中を舐めていた。下着を大きくずらして、唇と舌の両方で舐めた。
 不意に男が体を離した。真由の唇からペニスが抜ける。男は素早く動いて、真由に跨った。真由はほとんど抵抗しなかった。ペニスを入り口にあてがわれると、手で口元を押さえた。男はペニスを強引に押し込んできた。
「んぐ……んん……あっ……」
 男は奥まで入って、「ふう」と息を吐いた。真由の胸を両手で掴んだ。親指と人差し指で乳首を刺激しながら腰を動かした。クチュクチュと体液がはじける。
 真由は力を抜いて、声を出さないようにしていた。男は何度か動いているうちに息を切らしてきた。状態を落として、真由の唇を奪う。鼻息が荒くなっていた。
 真由の中でペニスは動き続けた。先端が奥に当たってくる。男はいきそうになって、ペニスを抜いた。
 真由の体を持ち上げて、立たせた。男は木にもたれて座った。
「上に座れ」
 と男が言ってきたので、真由は向かい合って座ろうとした。
「後ろ向きじゃ」
 男は後ろ向きに真由を座らせて、ペニスを中に押し込んだ。一気に奥まで届く。Gスポットが擦れて、真由は何度も声をもらした。
「あ、あん……ああんっ……はっ……んんん……」
「それ、もっと。ほれ、ああああ……」
「や、イク……んん……あっ、ダメ……んああっ……」
 男の動きが速くなる。真由は足を広げて、ペニスを奥まで導いた。閉じそうになる目を必死に開いた。
「あう……あん……」
 男は真由のことは気にせず、ピストンを繰り返した。絶頂に達して、真由の中で射精した。ペニスを抜くと、真由の下着を取って、ポケットに詰めた。
 男は真由を押し倒して、足を広げた。正常位でペニスを押し込んだ。中で動いているうちにまた大きくなってきた。真由の中を抉っていく。動くたびに精子があふれ出てきた。
「うぅ……ああん……んあんん……」
 男は真由に覆いかぶさって、動きを速くした。真由の中で二度目の射精をした。男はペニスを仕舞って、真由を抱き寄せた。何度もディープキスをして、胸を撫で回してから、何事もなかったかのように去っていった。
Posted by K5 ◆Gy/l3.HlSE at 2010年09月12日 23:56
 真由は新しい服に着替えていた。ベッドにうつ伏せに転がって、携帯電話で電話をしていた。佳織から電話がかかってきていた。
「へー、そりゃ災難だったわね。だいたいそんな時間に公園で寝るのが非常識よ」
「すっごく怖かったんだよ」
「今度から気をつけなさいよ。タダでやらせるなんて馬鹿馬鹿しいし、妊娠でもしたら中絶とかしなきゃいけないのよ」
「うん、気をつける」
「で、どうすんの? 今日、一時からだけどさ。今日は止めとく?」
「ううん、行く」
「そう、なら一時にね」
 電話が切れた。真由は寝返りを打って、胸を押さえた。今朝のことを思い出すだけで、体が興奮した。
「真由、ご飯よ。早く下りてらっしゃい」
 母の声が下で響いた。部屋を出ると、美由と鉢合わせした。美由は無言で階段を下りていった。真由は階段の下をしばらく見つめていた。
「真由、ずいぶん早く起きて出かけてたみたいだけど、どこに行ってたの?」
 朝食のときに母が尋ねた。
「ちょっと散歩に……」
「早起きは三文の特だけど、ちゃんと寝なきゃダメよ」
「うん」
「さあて、今日は日曜日だし、競馬に行って来るかな」
 父は五分で食べて、伸びをした。
「あんまり摩《す》ってきちゃダメよ」母が注意した。

 朝食の後、真由は部屋に戻った。戻ると同時に佳織から電話がかかってきた。
「はい、もしもし」
「あんた、今、暇?」
「うん、暇だけど」
「じゃあ、ちょうどいいわ。早めに出てきてくれる?」
「うん、今すぐ?」
「頼むわ。駅でね」
 電話が切れる。真由は仕度をして、家を出た。家の近くにある駅はすでに混んでいた。ベンチのあたりで佳織が手を振っている。
「あんた、地味な格好してるのね」
 佳織はかなり露出度の高い服を着ていた。その上に上着を着ている。
「家、お母さんもお父さんもいるから。着替えは持ってきてるよ」
「なら、早く着替えなさいよ」
 佳織に言われて、真由はトイレで着替えた。下着も含めて、衣服を取り除く。佳織に選んでもらった黒の下着をつけた。
「……変じゃないかな……」
 上にワンピースをつけた。軽く透けていて、下着が見えた。丈も膝上二十センチほどだった。
「……寒いから」
 真由はその上に上着を羽織った。
「変じゃない?」真由はトイレを出て、佳織のところに戻った。
「そうね……まあ、いいんじゃないの。真由じゃ、これが限界よ。こっち」
 真由は切符を買って、佳織に続いた。電車に乗る。席が余るほど空いていた。
「どこに行くの?」
「いいところ。だいたい何をするのかは分かるでしょ?」
「……」真由は目を逸らした。
「私……その、浩二さん以外とはしたくないな……」
「え? 誰それ。彼氏でも出来たわけ?」
 真由はコクリと頷いた。正式に付き合っているわけではない。浩二に対して、強い好意を持っているのは本当だった。
「それじゃ、この仕事は出来ないじゃないの。友子にあんたが来ること伝えてんのよ」
「い、行くよ。気が進まないだけだから」
「ところで、その彼氏って誰? 同級生の奴?」
「え? 違うよ。浩二さん、五十四歳だし」
「はあ、そういうことね……なるほど、確かにそういうことはよくあるわね。でも、真由、本気で付き合ったりしちゃダメよ。そんなの、一時期の気の迷いなんだからさ」
 佳織は忠告するように言った。
「違うよ。迷いじゃなくて、私は本気で……」
「だからそれが迷いなのよ。私も経験が浅いうちは陥ったから、分かるのよ。それは単に性欲に流されてるだけよ。体だけの付き合いになさいよ」
「そんなことないよ。浩二さんは優しいし、素敵だよ」
「まあいいわ、そのうち気付いてくるわよ。だから、妊娠だけはさせちゃダメよ。社会的にまずいんだから、そういうのは」
 電車が駅についた。佳織が席を立つ。
「ここで降りるわよ」

   二

 やってきたのは古臭いビルだった。佳織はそのビルを上っていった。五階の廊下に友子がもたれかかっていた。
「友子、連れてきたわよ」
「ご苦労さん」と友子は言って、ピルを一錠渡してきた。
「それで、真由には何人ぐらい申し出があったの?」
「ビックリ。二十八人よ」
「え、そんなに?」佳織は愕然とした。真由は何のことか分からず、首をかしげていた。
「そう、専属にしたいって奴だけで六人もいるのよね」
「月五十万としても三百万ってことじゃない」
「そういうこと。真由だったら客引きにもなるしね」
「なるほどね」
「あの、何のこと?」真由が尋ねる。
「ここはね、定期的に体のお付き合いをしたいっていう人たちが集まるところよ。真由とエッチしたい男の人が二十八人もいるのよ。どう、全員とする?」
「……そんなに?」
 真由は恥ずかしそうに言った。
「二十八人も相手にしたら、真由が死んじゃうわよ。真由の場合、経験が浅いし、一日に三人が限度じゃないの。もうすでに、一人と経験してるみたいだし」
「あら、彼氏でも出来たの?」友子が尋ねてきた。
「強姦よ。公園で犯されたんだって。そうよね、真由」
 真由はコクリと頷いた。
「そう、でもタダで体を上げるなんてあんまりしないほうがいいわよ。本当に好きな人以外はね」
「だって……怖かったから」
「これからは気をつけなさい。あなたは大切な人材なんだから」
「で、私のパートナーは来てるの?」佳織は壁にもたれて尋ねた。
「来てるわよ。ただし、旧型のほうね」
「まさか猫巻《ねこまき》じゃないでしょうね……?」
 友子はクスクスと笑いながら、
「そのまさか。あんたの初体験の相手よ。今年、六十歳になったんですって。あんた本気で好きになってたものね」
「言わないで……あいつのことは。で、何でそいつが今になって出てくるのよ」
「別れたんでしょ」
「現金な奴ね……」
 真由は話について行けなかった。
「真由、どうする? 何人ぐらいとお付き合いしたいの?」
 友子が尋ねてきた。真由は俯いて、
「私はやっぱり遠慮する」
「あー、真由も私と同じ状態なのよ」と佳織が言った。
「それなら早く言いなさいよ。真由、誰を好きになったの?」
「……浩二さん……」真由は小さな声で言った。
「あんた知ってるの?」佳織が友子のほうに目を移した。
「浩二……ああ、堂本浩二。やり手のビジネスマンよ。年収は七千万以上って話よ」
「へえ、すごいじゃないの、真由。それだったら、ずいぶんお金を取れるじゃないの」
「私、お金とかじゃなくて……」
 真由が口ごもる。友子はクスクスと笑った。
「体のほうが好きになっちゃったのね。でも、金持ちなだけ佳織よりはマシよね」
「もうその話はやめてよ」
「そう、じゃあ、無理にとは言わないわ。いい考えがあるわ。その人を専属にしなさいよ。私が話を持ちかけておいてあげるわ」

 佳織はある部屋に入った。ベッドとシャワー室がついている。かなり薄暗い部屋だった。上着を脱ぐ。競馬中継の音が奥から聞こえてきた。
 佳織は目を細めた。ゆっくりと奥の部屋に行く。明かりをつけた。ベッドの上にさび付いたような男がうつ伏せになっていた。
「大手の予想通りマルノウチオーが一着、ヘタレオーはビリ。これで、三十レース連続ビリの記録達成ということになります」ラジオから中継が漏れていた。
「あーあ、また負けちゃった。勝てば二百倍の大穴だったのに」
 男は馬券を破り捨てて、ベッドに蹲《うずくま》った。
「また懲りずにやってるのね」
 佳織は壁にもたれかかった。男が寝返りを打って、佳織のほうを見た。顔がしわだらけになっていた。
「やあ、佳織ちゃん、待ってたんだ。佳織ちゃんならタダで慰めてくれると思ってね」
「例の女とは? 別れたの?」
「ああ……」
「次のレースは……」男はラジオを切った。
「行っとくけど、あんたにタダでやらせる気はないわよ。私とやりたかったら百万ぐらいは用意しなさい」
「はは、きついな、佳織ちゃんは。今、借金七百万を背負ってるんだけどな」
「あんた、馬鹿でしょ。真面目に生きる気あるの? お金がないなら論外よ。帰るわよ」
「待ってよ。佳織ちゃん、借金を少し肩代わりしてくれないかな」
「はあ? あんた、相当な馬鹿ね」
「タダとは言わないよ。これ、あげるから。佳織ちゃんと最後に会った日よりもっとすごくなったんだ。名器中の名器だと自信を持ってるよ」
 男は仰向けになって、ズボンの間からペニスを取り出した。三十五センチまで勃起していた。
「……」佳織は思わず、男のペニスに目を移した。
「どう? ほしいでしょ。お金を出しても手に入らないと思うよ」
「……悪いけど、今の私にそんなもん見せても意味ないわよ」
 佳織は目を逸らした。体が熱くなってくる。理性で抑えようと思っても、抑えられなかった。
「本当かなぁ?」男はニヤニヤと笑った。モノを出したまま、立ち上がって、ゆっくり佳織に近づいた。モノは屹立《きつりつ》している。かなり太く長かった。
「近づかないでくれる。帰るから」
 佳織は帰ろうとしたが、自然と足が止まった。目が男のモノに吸い寄せられてしまう。
「どう、進化してるでしょ。一年ぶりだよね。その間に色々な男と付き合ってきたんでしょ。どう、これよりすごいのはあった?」
 男は自分のモノを握って、佳織のスカートの下に忍ばせた。佳織を壁に押し付ける。ペニスの先端が下着を押した。
「ちょっと、止めなさいよ……」
「分かったよ。じゃあ、ベッドで待ってる。ほしいなら、来て。帰るなら帰っていいよ。でも、佳織ちゃんを満足させる自信はあるよ。一年間ぬるま湯みたいな男と付き合ってきて、体は欲求不満じゃないのかな」
 男はベッドに転がった。佳織は下着の上から自分の性器に触れた。もう濡れ始めている。性欲を抑えることが出来なかった。
 佳織はベッドに腰を下ろした。
「……いくらいるのよ」
「言った通り、七百万だよ」
「分かったわよ。出してあげればいいんでしょ」
 佳織は男の隣に寝転んだ。男はニヤニヤと笑い出した。
「生活費もないんだ。最近、ろくに食べてないし、出来れば、一千万ぐらいあると嬉しいんだけど」
「分かったわよ。払うわよ。払うから……」
 佳織は顔を赤くした男の手が佳織の首筋をなぞった。
「払うから、なんだい?」
「だから……早く犯しなさいよ」
「お金を払ってまでブスに犯してほしいなんて、佳織ちゃんはマゾだよね。じゃ、犯してあげるよ。たったの一千万で犯してやるんだから、感謝するんだよ」
 男は佳織の上に跨った。上着を取り除いて、直接乳房に触れた。顔を落として、佳織の唇を奪う。
「ん……ちゅっ……んんん」
「佳織ちゃん、前より胸が大きくなったよね。高校生にもなると、エロさが増すんだね」
「あ……あん、ちょっと、力強すぎよ」
 男は上の服を脱いで、佳織に覆いかぶさった。体を捻って、横で向かい合う。佳織を引き寄せて、胸を重ねた。
「こうやって乳首を擦り合わせると佳織はすぐ反応するんだよね」
「ん……や……あん……」
 男は佳織の手を取って、自分のペニスを握らせた。手を上下させる。
「どう?」
「すご……大きくて、硬くて……」
 佳織は上下に手を動かした。自分の股にペニスの先端を押し付けた。
「あ……あん……これ、いいわ」
 男は佳織の唇を奪って、胸を押しつぶすように体を密着させた。佳織のスカートを取り除いて、下着に手をかけた。
「ふ……んんん……ちゅ……くちゅ」
 佳織は手の動きを早めた。ペニスは一段と大きく硬くなった。男は下着をずらして、佳織の性器にペニスをあてがった。
 佳織はペニスを中に押し入れようとしたが、男はそれを阻止して、ペニスを擦り合わせた。佳織の中から体液がたくさん出てくる。
「や……あん……いい、気持ちいい……あんっ……」
 男は焦らすように何度も擦りつけた。佳織の中はどんどん濡れていく。
「はや……早く入れなさいよ……我慢できないのよ」
「そんなにほしいのかい」男は先端を佳織にあてがって、広げるようにこすり付けた。
「ああん……もうダメ、お願いよ……奥まで入れて……や、あんっ……」
「一千万なら、先っちょだけだな。一センチにつき、百万だな」
「何よそれ……やあっ……ん……あん」
 男は先端で佳織の中の入り口を擦り続けた。体液がペニスを伝っていく。入り口はかなり熱くなっていた。
「じゃあ、これでおしまいだよ」
「わ、分かったわよ。お金ならいくらでもあげるわよ。だから、早く入れて」
「じゃあ、佳織ちゃんは僕のペットだよ。何でも言うことを聞くんだよ」
「分かったから、早くちょうだい。お願い」
 佳織は禁断症状に近い状態になっていた。男がニヤリと笑う。ペニスを押し込んでいった。中は非常に濡れていて、奥まで楽に入った。
「きゃっ……これ、すごいわ……あん、ひゃっんん……あんっ」
 男は体を捻って、佳織の上になった。ペニスをさらに奥に押し込んでいく。
「やん……あっ、こんなすごいのはじめてよ……ねえ、もっと動いて、奥をもっと擦って」
 男は奥まで入って動きを止めた。佳織は足を開いて、ペニスを奥まで導いた。
「とりあえず、ここまでだ。これから先もやりたい? 中をたくさん抉《えぐ》ってほしい?」
「したい……お願い、苦しいの。早くあんたに奥までやってほしいのよ……」
「それじゃあ、金輪際下着をつけないと約束出来るかい? 嫌いなんだよね。脱がすのめんどくさいし」
「分かったわよ。分かったから」
「じゃあ、三十回だけ」
 男は腰を巧みに使って、ペニスを動かした。液が擦れて、クチュクチュと音がした。
「ん……あん……すご……本当にすごいわ……こんな気持ちいいことなんて、他に……」
「二十九、三十、はいおしまい」
「そんな……お願い、早く、早く動かしてよ。頭がおかしくなっちゃいそうなのよ。ねえ、お願いだから!」
「しょうがないな。じゃあ、僕の命令には絶対服従。分かった?」
「分かったわよ、私を……私の全部を奪って、早く!」
 男は佳織のウエストを掴んで、激しく動き始めた。太いペニスが動いて、中が広げられていく。
「ん……あん……これ、ほんとにすごい……こんなのはじめて……んあっ……んん」
「しばらくやってないうちにずいぶんナマクラになっちまってるな、佳織ちゃんのここは」
 男は激しく動き続けた。
「あん……もうダメ、いっちゃう……あんっ……」
 男は突然動きを止めて、ペニスを引き抜いた。
「え……ちょっと、何でこんなところでやめるのよ」
 男は手を伸ばして、くすぐるように佳織の中をいじった。水の中のように中は濡れている。二本の指が器用に動いた。
「や……あん、やめなさいよ。指なんかでいかされたくない」
「うーん、これでいかしてあげるのはもったいないな」
 男はペニスを佳織にあてがって、グリグリと動かした。中から体液がとめどなくわきでてくる。
「お願いよ……それでいかせて。お金ならいくらでもあげるわよ。あんたの言いなりになってあげるから」
 佳織は懇願した。目に涙が浮かぶ。
「しょうがないな。そこまで言うのなら、これを入れてあげるよ」
 男は佳織に四つん這いになるように指示した。男は突き出された佳織のお尻にペニスを近づけた。中に一気に押し込む。
「ほらよ、本当の快感というものを覚えておきな」
 男は激しく腰を動かした。
「んん……あっ……すご……あんあん……んん……イク……」
 佳織は足を広げて、お尻を突き上げた。ペニスが極限にまで奥に入った。
 ――何なの、何でこんなに気持ちいいの……。こんなのにいかされたら、私、おかしくなっちゃうわよ。
 男は佳織の中で射精した。たくさんの精子が子宮に注がれる。
「はっ……」
 佳織は虚ろな目になって、快感を噛み締めた。男がペニスを抜く。多量の精子がこぼれた。佳織は蹲ったまま、快感を覚え続けていた。
 男は隣に座って、ニヤニヤと笑った。
「どう、佳織ちゃん。俺を見直しただろ」
「……こんなのされて、あんたから離れられるわけないじゃないの。責任取りなさいよ」
 男は佳織を引き寄せて、抱きしめた。激しく唇を重ねた。佳織のほうから、舌を入れてくる。
「僕の召使になっていたら、またしてあげるさ」
 佳織は身を乗り出して、男を押し倒した。激しく唇を求めた。
「……ちゅ……今度は絶対に捨てないでよね……ん、んん……くちゅ」
「それは僕の決めることだ。佳織ちゃんは僕の命令を聞いていればいいんだよ」
 男は手をまわして、佳織を抱きしめた。
「分かったわよ……なら、もう一度入れてよ。あんたがほしくてたまらないのよ」
 男はニヤニヤ笑いながら、
「ダメだ。今日はここまでだな。舌が肥えてもらっちゃ困るんだ。佳織ちゃんは僕のためにお金を稼いでもらわないと困るからね」

   三

 真由はベッドの上にボーっと座っていた。ワンピースを脱いで、下着姿になる。黒の下着は露出度がかなり高い。
「浩二さん、ちゃんと興奮しえくれるかな……私、胸、小さいから」
 真由はブラジャーの上から胸に触れた。優しく包み込むように揉む。ドアのほうに反応があった。浩二は急いで駆けつけてきた。息が上がっている。
「真由ちゃん、会いたかったよ」
 浩二は荷物を置いて、ベッドに腰掛けた。
「あ……私も……」真由は恥ずかしそうに俯いた。
「真由ちゃんに毎日会いたいんだけど、忙しくてね。真由ちゃんのためにもう退職しようと思うんだけどね、ビジネス雑誌の仕事やら、書籍の仕事もあってね」
「ごめんなさい。忙しいところだったんですか?」
「なーに、問題はないさ。仕事より真由ちゃんが大事だからね」
 浩二は真由の両肩を掴んだ。
「真由ちゃん、その下着、可愛いね」
「そ、そうかな。あまり自信なかったんだけど」
 浩二は真由を引き寄せた。左手で真由の頭を支えて、唇を奪った。右手で下着の上から真由のアソコに触れた。
「ん……ちゅ……んん」
 男は指を巧みに動かした。すぐに真由の中は濡れてきた。
 真由は舌を動かして、浩二の唾液を求めた。恐る恐る手を動かして、浩二のモノをズボンの上から掴んだ。
「おっ、真由ちゃん、大胆になったね」
「だって……好きだから」
 真由はギュッと掴んだ。浩二の指の動きが速くなる。キスもさらに激しくなった。浩二は真由の下着をずらした。ブラジャーも取る。
「真由ちゃん、さっそくしようか」
「うん……気持ちよくしてね」
「ガッテン承知」
 浩二は服を脱いで裸になった。真由の下着を取って、裸で抱き合った。
「そうだ、真由ちゃん、今日は立ってしようか」
「え、立つの?」
 浩二は真由を抱きしめたまま、ベッドから起き上がった。壁に真由を押し付ける。真由の太ももを曲げて、ペニスをあてがった。
「……」
 真由は浩二のペニスを見つめていた。それが自分の中に入っていく。お腹に圧迫感と痛みを覚えた。
「大丈夫かい、真由ちゃん」
「うん、気持ちいいから……」
 浩二は奥まで入れて、腰を動かした。真由は両手で浩二にしがみついた。乳首が浩二の胸に触れるたびに勃起してくる。
「はっ……んあ……んん……あ……」
「エッチな音が聞こえるでしょ。真由ちゃんの中に入ってる音だよ」
「うん……あん……浩二さんのこと、好き。一番奥まで入ってきて」
 真由は浩二の首筋にキスをした。体を全部浩二に任せるように体の力を抜いた。体液が床にこぼれる。
「おう……真由ちゃん、おじさん、もういっちゃうよ」
「うん、中に……んっ……私も……いっちゃうかも……」
 浩二は中で射精した。そのまま後ろに尻餅をついた。真由が身を乗り出す。騎乗位の体勢になる。
「ん……あん……いっぱい出てる……」
 浩二は真由のウエストを掴んだ。真由は浩二の肩を掴んで、体を上下させた。クチャクチャクチャと音がはじけた。
「いったばかりだけど……真由ちゃんの中でまた大きくなっちゃった」
「んん……ひゃ……大きくなった……んん……」
 真由は体を沈めた。浩二の乳首にキスをする。浩二のペニスはもう大きくなていた。真由の中を抉り続ける。
「ああ、すごいよ、真由ちゃん。またいっちゃうよ」
「私も……一緒に……あっ……あぅ……」
 真由は腰の動きを速くした。体液や精子がこぼれ出てくる。
「ん……あ……んん……はっ……」
「うお!」
 浩二は射精した。真由も同時に達した。結合部から精子がたくさん出てきた。真由は浩二を抱きしめて、余韻を感じた。

「え、浩二さん、出張なの?」
 二人は行為の後、ベッドに横になった。
「そうなんだ。どうしても外せなくてね。二週間の間、会えないかもしれないんだ」
 浩二が言った。真由は身を寄せて、浩二の腕に抱きついた。
「二週間も我慢できないよ、私……」
「僕も我慢できないよ。あ、そうだ、土日には会えるかもしれない。出張先でも、土日は休みだからね。そのときに連絡するよ」
 浩二は真由の頭を撫でた。真由の表情は曇ったままだった。
 ――土日までだって、待てないよ。

   三

 夜、真由はベッドの上に転がって、アソコに手を触れた。浩二に五回もいかされたにも関わらず、むずむずして耐えられなかった。
「あぅ……ん……んんっ」
 アソコが濡れてきた。我慢することが出来ない。真由は携帯電話を取り上げて、浩二に電話を入れた。右手でクリトリスを刺激する。
「真由ちゃんかい? どうかしたのかい?」
「あの……今から会えませんか?」
 真由は苦しそうな声で言った。手の動きが止まらない。
「今からか……明日までに仕上げないといけない仕事があるんだけどな……」
「お願い、明日から会えなくなっちゃうし。エッチしてくれないと、私、変になっちゃいそうで……」
「分かった。じゃあ、車を出すから。近くまで出て来れる?」
「うん」
 真由は身だしなみを整えて、部屋に隠しておいた色っぽい服に着替えた。下着はつけなかった。こっそり家を出る。
 浩二は車を出してきていた。
「車の中でしようか」
 浩二は後ろを片付けて、座った。ペニスはもう硬くなっていた。真由はうつ伏せに座席に横になって、ペニスの先端を唇で啄《つい》ばんだ。それから根元近くまで口に含んだ。
「んん……んちゅ……ちゅ……」
 浩二は優しく真由の頭を撫でた。小さなライトが二人を照らしている。
「おっと、人だ」
 傍を人が通り抜ける。真由は気にせず、フェラを続けた。
「ちゅ……んん……ちゅぷ……」
 真由は自分の手で自分の中をいじっていた。
「真由ちゃん、そろそろ入れようか。上に乗ってくれるかな」
 浩二は真由を後ろ向けから抱きしめた。真由の足を開いて、ペニスを挿入した。一気に奥まで入る。
「んあっ……ああっ……あぅ……」
「入ったね。動いてごらん」
 浩二は真由の胸を両手で掴んだ。乳首をいじり続ける。ペニスは真由の中を抉り続けた。「気持ちいいかい?」
「うん……大きくて、擦れて……んあ……」
 真由は足を大きく開いて、動き続けた。浩二に乳首をいじられて、勃起した。
「はう……私、すごく幸せだよ……あん……もういっちゃう」
「僕もだよ」
 真由の中で精子が飛び出す。真由は目を閉じて、精子を感じた。ほぼ同時に絶頂に達していた。
 真由は浩二から離れて、裸になった。座席に転がって、アソコを指で開いた。
「もう一回入れて。お願い」
「よし」
 浩二は正常位で、真由の中に入った。
「んん……浩二さんの……すごくいい……感じる……あ……ああんっ……」
 浩二は真由の上にかぶさった。中に思い切り射精をした。

   四

 翌日、月曜日は新しい週の始まりだった。父、真由、美由、母の順に家を出る。
「それじゃあ、おばあちゃん、行ってきますので、何かあったら携帯電話にかけてきてくださいね。番号はここに書いておきますから」
「ウム、いってらっしゃい」
 祖母はテーブルの前でお茶を飲んでいた。

 真由は学校についた。短いスカートを穿いてきたので、一瞬目立った。真由は気にせず、席についた。佳織がやってきて、空いていた前の席に座った。
「あんたもずいぶん色っぽくなったわね」
「おはよう、佳織ちゃん」
 真由は元気がなかった。
「元気ないわね。どうかした?」
「うん、しばらく会えないから」
「ほどほどにしておきなさいよ。私も言えた柄じゃないんだけどね。はあ」
 佳織は溜息をついた。担任が入ってきて、ホームルームが始まった。
「今日から班ごとに発表会の準備をしてもらう。テーマは食糧問題についてだ。放課後を利用して準備をするように。再来週が発表だ」
 ホームルームが終わる。真由はほとんど何も聞いていなかった。ホームルームが終わると、トイレに駆け込んだ。スカートの中に手を入れる。もうすでに濡れていた。
「ダメ……我慢できない……誰かとエッチしないと……でも、誰と?」
 真由は自慰行為を始めた。クリトリスをいじりながら、中に指を忍ばせる。絶頂が近くなったところで、チャイムが鳴った。
「あ、あぅ……いいところなのに……」
 液が下着を抜けて、床に落ちていた。真由はそのまま、教室に戻った。
「三つの文字が出てきた場合、どれか一文字に着目して、式を整理します。はい、これで、共通因数が出てきましたね……」
 授業中、真由は周囲に目を走らせた。背後の生徒からは見えない。けれど、斜め後ろの席からは見える。先ほどの続くをしたかったが、出来なかった。
 ――こんなの拷問……。ダメ、もう我慢できない。
 真由は左手をスカートの中に忍ばせた。人差し指で下着の上からアソコをいじり始めた。
 ――あっ……。
 体液がはじける音が聞こえた。指を止める。
 ――あぅ……いいところだったのに……。
「えー、それでは四月なので、4×2の八番。斉藤さん、問二を黒板でお願いします」
「えっ、私?」
「はい、黒板にお願いします」
 真由はゆっくり立ち上がった。かなり足がふらつく。歩くと、体液がかなりの量、太ももを伝っていくのが分かった。
 ――ダメ……このままじゃ、ばれちゃう……。
「斉藤さん、早くお願いします」
「は、はい」
 真由はそそくさと前に出た。生徒の目が真由に集中した。膝上二十センチのスカートだから、男の目は絶対領域に目を釘付けにしていた。
「えっと……問二は……」
 全然分からなかった。
「斉藤さん、短いスカートですね。校則違反じゃないんですか?」
 教師が言った。真由は慌てて、足を閉じた。液体がとめどなく膝を伝っているのがわかった。
「すみません」
「先生に謝られても困りますけどね。高校生だからと言って、あんまり羽目を外してはいけませんよ。皆さんもそうです。あんまり羽目を外しすぎないようにしないといけませんよ」
 真由は何とか問題に答えて、席に戻った。

 休み時間、佳織がやってきた。佳織もスカートは短い。短い生徒はそれなりにいる。佳織はしゃがみ込んで、真由の太ももに触れた。
「やっぱりね。挙動不審だと思ったのよ。学校にいるときぐらいはそっちのことは忘れなさいよね」
「でも……我慢できなくなっちゃったから」
「まあ、私も同じようなもんだったんだけどね。来なさいよ」
 佳織は真由を誰もいない屋上前まで連れて行った。真由を立たせたまま、真由の下着をずらした。
「へえ……」
「あ、あの佳織ちゃん……」
 真由は顔を赤くした。佳織はスカートの中に顔を入れた。
「ちょっと、スカート持ってなさいよ」
 真由は自分のスカートを掴んだ。真由の舌がアソコに触れてきた。中に入ってくる。右手でクリトリスを掴んで、刺激を始めた。
「んっ……佳織ちゃん……ん……あっ」
 舌が中を押し広げていく。Gスポットを巧みに刺激した。
「あぅぅ……やっ……気持ちいい……あん……ダメ、いっちゃう、いっちゃうよ!」
 真由は佳織の頭を押さえた。絶頂に達する。
「あは……真由はすごく反応がいいのね」
 佳織は飛び出した液を全部舐め取った。ふらついて、真由は壁にもたれた。
「どう、すっきりしたでしょ」
「う、うん……」
 真由は震える足を懸命に押さえた。

   五

 某薬局。病院とドッキングした県立の薬局だった。
「よろしくお願いします」
 太めのメガネの男とサルみたいな男が頭を下げた。
「こちらこそ、お願いします。担当の斉藤でございます」
 彼らは薬学部の研修生だった。真由の母が頭を下げた。研修生を担当するのは今回が初めてだ。
 母は研修生を仕事場に案内した。
「斉藤さん、お願いします」
 母は紙を授かって、奥の棚に向かった。
「いいですか、この紙に書いてあるものを順に用意します。決して用意する薬剤を間違えないことと、日数をきちんと確認すること。ビタミン剤二週間分だったら、はい、ここからね」
「なるほど……」
 研修生は真面目だった。
「斉藤さん、次、お願いします」
「はい、それじゃ、実際にやってみて」
「はい、えーっと……エクスポーション五年分とピーピーエイダー三十八年分と……」
 研修生は真面目に働いた。休憩時間になる。
「斉藤さん、研修生の様子はどうですか?」
 女性がお茶を持って、休憩室に来た。母はお茶を受け取って、
「二人とも素直で、飲み込みも早いので、思った以上に楽でしたよ」
「そう、良かったわ。去年はね、仕事場で煙草を吸ったり、薬を勝手に持ち出したりしてね。大変だったのよ」
「それは大変ですね。今回は何事もなく終わると思いますよ」
 母はお茶をすすった。

 メガネの研修生(以下メガネ)とサルみたいな研修生(以下サル)は外に出て、ボーっと見つめていた。都会の景色が見える。
「なあ、サル」
「会話でもその呼び方を使うのか。分かったよ、メガネ。ところで何か用か?」
「いや、K大薬学って言ったら、名門中の名門だろ。偏差値も63だぜ。それなのによ、何の変哲もない、言っちゃ悪いが、S大薬学みたいな偏差値50以下の底辺薬学の奴らが就職するのと同じような場所に就職するのはさ、何か勉強しただけ損って感じじゃないか」
 メガネは遠くを見つめたばばボソリと言った。
「仕方ねえよ。研究室に入れるのは成績上位の奴だけさ。まさか、大学院に行く気はないだろ。卒業したら26だぞ」
「おう、でもよ、何か勉強しただけ報われるようなことはないかな」
「ないな。学歴なんてT大薬学じゃねえと、何の意味もないぜ。いいじゃないか、薬剤師は高給なんだから」
「いや、それは底辺薬学の奴も同じだろ。学歴は給料に反映されないんだぞ。一浪してでもT大薬学を目指すべきだったなと今思ってしまったよ」
「仕方ないさ。もう戻れないんだからよ」
「そうだな、でもよ、俺たち、勉強せずに底辺薬学に入っていても、同じところに立っているんだよな。勉強にあてた時間、遊びに当てられていたら、人生、いい方向に変わってたかもしれないな」
「逆に考えろよ。遊びに当てていたら、薬剤師試験に落第しているところだったと」
「無理やりすぎて思い込めないぜ」
「そろそろ休憩時間が終わりだ。戻ろう」
 メガネとサルは仕事に戻った。
Posted by K5 ◆Gy/l3.HlSE at 2010年09月12日 23:56
地味な作業を言い渡された。薬学の知識とか化学の知識を発揮するような仕事は何もない。メガネとサルは黙々と作業を続けた。
「なあ、メガネ」
 サルが何となくと言った感じに話しかけた。
「何だ?」とメガネ。
「こんな中学生でも出来ることをするために六年間も勉強したのかと思うと、馬鹿らしくなってこないか?」
「いいじゃないか。どうせ、給料は人並み以上もらえるんだから」
「つっても、最初は手取り20万が限度だぜ? 高卒の元気のいい奴なら30万ぐらい稼ぐぞ」
「世の中、そんなもんだろ」
「俺は納得出来ないぜ。せっかく六年間も勉強したんだ。それに見合った特権を手に入れてやる」
 サルは拳を握り締めた。
 研修が終わる。午後四時になっていた。
「今日はここまでです。また明日もお願いしますね」
 真由の母が礼をする。サルとメガネは頭を下げて、失礼しますと言った。
「今日はこれで終わりか。また明日も同じことをするんだろうな」
 ロッカールームでサルが溜息をついた。
「自然と溜息が出てしまうな」とメガネ。
「なあ、担当の斉藤さんって美人だよな」
 サルの視線が宙を泳いだ。
「ああ、そうかもな」
「俺、考えたんだ。口説き落としたら、明日から素晴らしい人生が待ってるんじゃないかってね」
「ふっ、自分を顔を鏡で見ようぜ。それにだいぶ歳いってるだろうから、結婚とかしてる可能性が高いぞ」
「結婚してても、俺がブサメンでもいいのさ。そんなこと、素晴らしき人生に関係はないのさ。童貞アンド彼女いない歴年齢のこの俺が進化する瞬間を。想像も出来ない勘当があるんだろうな」
 サルがニヤニヤと笑う。メガネは着替えて、伸びをした。
「強姦でもするのか? ばれたら就職はおろか退学だぞ」
「失敬なことを言うな。俺がそんなことするわけないだろ」
「俺たちみたいな女縁のないブサメンには無理だよ。俺たちはお金をためて、お見合いでもして相手を見つける他に子孫を残す方法はないんだ。だから、帰るぞ」
 メガネは荷物を持って、ロッカールームを出た。サルはベンチに座って、天井を見上げた。
「待てよ、案外行けるんじゃないか?」
 サルは職場に戻ってきた。真由の母はカウンターで来客に応じていた。しゃがむとカウンターで自分の姿は見えない。例えば、匍匐前進でもして、接近しても、客からは見えない。客の前で声は出せないから、何かうまい具合に行くかもしれない。
「ダメだ」とサルはつぶやいた。
 サルの横を別のものが通ったのだ。その人物にばれてしまったら、警察や大学に通報される。そうしたら、すべてが終わってしまう。
「しかし、あきらめきれない……待てよ。要はそれさえ注意を払えばいいんだ」
 サルは元気を取り戻した。薬の用意を完了してそれを持ってやってくるわけだ。その時間さえ注意すれば何とかなるかもしれない。かなり無理はあったが、サルは欲望を抑えることが出来なかった。
 ――当たって砕けろー!
 サルはしゃがんで、ゴキブリのように移動した。斉藤亜由と自己紹介していたのを思い出した。かなりの美人だ。その美人をものに出来るとしたら……そう考えると、理性は吹き飛んだ。
 サルは亜由の後ろに回った。周囲を確認する。ちょうど職員が後ろに引っ込んだところだった。
 サルはスカートの中に手を入れて、太ももに触れた。
 ――こ、これが女の子の……何ていいにおいなんだ。
 サルはスカートを軽くめくって、太ももに唇を重ねた。手探りでお尻に触れる。
「……」
 亜由はびくりと体を震わせた。けれど、今は接客時だ。
「そ、それではしばらくお待ちください」
「お願いします」
 と客はロビーのソファーに向かった。
「な、何をしてるんですか。辞めて下さい」
「いいじゃんいいじゃん、気にしない気にしない。声を出したら、お客さんに迷惑ですよ」
 サルはそう言って、太ももに舌を這わせた。
「ん……」
 目の前には患者がたくさんいる。抵抗することは出来なかった。別の患者がやってくる。たくさんのお年寄りが訪れるから、客が絶えることはない。
 サルは興奮気味に下着の上から触れてみた。
――お、おおっ、初めて触ったぞ。す、すげー。
下着の間に指を入れて、じかに触れた。亜由は平生を装った。振り返って、誰か来ないかを確認する。準備に時間がかかっているのか、やってくる気配はなかった。
「ダメよ。こんなこと見つかったら……」
「じゃあ、後で会ってもらえますか?」
「え?」
「僕、あなたのことが好きになりました。ぜひ、僕の童貞をプレゼントしたいと思います」
 サルは得意顔で言った。
「そんなこと……私、結婚してるんですよ」
「そんなこと、僕は気にしません。結婚してても問題ではないっすよ。一緒に愛し合いましょうよ」
 サルは下着をずらして、秘所を指で広げた。顔を近づけて、舌を這わせる。
「は……んん」
 亜由は歯を食いしばった。別の患者がやってくる。
「お願いします」
「は、はい、それではしばらくお待ちください」
 何とか応答する。サルの舌が深くまで入ってきて、起用に動いた。亜由の体が軽く震えた。
 ――す、すごく興奮してきた。今までは右手とオナホばっかりだったけど、本物は興奮度が全然違うぜ。
 サルは舌を動かし続けた。準備が完了したらしく職員が出てきた。
「やべ」
 サルは慌てて、亜由から離れた。コンタクトレンズを探すフリをする。亜由はようやく息をつくことが出来た。
 職員が去るのを待つしかない。サルは興奮を抑えて、我慢した。
 ――くそ、さっさと引っ込めよ。ブスが。
 興奮を抑えるのが難しい。サルは荒々しい息を漏らした。
 職員が引っ込むと、サルはすぐさま亜由の足にしがみついた。
 ――こんな興奮したのは初めてだぜ。これから何度も味わえるなら、マジで人生生きててよかったぜ。ウヒヒヒヒ。ウキー。
 スカートを巻くって、二つの穴を交互にまさぐった。舌を器用に動かす。
 ――んっ……ダメ、濡れちゃう……こんなことがみんなに知れたら……。
 主人も子供もいる。大変なことになる。亜由はかなり弱い立場にあった。
「ああ、ダメ……出ちゃう……」
 ドクドクと体液が溢れてくる。サルはそれを丁寧に舐め取っていく。Gスポットに何度も舌が触れてきた。
「ああっ……んあ……そんなところ」
 舌が器用に素早く。サルは指でクリトリスを刺激した。
 ――初めての体験。興奮が止まらねえ。
 客は絶えない。次から次へとやってくる。けれど、そのおかげで、職員が定期的にカウンターに出てきた。
「あぶねえあぶねえ。ねえ、亜由さん、ここでは限界がありますから、後でゆっくり愛し合いましょうよ」
「そんなダメよ」
「いいじゃないですか。社会的信用とかそういうの気にするでしょ、普通は」
 そう言われると、断ることが出来なかった。

   六

 真由の通っている高校では放課後になっていた。毎年、一年生は環境問題についての発表会をすることになっていた。五人ずつの班に分かれて、机をくっつけた。
 真由の班には口うるさいことで有名な女生徒とその友人計三名と良介がいた。良介とは移動教室のときに顔を合わせたことがある。
「でさー、私らは図書室で調べ物とかするからさー、そっちも調べ物しといてよー」
 女生徒とその友人はぺちゃくちゃ話しながら、教室を出て行った。
「……」
「……」
 真由と良介が残った。良介は緊張した様子で俯いている。教室内は騒がしい。真由は自分の太ももを見つめた。無言でいると、性感帯をいじりたくなる。出来れば、誰かにいじってもらいたかった。けれど、人がたくさんいて、そういう行為はできそうになかった。
「あの」と真由は顔を上げた。
「は、はい」
 良介がシャンとして顔を上げた。
「何する?」
「えっと、調べ物とか……でもまだ何調べるとかも決めてないんだよね。僕たちもその……図書室に行ったほうがいいかな」
「そうだね」
 二人は同時に立ち上がった。教室を出る。ほとんどフリーなので、発表会の準備と言いつつ、遊んでいるものがほとんどだ。廊下ではいくつも集団が出来て、ぺちゃくちゃと話し声を響かせていた。
 良介は真由の隣を歩いた。
 ――真由さんのスカート短くて、足がとっても綺麗で……ダメだよ、そんなこと考えちゃ……。
 ブルブルと首を振る。真由が怪訝そうに顔を向けた。
「どうしたの?」
「え? いや、何でもないよ。何でも」
 階段を上る。後ろにつけばスカードの中が見えるだろうか。けれど、そんなことをする勇気はなかった。
 図書室は他のクラスの生徒などでギュウギュウになっていた。紙飛行機で遊ぶものがいて、教師が怒鳴り声を上げていた。
「今、入るのはよくないね」
「うん」
 仕方なく廊下の壁にもたれた。図書室の隣は視聴覚室になっている。真由は視聴覚室のドアを見つめた。
 ――開いてるかな。開いてたら……。
 この状態だと、トイレにも人はたくさんいる。真由は何とか性欲を解消したかった。
 良介は真由の視線の先を追った。
 ――視聴覚室……。誰もいなかったら、二人きりで……って、何て妄想をしてるだ。僕は……。
 良介は自分の頭を何度も叩いた。
 真由は壁を離れて、視聴覚室のドアを開けてみた。鍵がかかっていない。中を覗くと、中には誰もいなかった。
 ――誰もいない。
 真由はチラッと振り返った。数名が図書室を出て行く。彼らが去ると、廊下は良介だけになった。
「良介君、こっちは入ろ」
「え?」
 良介は体をビクリと震わせた。まさか、そんなところに誘われるとは思わなかった。言われるがままに良介は中に入った。
 誰もいない。音もほとんどしなかった。真由はドアを閉めて、鍵をした。
「え?」
 良介はうろたえた。まさか妄想が現実になるというのだろうか。
 ――いやいや、そんな馬鹿な。でも、ただごとじゃ……。
 視聴覚室は殺風景だ。広めの部屋に何もない。絨毯だけが敷いてある。真由はそこにちょこんと座った。
「ねえ、よかったらでいいんだけど。手伝ってくれないかな。こんなこと良介君じゃないと頼めないから」
「え、えーっと、僕に何を?」
 良介は数歩後ろに下がった。背中が壁に当たった。
「エッチの相手になってほしいんだけど、ダメかな?」
 真由が緩んだ目で見上げてきた。一瞬何を言われたのか分からなかった。真由は足を広げて、スカートをめくった。
「あのあのあの……」
「ダメですか?」
「いや、あの、でも、そんなこと、いいのかな、こんなところで、人来たら、その前に、えっと、何て言うか」
 うまく言葉にならない。
「あ、よかったら、隣座って」
 真由は下着を外して、床に置いた。良介がごくりとつばを飲む。
「あの、本当にいいの?」
「うん、となり来て」
 誘われて、良介は恐る恐る真由の隣に座った。女の子とまともに会話をした経験すらない。極度に緊張した。真由が寄り添ってくる。
「キスからしようか?」
 真由の声が小さくなる。
「キ……で、でも、いいの?」
「いいよ」
 真由が身を乗り出してくる。両手を良介の肩に置いて、顔を近づけた。
 ――キス……ファーストキスしたいけど、ほ、本当にいいのかな。いいの? 本当にいいの?
 躊躇っているうちに真由のほうから唇を合わせてきた。心臓が潰れるかと思った。唇が温かいもので包まれる。
「んっ……」
 ――ほ、ほんとにキスしてる? ど、どうしよう。あ……舌が。
 真由の舌が入ってくる。良介は慌てて、舌で受け止めた。真由の体重に押されて、後ろに倒れこんだ。
 真由のほうから積極的に舌を重ねてくる。良介は混乱していた。右手で真由の頭を押さえる。左手で真由の腰のあたりを抱いた。
 ――んあ……いいにおいが……ほ、ほんとにこんなのいいのかな。真由さんとキスなんて……。
「ちゅ……ん……ん……」
 良介は体を捻って、上になった。真由を上から覆う形となる。
「あの、真由さん、その、キス……もっとしてもいいですか?」
「うん、いいよ」
 良介は真由の上になって、唇を重ねた。しばらくして、
「あ、良介君、次、こっちのキスしよ」
 と真由が言った。
「こっちって言うと? ひっ!」
 真由の手が動いて、良介のイチモツを掴んだ。良介は慌てて、真由から飛びのいた。尻餅をついたまま後ずさる。
「あのあのあのあの、それはいくら何でも……」
「見ちゃダメかな」
 真由は四つん這いで移動してきて、ズボンの上からいちもつを掴んだ。優しく上下して、チャックを開けた。
 ――ぼ、僕は……ど、どうすればいいんだろう。黙って任せてればいいのかな……。
 チャックの間から屹立したイチモツが現れる。真由は直に触れて、何度も上下した。慣れている感じだった。
 ――真由さんの正体って一体……。
 良介は目を閉じて、体に力を入れた。不意に温かいものを感じる。真由がイチモツを口に含んでいた。
 ――えー!
 全体を包み込んで、舌で優しく刺激してくる。
「あの、真由さん……」
「ん? ちゅっ……何かな?」
「いや、あの、ほんとにいいの?」
「うん」
 と言って、真由はまたイチモツを口に含んだ。
 ――な、何かすごいぞ。女の子の口の中って温かくて……。
「ん……んん……」
 真由は口に含んだまま、刺激を続けた。
 ――真由さんにこんなことしてもらうなんて……今日は何て特別な日なんだろ。
 良介は真由の頭を押さえて、引き寄せた。
 ――このままいっちゃったらダメだよね。どうしよう、でも、もうこれ以上は……こんなときはトナカイの数を数えたらいいって。トナカイ、トナカイ、トナカイ……。
 危ないところで真由が離れた。良介の心臓はノミのように跳ねていた。
「もう入るよ」
「え、入るって?」
「私のここに。どうする? 良介君が上になる?」
「えー! い、入れるって、そういう意味ですか? そ、それって、つまり、その、そういう意味ですか?」
「エッチだよ。すごく気持ちいいんだよ」
 真由は後ろに倒れて、足を広げた。中はよく濡れていた。良介は今まで女性の性器を見たことがなかった。一瞬、息が詰まる。
「入れていいよ」
「入れていいって、そんなこと急に言われても」
「入れて早く、濡れてる間に」
 真由が穴を広げてみせた。どこまで大胆なのだろう。良介は身震いした。
「ぼ、僕、そのはじめてで……うまく出来ないかもしれないけど」
「大丈夫。私もあんまり経験ないから」
 ここまで話が発展すると、途中でやめるわけにもいかない。やめることは出来そうもなかった。良介は真由の股を割って、身を乗り出した。
「手で広げてるから」
 真由は自分で穴を押し広げた。ドロドロと液が漏れてくる。
「じゃ、じゃあ、い、行くよ」
 良介は自分のイチモツをあてがった。どれぐらい強引に押し進めればいいのだろう。女の子のほうはかなり痛いと聞いたことがある。
「これぐらいで痛くないですか?」
「ん、大丈夫。全部入れても大丈夫だよ」
「は、はい」
 腰を進めると、めり込んでいく形でイチモツが中に入った。圧迫される感覚が伝わってくる。
 ――は、入ってる……。僕、もう童貞じゃないってこと?
 良介は地面に手をついて、身を乗り出した。真由と向かい合う形になる。
「あ、ごめん、胸見せたほうがいいよね?」
「え、いや、ええっと、はい」
 真由はカッターシャツのボタンを取って、胸をさらけ出した。平均よりは小さめだ。良介はしばらく見とれていた。
「あれ、動かないの?」
 真由が不思議そうに尋ねてきた。
「ごめん、じゃあ、ちょっとずつ」
 圧迫されているけれど、中はドロドロとしていて、動きやすかった。
「ん……あぅ……あ……あんん……」
「大丈夫?」
「うん、気持ちいいよ」
 良介は身を乗り出して、真由の頭を支えた。
「キスしながらでもいいかな?」
 尋ねると、真由はコクリと頷いた。良介は真由の唇を塞いで、小刻みに腰を動かした。人の気配はない。こんなところでこんなことが起きているとは誰も思っていないだろう。
「胸も触っていいですか?」
「ん……好きにしていいよ」
 ――でも、真由さんはどうして僕にこんなことを……。見た感じ処女じゃないみたいだけど。何か謎だ。真由さんって謎の人だ。
 自分に気があるのならすごく嬉しいことだ。それならば、真由の秘密が知りたかった。
「ひゃ……あん……もう、イッちゃう……」
「ぼ、僕も」
「奥のところ……んん……たくさん突いて、お願い……あっ……あん……」
「真由さん、ごめん。中で出しちゃう、ごめんよ」
 絶頂に達して、良介は中で射精した。ビクンビクンと体が脈を打つ。熱いものと快感を同時に覚えた。
 イチモツを引き抜いて、一息ついた。真由はブレザーのポケットからティッシュを取り出した。
 ――もし、真由さんが僕と同じ気持ちなら、い、今しかない。
「あの真由さん、僕、真由さんのこと好き……です。良かったら付き合ったりとか」
 しどろもどろになりながら、何とか告白した。良介は目を閉じて、答えを待った。
「それはダメ!」と真由は即答した。
 ――ガーン……。
「私には大切な人がいるから……」
 ――そっか、やっぱり彼氏がいるんだ……。
 良介は溜息をついた。
「あ、でも、エッチだったら、またしてもいいよ。明日とか、放課後とか」
「え、ええええぇ?」
 良介は愕然とした。彼氏がいるのに、彼氏とはせずに、自分とするというのはどういうことなのだろう。ひょっとして、彼氏が不能になっているのだろうか。

   七

「ストーカーで捕まっちゃうかもしれないけど。それでも」
 放課後になった。良介は早々と帰宅したフリをして、真由の後をつけることにした。
 ――真由さんの彼氏を突き止めないと。それにまだ真由さんをあきらめるのは早いかも。とにかく彼氏が誰かを。
 そういうわけで、良介は真由の後をこっそりつけていた。真由は佳織と学校の校門を出て行った。都会の一角にある学校だから、学校を出ると、都会の町並みに出る。
 ――しまった。見失っちゃった。
 人の波にもまれているうちに真由の姿が見えなくなった。懲りずに地下鉄のあたりまで探しに行った。
 通学に地下鉄を利用している生徒はけっこう多い。地下鉄に真由の姿はなかった。
――完全に見失っちゃったな。でもこのあたりのどこかに入ってるのかも。
たくさんのお店があって、探すのには無理があった。ビデオ・DVD店にも入る。中に真由の姿はなかった。
――仕方ない。また明日。
そう思って、帰ろうとすると、見慣れた顔の女生徒を発見した。中学のとき同じだった上級生だ。
――あの子確か、木月朋子さんだ。
ミニスカートに惹かれたわけではないけれど、良介は朋子の後をつけた。妙な方向に進んでいる。風俗店が並ぶ一角だ。情報喫茶とかがあって、ヤクザとか危ない業者がわんさか詰まっていると聞いたことがある。
――こんなところに何の用があるんだろう。
怖かったが、人が多かったので、良介は尾行を続けた。朋子はとある喫茶店に入った。このあたりは警察からも危険と言われている地帯だ。こんなところに店を構えるもの好きはいない。ということは怪しい喫茶店に違いない。
「この店……」
 外からは中が見えなくなっている。
「気になるけど、入るのが怖いなぁ……援助交際とかする場所だったりして……」
 今になって、人が少なくなっていることに気付いた。
 ――帰ったほうがいいかな。
 一人でこんなところにいると、誘拐されるかもしれない。去ろうとして、喫茶店から朋子が出てくるのが見えた。その後ろに真由と佳織がいた。
 ――あ、真由さんだ。真由さんがこんなところに?
 目を疑った。良介は物陰に隠れて、三人を見つめた。
 ――ひょっとして、真由さん、悪い人に影響されて、こんなところに。それなら助けないと。でもどうやって?
 ひ弱な高校生が出ていっても何も出来ない。
 ――と、とにかく、後をつけてみよう。
 風俗店などが広がる一角を抜けて、真由たち一行は普通の通りに出た。今度はラブホテルのある方角に向かっていった。
 ――ひょとして、いや、ひょっとしなくても、これって援助交際? ええー!
 大変な事実を知ってしまった。真由が色々な男としているのかと思うと、良介は怒りを覚えた。
 ――やだやだやだ、助けないと。でも、どうやれば助けられるんだろ。例えば、真由さんの手を引いて、逃げてきても……。
 逆に反発されるかもしれない。真由は大切な人がいると言った。脅されて、援助交際をしているのではなく、自分から進んでしているのかもしれない。
 ――とにかく、もっと詳しく調べないと。でも、こんなところをうろついていたら、変態に思われちゃう。
 今日はあきらめるしかなかった。他の男が真由と交わるのかと思うと、夜も眠れそうになかった。

   八

 緊張と恐怖を感じていた。これから何が始まるのだろう。亜由はサルについてラブホテルまで来てしまった。午後七時を過ぎている。早く家に帰って、夕食の用意をしないといけない。
 サルについて部屋に入る。
「ふう、さて」
 サルはベッドの上に座って息をついた。落ち着いてはいない。かなり性的に興奮していた。これから誰にも邪魔されずに亜由と交わることが出来る。こんなにうまく行くとは思ってもいなかった。
「やめましょう。今ならまだ……」
 亜由は最後まで抵抗した。こんなことをして、平気な顔で家に帰れるはずがない。
「何言ってるんですか? こんなところまで来たんですから」
「こんなことが見つかったら、大変なことになるんですよ」
「亜由さんは黙ってくれるんでしょ? だって、ばれたら大変ですもん」
 サルは立ち上がって、亜由を抱きしめた。そのままベッドに引きずり込む。
「きゃあ、こ、こんなこと……本当にいけません」
「亜由さん、もう誰にも邪魔されませんね」
 サルは亜由の上に覆いかぶさった。唇を重ねる。亜由の唇の間に舌を入れていった。
「んあ……ん……」
「亜由さん、最高っす」
 サルは亜由の服を徐々に脱がせていった。
「いや……ああ、やめてください」
「裸見たいですもん。誰にも邪魔されずに」
 サルは上を脱がせて、スカートを引き抜いた。自分の衣服も脱ぎ捨てていく。お互い裸になって、サルは亜由の上に覆いかぶさった。肌を密着させる。
「あー、いいなー、こんなこと一生に一度も出来ないよー」
「いや……あぁ……あぁん……」
 サルは肌を擦り合わせた。イチモツがクリトリスのあたりに何度も擦り付けられる。サルは唇を重ねて、何度も体を上下させた。
「……ちゅっ……んん……」
「ふー」
 サルは体を起こして、シックスナインの体勢になった。側面で向き合う形だ。亜由の目の前に中ほどの大きさのイチモツが現れる。
 サルは亜由の大切なところに唇をつけた。
「や……きゃあ……あんん……」
 唇をずらして、クリトリスも刺激する。舌を器用に動かした。サルが腰を押し付けてきて、イチモツが亜由の唇につかえた。
 亜由はイチモツを手で刺激してから、口の中に含んだ。サルは唇を押し付けて、亜由の中に舌を入れた。上下左右に動かしていく。クチュクチュと音が起こった。
 亜由の穴からは体液があふれ出てくる。サルはそれを舐め取っていく。亜由も興奮していた。イチモツに舌をからめる。目が淫らなものになっていた。
「そろそろ入れさせてもらうよ」
 サルが体を起こす。イチモツはカチカチになっていた。
「そんな……それだけはやめましょう」
「何言ってんの。よし、お風呂場に行くよ」
「え?」
 サルに手を引っ張られて、亜由は浴室に向かった。浴室にはローションがたくさん常備されていた。浴槽は狭いが、洗い場は十分な広さがある。
 二人は中に入った。サルがシャワーを出した。
「きゃあ」
 サルは亜由の体を濡らして、乳首に優しくキスをした。
「ん~……ちゅ」
「あっ……あん……」
 シャワーを固定して、両手で胸を揉んでくる。サルの唇はうなじに移動して、首筋に移った。それから唇に収まる。
「んん……ちゅっ……ちゅ……あん……」
 サルが離れて、亜由を床に座らせた。ローションを取ってきて、体中に馴染ませていく。指で穴の奥まで馴染ませた。
「やっ……あ……」
「これで簡単に入るかな」
 サルは亜由の股を割って、イチモツを近づけた。
「きゃあ……あ、あなた、ごめんなさい」
 亜由は顔を手で覆った。
「僕は誰にも言ったりしないよ。二人だけの秘密にすればいいじゃん。ね?」
 サルのイチモツが入ってくる。サルは身を乗り出して、亜由を押し倒した。体を密着させて、ゆっくりと腰を動かした。イチモツは奥の奥まで収まった。
「あっ……ああ、いやぁ……あん……」
「ふー、すご、ああ」
 初めてだった。初めての快感に、サルは軽く驚いた。
「ん……ああぁ……いやぁ……」
 サルは何度も突いてくる。動くたびにぐちょぐちょとはじけた。
「亜由さん、エッチだぁ~。いいよ、これー、ふー」
 サルはあっという間に絶頂に達した。中でドクドクと射精する。
「あ……ああ、そんな……」
 サルがイチモツを引き抜く。ローションと精液が多分に混じっていた。亜由を立たせて、壁に押し付けた。正面から抱きしめる。胸と胸が合わさった。
「ふー、エッチは気持ちいいぃ~」
「こんなこと……」
「ふー、またしたくなってきた。うわぁ」
 サルは亜由の左足を引き上げて、イチモツをあてがった。
「も、もう、ダメ」
「いくよー」
 サルは大きくなったイチモツを押し込んだ。
「やああぁ……ダメ、こんなに……いやぁ……」
「亜由さん、いいよぉ、すげえよぉ」
サルは腰を激しく動かした。またすぐに射精する。けれど、何度でも何度でも出来そうだった。

「おっそいなぁ、母さん。腹が減って死にそうだよ」
 その頃、真由の父はテーブルの上でお腹を空かせていた。真由が帰ってくる。
「おう、ちょうどいいところで帰ってきたな。母さんの帰りが遅いんだ。代わりに何か作ってくれよ」
「うん、でも何で遅いの?」
「さあなぁ、友達と話でもしてるんじゃないか?」
 父はほとんど気にしていなかった。

 浴室を出て、部屋に戻る。もう午後九時前だ。何度も中に出された。まだ続くのだろうか。亜由は布団で胸などを隠した。
「今度はベッドでゆーっくり愛し合おうか」
 サルはお構いなしに隣に入ってくる。布団を取り上げて、亜由の胸を触った。
「や……でも、もう九時よ」
「まだ大丈夫だよ。泊まっていってもいいんだし」
 サルは乳首に唇を重ねた。指が動いて、中に入ってくる。
「は……や……いやぁ……」
「後ろ向いてよ」
 サルは横になって、後ろから亜由を抱きしめた。硬くなったイチモツがつかえてくる。
「入れるよ」
「もうお願いだからやめて……」
 言葉を無視して、サルは腰を突き上げてきた。穴を押し広げて、奥へと入っていく。
「ふうぅー」と息を吐いた。
「いやん……」
 こんな体勢で入れられた経験は一度もない。亜由は身を固めた。サルは激しく腰を動かした。亜由の中を抉っていく。
「あ……ああ……」
「気持ちいいでしょ? たくさん濡れてるし」
 サルは一旦引き抜いて、正常位になった。亜由はもう抵抗してこない。サルはドロドロになった中へとイチモツを押し込んだ。
「ああ……あん……いい……ああ……」
「亜由さん、また行くよ。僕、もう亜由さんから離れられない」
 腰の動きを早くする。亜由は体の力を抜いて、サルの両手を掴んだ。
「ダ、ダメ……もう、イッちゃう……ああん……ダメェ!」
 サルは勢いよく射精した。
「……ふう、亜由さん、僕はこれきりにはしたくない。これからもお付き合いしてくれるよね」
「も、もう、ダメよ。こんなことは」
「誰にも言ったりしないから。ね? 言わないから」
 完全に弱みを握られてしまった。逆らうことは出来ない。サルはニヤリと笑った。

 次話

   一

「母さん、ずいぶん遅かったねぇ。どこに行ってたんだい」
 亜由が家に帰ったのは午後十一時だった。父はテレビを見ていた。
「ごめんなさい、外せない仕事があったのよ。真由や美由は?」
「夕飯は真由が作ってくれたよ。おばあちゃんも大丈夫だよ。でも、今度からは電話ぐらい入れてくれよ」
「本当にごめんなさい」
 これからもこの調子で続いていくのだろうか。そう考えると怖くなった。
 真由は自室で勉強していた。このところ勉強がおろそかになっている。改めて、教科書を見直すと、分からないところばかりだった。携帯電話をかける。
「佳織ちゃん、問二も分かんない」
「あんた、分かんないとこだらけじゃないの。授業ぐらいはまともに受けなさいよね」
「だってぇ、ずっとエッチなこと考えちゃって、他のことは考えられなくなるんだもん」
「あんた、それ病気じゃないの。で、まさか今も自慰行為の最中じゃないでしょうね」
「今はしてないよ。さっきしたばかりだから」
「真由、それ依存症のレベルじゃないの? 今日何回やったの? 自慰行為も含めて」
 真由は指折り数えて、
「十一回」
「ほとんど一時間に一回じゃないの。明日から禁欲したら? とりあえず、三日。性欲を我慢するのよ」
「三日……三日なんて無理だよ。せめて、三十分」
「ダメ、三日よ。そうじゃないと、後が怖いわよ。性欲に狂って、痴女になって、警察に捕まったらどうするのよ」
 真由は体を丸めて、ベッドに転がった。
「だってぇ」
「明日は一切、性感帯に触らないこと。分かった? どうしてもダメになったら仕方ないけどさ。極力触らないこと」
「うぅ、じゃあ、今日のうちにいっぱいしとかなきゃ」
 真由は服の上から指で触れた。
「ダメよ。今日もやめときなさい。勉強しなさいよ。問二でしょ。共通解をtにして、連立方程式にして……って、ちゃんと書いてる?」
「う……うん、ちゃんと引っかいてるよ……ん……く……」
「コラ! だからちゃんとノートと鉛筆用意して、机に向かいなさいって!」
「ごめん、すぐ用意するから」
「まったく……もうAV女優にでもなりなさいよ」
 夜が明けていく。

   二

 真由の家から自転車で十五分。雑木林が点々とするあたりに中学校がある。美由はそこに通っていた。グラウンドではクラブの朝練習が行われていた。
 ホームルームの時間が近づいて、二年生の教室に人が集まりだした。男子生徒三名がひとつの机に集まって、話をしていた。
「で、どうするんだ、山中。告白するのかよ」
 柔道部のマサが言った。山中と呼ばれた男子生徒は小太りのよくありがちな生徒だった。当然、女にはもてない。
「う、うん、何とかラブレターを渡してみようと……」
 山中が顔を真赤にして俯く。モジモジとして、どこかはっきりしない。
「モジモジするなよ」と背の高いややイケメンが山中の背中を叩く。
「ラブレターなんて今時無理だろ」とマサ。
「よりによって、こいつだしな」とイケメンが笑う。
「……僕はブスだけど、僕だって、女の子と付き合いたいんだよ」
「でもきついぜ。サッカー部の新谷も狙ってるって噂だしな」
 マサが鼻をほじりながら言った。
「え、美由さんって、そんなにもてるの?」
「たりめえだ。バスケ部でも狙ってる奴多いぜ」とイケメン。
「そんなにライバルがいるなんて、ショックだ」
 山中はたいそうに肩を落とした。ボタンがはち切れんばかりになっている。
「告白の前にダイエットだな。太ってるほうが筋肉つきやすいんだからよ。肉体改造したらどうだ」とマサ。
「一応、この前から、ランニング始めてるんだ。千五百メートル、記録計ったりしてる」
「何だ、本格的だな。新記録は?」とイケメン。
「二時間二十八分……」
「都市伝説的記録だな。ま、六分きるまでは、まず無理だろうな」
 イケメンははっきりと言った。話のダシになっている美由が教室に入ってくる。
「今、言って来いよ。好きですって。うひゃひゃひゃ」
 イケメンがおかしそうに笑う。美由は友達の輪の中に入っていった。
「でもやっぱ可愛いな。俺も狙うかな。自慢の筋肉で」
 マサが上腕二頭筋を自慢した。
「やめてよ、マサ君、ライバルを増やさないで」
「じゃあ、俺も狙うわ」
「やめてよ、イケメン君、僕だけを置いていかないでぇ」
 教師が入ってきて、生徒は急いで席に戻った。

 体育の時間になる。体操服姿で女子はグラウンドに駆り出された。
「美由ちゃん、今日もまた長距離走だって。嫌よねぇ、一緒に走ろうよ」
「うん、いいよ」
 男子もグラウンドに集合する。体育の教師が笛を吹いて、整列させた。
「女子は四周、男子は六周の記録を計る。歩いたら、成績に響くぞ。ベストを尽くして走るように。じゃあ、アップと柔軟開始」
 生徒たちはアップのためにグラウンドを走り始めた。美由は友人と喋りながらゆっくりと走っている。山中は美由の姿を追っていた。
「美由さんは走るのが速いんだなぁ……とても追いつけない。ふう、もうダメ」
「おい、新記録出さないと、美由ちゃんに嫌われるぞ」
 マサとその一族が山中を周回遅れにした。
Posted by K5 ◆Gy/l3.HlSE at 2010年09月12日 23:57
体育の時間になる。体操服姿で女子はグラウンドに駆り出された。
「美由ちゃん、今日もまた長距離走だって。嫌よねぇ、一緒に走ろうよ」
「うん、いいよ」
 男子もグラウンドに集合する。体育の教師が笛を吹いて、整列させた。
「女子は四周、男子は六周の記録を計る。歩いたら、成績に響くぞ。ベストを尽くして走るように。じゃあ、アップと柔軟開始」
 生徒たちはアップのためにグラウンドを走り始めた。美由は友人と喋りながらゆっくりと走っている。山中は美由の姿を追っていた。
「美由さんは走るのが速いんだなぁ……とても追いつけない。ふう、もうダメ」
「おい、新記録出さないと、美由ちゃんに嫌われるぞ」
 マサとその一族が山中を周回遅れにした。
「何のこと?」とマサの一族。
「あいつ、斉藤美由に告白するんだよ」
「わははは、無理に決まってるだろ」
「とか言って、付き合ったらお前どうするんだよ」
「西山とか下辺《かなべ》が放っておかないだろ。あいつら、七号線通りで高校生相手に恐喝とかしてるらしいぞ」
「やべえ奴らだな」
 山中は完全に取り残された。息が上がって、これ以上走れない。
「しんどい。ちょっと休もう、ふう」
 立ち止まる。濁ったような熱気を感じた。
「コラ、歩くな、山中。ちゃんと走ってダイエットしろ!」
 教師がメガホンで怒鳴った。あたりで笑いが起こる。山中は慌てて走り出した。
 ――くそう、あの教師。みんなの前で言いやがって。美由さんに笑われちまうじゃないか。くそー。
 全力で走ろうとしたが、足がよろめいた。こけそうになりながら、踏みとどまる。
「ふう、体が重くて、本当に走れない。美由さんが遠くなっていく……」
 チャイムが鳴る。
「おい、山中。告白の準備は出来たか?」
 解散になったとき、マサとその一族がやってきた。
「無理だよ、とてもじゃないけど、僕なんかじゃ」
「もう引けねえぞ。何たって、俺ら、愛しの美由ちゃんを呼び出してあるんだからよ」
 マサがニヤリと笑う。山中は「えー!」と素っ頓狂な声をあげた。
「呼び出したってどういうことさ。僕はそんなこと」
「いいじゃねえか。このままモジモジしてたら誰かに取られるぞ」
「いきなり告白なんて、僕、心の準備が……」
「うぜえ奴だな」とマサの一族がこぼした。
「強制力を与えてやらねえとな。おい、俺らこれから美由ちゃんを輪姦しにいくぞ。告白しねえなら」とマサ。
「り……」
「嫌だろ。だから早く告白して来いよ。体育館の倉庫だ」
「くそー、やってやる。やってやるぞ。うわああぁ!」
 山中は体育館目指して、一目散に走った。すごい速さだ。
「面白いことになりそうだぞ。見に行こうぜ」
 マサとその一族は山中の後を追った。

   三

 体育館に入って、右手に倉庫がある。バレーボールやバスケットボールが入っている。昼休みに倉庫が開けられ、部活動が終わるまで、鍵が開いたままになっている。
 山中は深呼吸をして、体育館に入った。正面玄関を抜けて、コートの中に入る。誰もいない。静まり返っている。
 ――倉庫に美由さんがいる。ぎゃー、無理だー!
 山中は頭を抱えた。直前になって、勇気がなくなってしまった。もうすぐ消灯ホームルームの時間になってしまう。
「男なら当たって砕けろ! うりゃー!」
 倉庫のドアは開いている。マットが束ねてあるところに美由は座っていた。体操着姿。窓から光が差し込んでいる。
「あ、話って?」
 美由が顔を上げて、尋ねてきた。見つめられて、口ごもる。
「ぼ、僕、ぼぼぼぼ、僕、つつつつつー……」
「え?」
 ――ヤバイ……声が震えてしまう。
 山中は拳を握り締めた。美由は迷惑そうにしている。チャイムの音が遠くで鳴った。
「あの、時間ないから、戻らないと」
 美由はマットから降りた。出て行こうとするところを山中が呼び止めた。
「待って!」
 美由が止まる。
「その……えっと……」
 山中は俯いた。また言葉が詰まってしまう。視線の先に美由の太ももが見えた。
 ――細くて綺麗だな。しまった、アソコがたってくる……。
 興奮すると、意志の力では抑えとどめられない。美由が小さな悲鳴を上げた。
「あの、美由さん、付き合ってください」
 言えた。言ってしまうと、比較的楽になった。けれど、目を上げられない。
「つ、つきあう……突き合う? でも、それは……あぅ」
 美由は視線を落として、山中の股間を見た。足短だが、イチモツはそれなりの大きさを誇っている。
 ――触ってみたい……かも。
 美由はあたりを見渡した。誰もいないことを確認して、
「あ、あの、私、あんまり広まるの、嫌だから……二人だけの秘密にするなら……いいよ」
「え? いい? 本当に? いいの? 僕、ブスで馬鹿で運動音痴だけどいいの? サッカー部のあいつみたくかっこよくないけどいいの?」
「う、うん、山中君なら……二人きりの秘密に出来そうだから……」
 山中はどういう表情をすればいいか分からなかった。落ち着いて、呼吸を整える。
 ――落ち着け、とりあえず、秘密の交際だから、暗号なんかを使ったり、サングラスをかけてデートしたりをすればいいんだ。それなら俺だって。
 ――えっと、落ち着かなきゃ。最初は……キス……かな。次は確か、胸とか触ってもらって、口の中に入れたりとか、それからこっちは……最初は痛いのかな。
 食い違いはあったが、お互いに緊張していた。空白の時間が流れる。
 ――よ、よし、まずは電話番号を聞いてみよう。
 ――ま、まずはキス……だよね。
「あ、あの」
 と山中は切り出した。美由は恐る恐る前に出て、山中に飛びついた。山中が数歩下がる。マットの上に倒れこんだ。美由は上に乗って、キスを重ねた。
「○×△!」
「ん……」
 美由は軽く唇を動かした。温かくて軟らかい感触が伝わってくる。
 ――な、何が起こっているんだろう。な、何が……。これって……ファーストキスじゃんか!
 山中は両手で美由を抱え込んだ。チュッチュッと美由の唇を奪っていく。マサとその一族は肩車をして、上の窓から中を覗いていた。
「おい、どうなってる?」と下のマサが訪ねる。
「わけわかんない展開になってる。やべえ」
「どうやべえんだ?」
「いや、普通さ、山中が告白しても、ふられるよな?」
「そりゃそうだ」とマサは頷いた。
「仮にふられたショックで山中がキレても、山中が美由ちゃんを襲うシチュエーションになるよな」
「まさか、襲ってんのか?」
「いいや、なぜか、美由ちゃんが山中を襲ったんだ。まるでトリックルームだぞ。この中は」
「何? マジかよ。今度は俺に見せろ」
 マサが一族を下ろした。一族は二人がかりで、マサを引き上げた。
「何ぃ?」
 マサは光景を見て、歯を噛み締めた。山中ごとくが自分より早く女を抱くなんてことは許されることではない。どうせふられると思っていたから、大人しく見ていたが、こうなっては話は別だ。
「マサ一家、行くぞ!」
「おっしゃ! 山中の童貞が損なわれる前に、強奪だ!」
 マサとその一族は正面玄関のほうに向かった。

「あぅ……ん……」
 山中は美由をマットの上に寝かせて、上になった。体操服の上から胸に触れる。
 ――む、胸……す、すごい。僕がサッカー部のあいつを出し抜いて、美由ちゃんを獲得したんだ。ありがとう、神様。
 体操服をめくり上げて、ブラジャーに触れる。そのときにマサが入ってきた。
「おい、山中。そこまでだ。手を止めな」
「あ、マサ君」
 山中は驚いて、美由から離れた。
「バトンタッチな。お前はさっさと教室に戻れや」
「い、いや、でも……」
 振り返ると、美由はかなり恥ずかしそうにしていた。目に涙がたまっている。
「ほら、戻れや。ぼこられたいんか?」
 マサに一族が三人いる。全員柔道部だ。山中はビクビクと震えた。
「よし、美由ちゃん、やらないか?」
 マサは美由を強引に押し倒した。
「や、やあぁ……」
「いや? 山中は良くて、俺はいや? ますます腹立ったぜ」
 マサは強引に美由の唇を奪った。自分の彼女が強姦されている。山中は一歩前に出た。
「や、やめろ!」
「うるせえぞ、黙ってろや」
 一族が拳をふるって、山中を吹き飛ばした。バスケットボールの入った籠の上に転げた。鼻から夥しい血が流れる。
「そこで見てな」
 一族も強姦に加わった。視界が歪んで、山中は立ち上がることが出来なかった。さらにお尻がボールの間に挟まってしまった。腹筋が弱いので、立ち上がれない。本当に立ち上がれなかった。
「や、やめろよ。美由さんになんてことを」
 一族の一人がドアを閉め切ったので、声は届かなかった。
 マサが上を脱がせた。ブラジャーを取ると、小さな胸が露出した。
「やだ……見ないで……」
「おい、俺は中出しを貰うぞ。口、アナル、手はお前ら、ジャンケンで決めろや」
「勝った奴から決めるんな。ジャンケンポン、あいこでしょ、しょっしょでしょ、せっせのせ……」
 ジャンケンが長引いている。マサは下を脱がせて、下着の間から指を入れた。
「抵抗したら、切り裂くぞ」
「……」
 美由は大人しくなった。指が処女膜に届いた。クリトリスに人差し指が触れてくる。
「んん……あぅぅ……」
 下着と靴下を脱がされる。美由は裸にされた。ジャンケンの決着がついたらしい。
「なら行くぞ。まだ濡れてねえけど、強引に押し込んでやるぜ」
 マサは下をずらして、イチモツを取り出した。山中はまだ脱出できていない。どんくさい自分が虚しくなる。
 マサがマットに横になる。
「おい、乗れや」
「やだ、やあ……」
 美由は抵抗した。けれど、一族が無理やり、美由を跨らせた。マサはイチモツをあてがって、美由の体を押さえつけた。
「きゃあ! い、痛いぃ……」
「おっらー! すげー血だ。やべーな」
「一発アナル行くぞ。さすがにやべえか? やっちまうぞ。うおらー!」
 一族がお尻のほうにイチモツを突き刺した。
「いやあ、痛い! 痛い、やめてぇー!」
 こんな激痛は今までに体験したことがない。意識が遠退く痛さだった。
「オラ、咥えろ」
 口にもイチモツが入ってくる。
「握れや」
 右手でイチモツを掴まされる。山中は「誰か来てくれ」「やめろ」と叫んだが、誰もやってこなかった。
「ん……んあ……は……んんん……」
 奥まで入ってくる。美由は目を閉じて、必死に耐えた。マサとその一族は処女お構いなしに腰を動かした。
「中出しするぞ」
 マサが腰の動きを早くする。血が止まらない。マットの上にかなりの血が流れた。その血の中に精液が注がれた。
「お、俺も行くぞ」
 一族も精液を放出させた。
「んん……んぐ……」
 イチモツが引き抜かれる。夥しい血と精液がマットに付着していた。マサたちはさっさと服装を整えて、外に出て行った。
 美由はしばらくマットの上で泣いていた。
「美由さん、ごめん、僕、助けてあげられなくて」
「ぅぅぅぅ」
「ごめんね」
 山中はまだ抜け出せないでいた。何とか籠を倒して、抜けだすことが出来た。美由の下着や服を取り上げる。
「タオルとかティッシュとかないかな。僕のシャツで我慢してね」
 山中はジャージの下のシャツを脱いで、美由の血や放出された精液を拭き取った。美由の性器に触れて、ドキリとした。
 ――こんなときまで反応するなんて。僕はダメ男だ。
 ふき取って、美由に下着を渡した。
「うぅぅ……ありがと」
「ごめんね、本当に」
 ――くっそー、俺がやわらちゃん並に強かったら、あんな奴ら……簡単に。
 強くなりたいと思った。こんなどんくさい自分が嫌だった。
「山中君のせいじゃないから。でも、もうお嫁に行けない……」
「そ、そんなことないよ。僕は美由さんのこと、すごく好きだから。世界で一番」
「ぅぅ、ほんとに?」
「うんうんうん」
「まだ付き合ってくれる?」
「でも、僕でいいの? こんなに弱くて、どんくさくて、助けてあげられなくて」
 美由はコクリと頷いた。こんなことの後だから、山中は喜ぶことが出来なかった。

   四

 マサは何事もなかったかのように教室ではしゃいでいた。
 ――決めた。あいつとは金輪際話はしないぞ。
 山中は拳を握り締めた。イケメンがやってくる。
「おい、告白したって本当か?」
「ま、まあね」
「どうだった? まさか付き合えたのか?」
 イケメンははなから結果には期待していない様子だった。
「いいや、ダメだった」と山中はわざと嘘を答えた。
「ま、そう現実は甘くないよな。落ち込むなよ」
 そう言って、イケメンは去っていった。山中は溜息をついた。イケメンに言われたことで落ち込んだのではなく、自分の無力で落ち込んでいた。
 放課後、山中はコンピュータ室に寄った。電源を入れて、椅子に座る。椅子はギシギシと音を立てた。コンピュータ室を使う者は少ない。
 インターネットを開く。『検索「強くなる 方法」』でエンターキーを押した。
『ヒット49986件中20件を表示。
地上最強の生物を目指して、超格闘技』

「ここに入ってみよう」
 クリックした。すぐにページが開く。
『あなたが一人目のお客様です。
このホームページでは超格闘技を極めた地上最強の生物が超格闘技を教えます。
目次
1、第一ステップ 伝説の必殺技1
2、第二ステップ 伝説の必殺技2
3、第三ステップ 女を食らえ』
『スーパーミラクルパンチをお教えしよう。これはパンチ一発で1トンの像を気絶させる最強の技だ。ぜひ、マスターしてくれ。やり方は簡単。気を落ち着かせて……』
『ファイアーキックをお教えしよう。これはキック一発で地球を火の海にしてしまう最強の技だ。ぜひ、マスターしてくれ。やり方は簡単。気を落ち着かせて……』
「フムフム、なるほど。こうやってこうか」
 山中は必殺技を紙に写して、家に帰った。午後9時頃、庭に出て、練習した。
「とう、とととととう!」
 何度もパンチを繰り出す。
「うりゃー!」
 蹴りを披露するが、柔軟性が足りず、足は少ししか上がらなかった。おまけに関節に嫌な痛みが残る。
「くー、柔軟体操からしないと、ダメかも」
 柔軟体操をしていると、勝手口が開いた。母親が顔を出す。
「聡史《さとし》、何やってんだい?」
「柔軟体操だよ」
「いつもはご飯十五杯ほど食べるくせに、今日は一杯しか食べないし、どこか具合が悪いのかい?」
「違うよ。ダイエットしてるんだ。そんで、食事制限」
 山中は思いっきり、上体を倒したが、少ししか倒れない。長座前屈はいつも十センチ未満の成績しか残せていないのだ。
「ダイエットねぇ、目もそんなこと言ってたけど、三日で終わったじゃないか」
「今度は絶対。守るべきものが出来たんだよ、母ちゃん」
「なんだい、カブト虫でも拾ってきたのかい」
「もっといいものだよ」
 山中は再び、前屈をした。何とかつま先に手が届くようになりたい。母親は呆れた様子でドアを閉めた。
「股関節も鍛えないと……」
 山中は立ち上がって、股割をした。ズルッと足が滑る。
「げっ!」
 無理に股が割れて、壮絶な痛みが走った。自然と表情が険しくなる。
「うっぎゃーーーーー!」

   五

 翌日、通学路で美由と鉢合わせた。
「お、おはよう、美由さん」
「おはよう」
 美由が丁寧に頭を下げる。車のよく通る国道沿いを進んでいく。高速道路が上を通っていて、中学生はその下道を抜ける。下道に出ると、車はなくなる。駅には自転車がゴミ山のように積まれていた。
「良かった。学校に来れなくなったらどうしようとか思っちゃって」
「あんまり行きたくなかったけど、おうちの人が心配するから」
「そっか、で、でも僕に任せて。また何かされそうだったら、絶対に助けるから」
「うん」
 ――す、すごいぞ。肩を並べてこうやって話せるなんて。僕が美由さんを守らないと。強くなって。
 学校が見えてくる。学校前の道は人の数が多い。
「ごめん、離れたほうがいいかな。まるで恋人みたいに思われちゃうね」
「いいよ、もう。だって、付き合ってるんだよ、私たち」
「そ、そうだけど……」
 こんなところ、男子に見られたら、また何かがありそうだ。マサに知られたら、また美由が強姦に会うかもしれない。
「僕がしっかりしなきゃ。頑張るぞ」
 教室に入る。二人で一緒に入ったところをマサが見ていた。一族がやってくる。
「おい、どういうことだ」と一族が尋ねる。
「わけがわからねえ。あんなことがあっても、まだ付き合ってるってのか。いい度胸だぜ」
「だけど、今度は西山とか下辺が介入してくるぞ」
 一族が表情を改める。西山と下辺はマサよりも強い。有名な不良なので、敵に回したくなかった。
「仕方ねえ、とりあえず、様子見だ」
 マサは仕方なく手を出すのをやめた。

「あの、山中君」
「あ、何?」
 席につくと、美由がやってきた。山中が振り向く。
「今日、良かったら、私の家に来て」
「家に? でもいいの?」
「うん、お姉ちゃん、遅いし、お父さんもお母さんも仕事だから、家、おばあちゃんしかいないから」
 それの意味するところはだいたい想像できた。
「う、うん、分かった。お邪魔するよ」
 美由が去っていく。山中は教科書を机に仕舞った。
 ――美由さんのお姉さんか。すごく可愛いかったりして……。

「……えー、このように三角形の合同条件は三辺がそれぞれ等しいまたは二辺とその間の角がそれぞれ等しい、一辺とその両端の角がそれぞれ等しいのどれかになる。証明の際は対頂角、同位角、錯角、共通の辺などを意識しながら考えるように。では問2を山中。黒板にやりなさい」
「分かりません!」
 山中は立ち上がって、即答した。
「なぜ、分からないんだね」
「興味がないからです」
「廊下に立っとれ。では、次……」
 山中は廊下に向かった。今日は機嫌が良かった。廊下でニヤニヤと笑みを浮かべる。
「美由ちゃんの家か……きっと、この前の続きを……おっと、いかんいかん、美由ちゃんはきっと恐怖を感じているんだ。僕がそれを取り除いてあげないと」
 チャイムが鳴る。山中は座って、居眠りしていた。美由がすぐに起こしに来た。
「山中君、チャイム鳴ったよ」
「あれ? そうだ、僕、給食当番だ。ありがとう、美由さん」
 山中は急いで、教室に戻っていった。入れ違いに友人が廊下に出てくる。
「ちょっと、美由。こっち来なさい」
「何?」
 美由は友人の後についていった。三階の渡り廊下に出る。
「どういう趣味なの?」
 友人が低い位置から尋ねてきた。
「趣味って?」
「だから、山中聡史と付き合うなんてどういう神経なの? 山中はね、彼氏にしたくない男校内ナンバーワンなのよ。何で、そんな子と仲良くしてるの」
「え、だって……すごく優しいから」
「待った! そんな理由でかい。男なんてね、仮面をかぶってくるのよ。美由の体がほしくて近づいてくるの。そんなものに騙されちゃダメでしょ。あんたのこと狙ってる男は山ほどいるのよ。サッカー部の新谷君とか」
「で、でも」
「まさか、美由のタイプが山中みたいな奴なの? あのルックスが好みなんてよほど変わってるわよ」
「ルックスとかじゃなくて。私、ルックスとかあまり気にしないから」
「じゃあ、エイリアン六世が出てきて、優しかったら付き合うつもり?」
「いい人だったら」
「じゃあじゃあじゃあ、その辺を徘徊しているゴキブリとも付き合うつもり?」
「ゴキブリは言葉喋れないよ」
「それはそうね。で、どうなの? 山中とは付き合ってるの?」
友人は表情を改めて、尋ねた。
「う、うん、一応」
「マジで? じゃあ、別れたほうがいいわよ。今朝からあんたと山中の噂が校内に広がってるのよ」
「いいよ、別に。私は山中君のことが一番いいから」
「はー、同じ女として、悲しくなってくるわ。美女と北京原人なんて、今頃、流行らないわよ」
 友人は大きな溜息をついた。
「ちょっと、トイレに行ってくるわ」
 友人が離れていく。それを待っていたかのように新谷が近づいてきた。サッカー部、成績優秀、超イケメン。学園のスーパーマンだ。
「美由さん、単刀直入に聞かせてください。美由さんは山中と付き合っているんですか?」
「う、うん、付き合ってる」
「どうかな、僕と付き合うってのは」
「ごめんなさい、私、山中君と付き合っているから」
 頭を下げて、美由は教室に戻っていった。
「うあー、もう世の中が信じられない!」
 新谷は頭を抱えて、膝をついた。

 山中は食器を運んでいるところだった。イケメンとその一族がやってくる。
「おいおい、マジで告白オッケーだったのか? すげー、奇跡ってのはこういうことを言うんだな」
 イケメンはそれほど美由に思い入れがなかったので、いつもの調子だった。
「でも、マジで革命じゃん。ブスがモデルになるっていうレベルだぞ。これは」
「ひ、ひどいな。みんな」
「まあ、せいぜい、頑張りな。結婚まで持続しろよ」
 イケメンたちは笑いながら、去っていった。
 ――美由さんと結婚か。うわぁ、すごくいいなぁ、そんなことになったら。
 ますます愉快になって、山中は歩き出した。

 薄暗い部屋。カーテンが閉まっている。ステレオがあって、ロックがジャンジャンと掛かっている。中に二人の男が座っていた。ものすごい迫力のあるタトゥーが彫ってあり、丸刈りの男とややイケメンの男の二人だ。
「下辺、ここ最近、学園のことは把握していなかったが、何か大きな事件はあったか?」
 丸刈りの男が尋ねた。不良の西山である。
「ああ、ひとつある」と下辺はイケメンの不良だ。
「俺の嫁候補の一人が軟弱な男の手に落ちた」
 下辺は目を開けて、前方を見つめた。鋭い目が光っている。
「ほう、お前の嫁候補か。誰だ?」
「斉藤美由だ。知っているだろ。相手は山中というクズだ」
「山中? そいつは知らねえな」
 西山も目を開ける。キャンディーをひとつ取り出して、口の中に放り込んだ。
「無理もねえ。底辺の奴だからな。だが、そいつが斉藤美由と付き合いだした」
「まるで下剋上だな。情けない連中だ。そんなクズに取られるとは。で、俺たちが動くわけか」
「ああ、斉藤美由は俺のものだ。少々痛い目に遭ってもらうぞ」
 二人は一斉に立ち上がった。部屋を出る。一年生が一人で廊下を歩いているところだった。前方不注意でぶつかる。
「ひっ、ご、ごめんなさい」
 目を見ただけで、一年生は尻餅をついた。西山は一年生をにらみつけた。
「まあ、そう怯えるなよ。悪かったな。キャンディーで許してくれるか?」
 西山はキャンディーを放り投げて、横を抜けていった。下辺が先行する。
「い、いい人だ……」
 一年生は大きく息を吐いた。

   六

 放課後。山中は帰る支度を始めた。
 ――今日は部活ないし、美由さんのところに……。緊張してきたなぁ。
 美由が駆け寄ってくる。
「いこ」
「うん、家は遠いの?」
「二十分ぐらいかな」
 話しながら、階段を下りていく。マサは階段のあたりまで、後をつけた。
「マジで付き合ってんのか、あいつら」
「俺はまだ信じられないぜ。どういう神経してんだ」と一族。
「脅しでもかけてやるか。あいつらが付き合っていい科学的根拠はねえだろ?」
「ああ、ねえな」

 校門を抜けて、下道の一角に出た。小さな店がたくさん並んでいる。夕方になると、人が多くなるが、この時間帯は人が少ない。
「手繋がないの?」
 美由のほうから尋ねてきた。
「う、うん、つ、繋ごうか」
 お互いの手が触れる。山中は包み込むように美由の手を握った。
 ――ち、小さな手だなぁ……。可愛いや。
 駅に出る。人の数が多くなった。
「おい、来たぜ。あいつだ」
 下辺があごをしゃくった。
「けっ、ただのデブじゃねえか」と西山。
「例のところに連れ込むぞ」
 二人は背後から二人に近づいた。西山は不意打ちで山中の首を締め上げた。一瞬で、山中の意識が飛ぶ。
「オラ、しゃべんな、こっち来いや」
「……」
 店の間に二人を連れ込んだ。西山は山中をロープで締め上げて、ドラム缶の上に座らせた。
「ん?」
 目を覚ます。目の前に男子生徒の姿が見えた。
「気分はどうだ?」
「お、お前は……」
 西山だ。山中は軽く萎縮した。その後ろに美由の姿があった。抵抗するたびに、頬を叩かれていた。
「コラ、美由さんに手を出すな」
「うるせえぞ」
 西山は強烈なげんこつを落とした。視界がぐらつくほどの威力。山中は声を失った。
 下辺は美由の制服を脱がせて、シートの上に寝かせた。
「や……いや……やめて」
「やめねえよ、直に気持ちよくさせてやるって言ってんだよ」
 下辺はブラジャーを外して、両手で胸に触れた。
「やめろ、お前ら、うぐ……」
 声を出すと、西山のゲンコツが来た。
「黙ってみてろや」
「……ぐ……」
 手足は縛られている。下辺は上体を沈めて、美由の唇を奪った。
「んんん……」
 舌が入ってくる。手が器用に動いて、乳首を刺激した。
「下辺、俺は傍観者か。ギャラはいくらなんだよ」
「お前でも、斉藤美由には触れさせん。そのぶん、ギャラは弾んでやる」
「期待してるぜ」
「警察に言いつけるぞ」
 山中は声で抵抗した。
「警察だと? どこに警察がいるってんだ、ああ?」
 今度は頬に拳が入ってきた。歯から出血したのが分かった。
 下辺は下着をずらして、クリトリスに触れた。優しくいじりながら、中指が中に入ってくる。
「やあっ……あん……あぅ……」
「おっと、処女じゃねえな。やったのはあいつか?」
「……」
 美由は何も言わなかった。西山が山中をにらみつける。
「このやろう、味な真似をしやがるぜ」
 山中の頭にゲンコツを落とした。ガツンという音がした。
 下辺は指を奥に差し込んだ。小刻みに刺激を与えていく。
「ん……んああ……は……」
「濡れてきたな。その調子だ」
 中から液が飛び出した。昨日の今日でまだ傷ついている。山中は無言でその穴を見つめた。下辺の指が憎らしかった。何度も出し入れされて、美由がそれに馴染んでいく。
「あぅぅ……」
 美由は目を閉じて、体の力を抜いた。
「次だ」
 下辺はイチモツを取り出した。十八センチぐらいか。美由の腕を引っ張って、イチモツを握らせた。
それから、下辺は美由の頭を引き寄せた。イチモツを口の中に含ませる。山中は黙って、その光景を見ていた。
――美由ちゃんにあんなふうにしてもらえるなんて。
それが他の男だったので、許せなかった。歯を噛み締める。
「んん……ん……くちゅ……んん……」
 美由は潤んだ目を開いたまま、舌を動かした。唇で先端をつまんで吸い寄せる。
「だいぶ、慣れてきたな」
 下辺は左手を伸ばして、美由のクリトリスを刺激した。美由の表情がいっそう淫らになった。
 下辺はイチモツを口から抜いた。美由の中は十分に濡れている。美由をシートの上に寝かせて、上にかぶさった。イチモツを美由の体にあてがった。先端だけを入れる。美由は自分から足を広げた。
「んん……あん……」
 くちゅくちゅと音を発しながら、イチモツが入っていく。中が押し広げられて、わずかに出血した。美由は手を伸ばして、下辺の腕を掴んだ。
「あ、ああぅ……すご……奥まで……入って」
 下辺は地面に手をついて、腰を動かした。
「……」
 山中は唾を飲み込んだ。西山はニヤニヤ笑って、光景を見ている。
 ――美由さん、何かすごく気持ちよさそうな表情……。
 下辺が上体を落とすと、美由は手を伸ばして、下辺の頭を引き寄せた。自分の唇に重ねる。
「あぅぅ……広がって……奥に……あんん……そこダメ……」
 イチモツがどんどん中を抉っていく。
 ――美由さん、そんなに気持ちよさそうにしないでよ。すごく悔しくなるじゃない。美由さん……。
 山中は目を閉じた。閉じても、中を抉る音と美由の喘ぎ声が耳に届く。
「中に出すぞ」
「はっ……あぅ……中は……あん……あぅ」
「おっ」
 下辺は中で射精した。腰を進めて、奥に押し込んでいく。引き抜くと、精液があふれ出た。
「ギャラはいくらだ?」
「向こうに行ってからだ」
 下辺と西山は美由と山中をそのままにして、その場を去っていった。
「美由さん、大丈夫?」
「ぅぅぅ……」
 美由は体を起こした。精液が足を伝っていく。手を伸ばして、下着を掴んだ。下着で精液を拭って、下着をつけないで、スカートをはいた。
 上を着替えてから、山中のところに近づいた。縄を解くと、山中はようやく自由になれた。
「ごめんね」と美由は小さな声で言った。
「いや、それは僕の台詞。ごめん」
「こんな私でもまだ付き合ってくれる?」
「も、もちろんだよ。美由さんこそ、僕でいいの? こんな役立たずで」
 美由はコクリと頷いた。
Posted by K5 ◆Gy/l3.HlSE at 2010年09月12日 23:57
 美由の家はかなり大きかった。庭には池があって、畑には色々な花が咲いていた。
「いいよ、入って」
「お、おじゃまします」
 中に入る。玄関は余計なものが置いてなくて、広く感じた。
「おばあちゃん、出かけてるみたい。私の部屋、こっちだよ」
 階段を上っていく。山中は緊張していた。
 ――僕なんかが美由さんと二人きりなんて、何かすごい人類の革命みたいだ。
 美由の部屋に入る。何となくいいにおいがした。床に熊のぬいぐるみがひとつ置いてある。それ以外は綺麗に片付いていた。
 ――やっぱり女の子の部屋は綺麗なのかな。
 遠慮するように山中は腰を下ろした。美由はベッドの上に座って、スカートをめくった。
「私たち、付き合ってるのに一度もしてないから、今からしよ」
 美由が恥ずかしそうに提案した。顔が赤くなっている。
「い、今から?」
「今、誰もいないから。シャワーとかも使えるから」
「で、でも……」
 強姦された後に、またするのは気が引けた。
「嫌……かな?」
「嫌じゃないです。ぜひしたいと思うけど……」
「私のことは気にしなくていいよ」
 美由はカッターシャツを脱ぎ始めた。ブラジャーも外れて、胸が露出した。
「あのあのあのあの……」
「山中君も脱いで。あ、先にシャワー浴びたほうがいいかな」
「そ、そのほうがいいと聞いたことはあるけど」
「じゃあ、こっちだよ」
 美由に手を引かれて、浴室に来た。美由がスカートを脱ぐと、もう包み隠すものはない。
「早く」
「は、はい。じゃあ」
 山中は美由から目を逸らして、制服を脱いだ。美由とシャワーを浴びているところを家の人に見られたら、どうなるのだろう。
 トランクスを脱いで、山中も裸になった。ダイエットはまだ不十分で、腹回りは大きく盛り上がっている。裸で美由と向かい合った。美由は恥ずかしそうに目線を下げて、イチモツを見た。
 ――な、何か恥ずかしいぞ。死んでしまうかも。腹上死しちゃうかも。
 美由が体を寄せてきた。胸が触れ合う。イチモツが美由の下腹部あたりに触れた。
 ――死ぬー!
「早く入ろ」
 美由に引っ張られて、浴室に入った。そこそこの広さだ。美由が水温を調節して、水を出した。急に熱湯が出て、それが山中の股間のあたりに引っ掛かった。
「あちいいいー!」
 山中は飛び跳ねて、壁にしがみついた。
「あ、ごめん、たまに湯が出ることがあるんだけど、大丈夫?」
「全然問題ないよ。うん」
 山中は笑顔で答えた。

 二人は石鹸の泡を帯びて、立ったまま、抱き合った。
 ――胸が当たってる。死ぬ、ほんちに死ぬかも……。
 美由の手が背中や肩の辺りを撫でてきた。
「こういうの、ちょっと憧れてたんだよ。ね、お姫様抱っことかしてほしいな」
「あ、はい、えっと、こんな感じですか……おわっ」
 バランスを崩して、山中は転倒した。美由が上にかぶさる形になる。
「ごめん、重かった?」
「あ、いや、あははは」
 美由は上に乗ったまま、山中の胸のあたりを撫でた。
「体、起こせる?」
「う、うん、大丈夫」
 山中は体を起こした。後ろから、美由を抱きしめる。
「胸、触ってもいいんだよ」
「あ、うん」
 ――なんか……すごくいい感じになってる?
 山中は優しく胸に触れた。
「下もいいよ」
「下ってことは、つまり……」
「うん」
 美由は山中と向かい合った。手でイチモツに触れてくる。石鹸の泡を介していて、摩擦はほとんどなかった。上下に優しく動く。
 ――くく……気持ちいい……自分でするのとはやっぱり全然違う。よ、よし、僕も、ほんのちょっとだけ。
 山中は手を伸ばして、指でクリトリスに触れた。
「ん……」
「大丈夫?」
「もっと強くしてもいいよ」
 美由の手の動きが速くなる。山中は指を中に押し込んでいった。摩擦がなく、容易に入った。引掻くように優しく刺激を加える。
「……んん……あぅ」
「美由さん……」
 イチモツが熱くなってくる。射精が近かった。山中は指の動きを速めた。
「あぅ……すごい……」
「美由さん、僕、もういっちゃうかも」
「あぅ、待って」
 美由は手を止めた。イチモツは硬く熱くなっている。山中も指を引き抜いた。
「私、横になるから。そうだ、こっちでやろ。山中君の好きなように入れて……」
 美由は浴槽の中に入って、横になった。足を広げる。浴槽は小さめで、足を折らないと、体が収まりきらない。山中はゴクリと唾を飲み込んだ。
 ――本当の本当にいいのかな。でも、もう我慢出来そうにないや。
 山中は浴槽に腰を下ろした。
「じゃ、じゃあ、行くよ」
「ん……」
 山中はイチモツをあてがって、ゆくりと押し進めた。ほとんど摩擦がなく、スムーズに入った。
 ――こ、これが童貞卒業の瞬間。感動的だ……。
 奥まで入れると、身を乗り出して、美由の両肩を支えた。狭くて、動きにくい。けれど、二人だけの愛の巣にも感じられた。
「あっ……んあ……」
「美由さん」
 腰を小刻みに動かす。石鹸が潤滑油になって、スムーズに動けた。
「んん……すごい……すごくエッチな感じ……」
 山中は体を密着させて、横になった。二人はちょうど浴槽に納まった。
「ああう……あん」
 ギュッと抱き合う。イチモツは美由の体を押し広げて、奥につかえた。
「ずっとこのままで……いたいね」
「うん、美由さんの中……すごく気持ちいいよ」
 山中は腰の動きを速くした。絶頂が近い。
「あ……あん……私、もう……」
 美由は山中にしがみついた。
「僕も……ごめん、中に……」
 イチモツが一番奥に来た。
「ん……あ……奥に出てる……」
「うっ……」
 かなりの量の精子が飛び出す。一瞬、感覚がなくなった。二人は繋がったまま、抱き合った。唇を重ねる。
「ちゅ……」
 舌が触れ合う。優しく馴れ合うように舌を動かした。
「美由さん……」
 浴槽に二人納まったまま、一時間が経過した。
 不意に浴室の外から物音がした。
「え? 今、ガタンって」
「あぅ、おばあちゃんが帰ってきたのかも。大変」
 すぐに離れようとしたが、浴槽にぴったり収まっていて、動けなかった。体力を使い果たしてしまって、山中は体を起こすことが出来なかった。
「美由さん、ごめん。体起こしてくれる」
「ぅぅ、ごめん、体に力が入んないの」
 二人は繋がったまま、身動きが取れなかった。イチモツが中で大きくなってくる。
「あぅ……広がってくる……」
 美由は山中にしがみついた。浴室のドアがノックされる。
「誰か使ってるの?」
 真由の声が入ってくる。
「あ、お姉ちゃんだ。お姉ちゃん、私、使ってるから。待って」
「……うん」
 真由は居間のほうに戻っていった。
「お姉ちゃん、いつもは遅いのに……」
「と、とにかく、何とか……」
 山中は懸命に体を起こそうとしたが、イチモツが中で刺激されて、力が入らなかった。
「あぅぅ……山中君、そんなに刺激しないで……またいっちゃうよ」
「ごめん、でも、抜けないんだ」
 二人は密着したまま、まったく動けなかった。十五分が経過する。真由は私服に着替えて、また浴室に来た。
「美由、まだ?」
「まだダメ」
「一緒でもいいよ。お母さん、遅いから、夕食の用意しないといけないから」
 真由は裸になって、ドアノブに手をかけた。
「ダメー!」
 美由が叫ぶ。けれど、ドアは開いて、真由が入ってきた。
「あ……」
「……」
「……」
 数秒の間、時間が停止する。真由は早くに立ち直って、
「えと……美由の彼氏?」
「う、うん、だから、ちょっと外で待ってて」
 真由は慌てて、浴室を出た。胸を押さえる。
 ――どうしよう、興奮してきたよ。二日もしてなかったから。
 佳織に言われて、二日も我慢していた。けれど、我慢できなくなった。ドアを開いて、中に入った。
「美由、私も混ぜてくれない?」
「えー!」
 山中は思わず、大声を出した。
 ――美由さんのお姉さんと……で、でも、お姉さんもすごく可愛いや。
「ダメ、お姉ちゃん。私の彼氏だから」
 美由は否定して、山中にしがみついた。イチモツがさらに奥に到達する。
「ちゃんと避妊具つけるから」
「そういう問題じゃないよ」
 美由は力を振り絞って、体を起こした。真由と向かい合った。
「今、体流すから、外で待ってて」
「……うん」
 仕方なく、真由は浴室を出て行った。

 部屋に戻る頃にはすっかり外が暗くなっていた。私服に着替えた美由はベッドの上に腰を下ろした。
「あ、あの、もう遅いから、僕そろそろ、帰るよ」
「え、もう帰るの? せっかくシャワー浴びたんだから……私の体食べてったら?」
 美由が恥ずかしそうに言う。
 ――もう三回もいったんだけどね。
「でも、お姉さんいるし、何か気まずいよ」
「お姉ちゃん、ご飯作ってるから大丈夫だよ」
 美由は下着に手をかけた。少しずらして、足を開く。
「ね?」
「あ……じゃあ、後一回だけ」
 ――何かとんでもないことをしているような罪悪感が……。
 山中は美由の上に跨った。目が合う。状態を落として、チュッとキスを重ねた。
「すごくいいにおいがする」
「お風呂入ったからだよ」
 美由の首筋に舌を這わせた。美由が敏感に反応する。
「……あっ」
「触るよ」
「うん」
山中はスカートの中に手を入れた。美由が下着をつけていないことに気付く。手探りで指を動かした。
――あ、ここだ。ゆっくり……。
「んあ……気持ちいい……よ」
「痛くはないの?」
「痛いけど……怖くないから。うん、怖くないから平気」
 美由は山中を引き寄せて、唇を重ねた。
 ――怖くない……か。
「ちゅ……ん……はぅ……」
 指に潤いを感じてきた。山中は唇を解いて、イチモツを取り出した。美由にあてがう。先端は熱く硬くなっている。
「痛いの、無理しないでね」
「うん」
 中を押し広げながら、イチモツが入っていく。
 ――そ、そういえば、中だしするのは本来ならまずいんだよね。気をつけないと。
 イチモツが奥まで到達する。美由は歯を噛み締めて、声を抑えとどめた。
「ちょっとずつ。痛かったら、やめるから」
「ん……大丈夫だよ。もっと近くに来てほしいな」
 美由が両手を伸ばす。山中はその手を握り締めて、上体を倒した。小刻みに腰を動かす。
「ん……く……ああん……すごく……感じちゃう」
「う……すごくキツイけど……痛くない?」
「うん……あぅ……」
 イチモツは奥まで入った。Gスポットだろうか、そのあたりを強く刺激した。
「あぅ……そこは……もういっちゃう……」
 ――ぼ、僕も……外で、外で出さないと。で、でも、中のほうが気持ちいいんだろうな。ダメだ、美由さんを大事にしないと……。
 射精直前に山中はイチモツを引き抜いた。美由の中はかなりドロドロになっていた。精子は美由の太もものあたりに飛び散った。
「うぅ……」
 美由は精子を掬い取って、見つめた。舌でぺロリと舐めてみる。
「変な味」
「む、無理して食べなくてもいいよ」
 美由は無理して、精子を口の中に含んだ。味を感じないようにして、飲み込む。山中は美由の隣に寝転んだ。美由が寄り添ってくる。
「もうちょっとだけ、こうしてよ」
「うん」
 山中は美由の頭を撫でた。

   七

「おりゃ!」
 足を踏み出して、拳を突き出した。鈍い音を立てて、木の板にぶつかる。痛い。徐々に痛みが強くなってくる。
「ぎゃあああ!」
 山中はその場に膝をついた。夜、パンチの練習をしていた。
「全然割れない……」
 空手家などが使う試し割りの板を購入してきたが、板はびくともしなかった。
「こんなんじゃ、美由さんを守れない。もう一発!」
 拳を突き刺す。今度は拳が擦りむけて、血が出た。
「うっぎゃああ!」
 練習を終えて、家に帰った。
「しまった。明日は小テストがあるぞ。右手三本も突き指しちゃったし、これじゃ勉強が出来ない」
 右手には包帯が巻かれている。指だけでなく、手首までも痛めてしまった。
「この手じゃオナニーも出来ないや。ま、いいか、美由さんがいるもんね」
 ベッドに転がって、伸びをした。今日のことを思い出す。
「うひゃー、思い出すだけで、気持ちよくなってくる。そういえば、美由さんのお姉さんも可愛かったなぁ。お姉さんとも……きゃー、何考えてんだ。それじゃ、浮気じゃん。でも、裸、見ちゃった……ダメだー、頭がおかしくなりそうだ」
 そうしているうちに眠りについた。

 翌日。山中はいつもどおり、学校に向かった。
「あれ、美由さん、まだ来てないのかな」
 ホームルームが近くなっても、美由は来なかった。
「おい、彼女、どうしたんだよ」
 イケメンが通り際、尋ねてきた。多の者はほとんど登校を終えている。
「風邪かなぁ、放課後、家に寄ってみよう」
 ホームルームが始まって、山中は前を向いた。

 西山と真由の祖母は道を歩いていた。
「すごいんすよ、とにかく。ヒカゾのベルニカとか、足塚修のホワイトクイーンとか」
「ほうほう、美術展を回るのは大好きじゃ」
 西山は携帯電話を取り出して、下辺に連絡を入れた。
「うまく連れ出したぞ。昼までは引っ張れる。ギャラは10だぞ」
「ああ、分かってるよ。よくやってくれたな」
 電話が切れる。
「ほんで、若いもんは何をやって生きておるんじゃ?」
「俺っすか? 俺は世界的画家バッホの生まれ変わりっすよ」
「ほう、こりゃたまげたわい」
 祖母はカッカッカッと笑った。

 時計は午前十一時を指していた。両親は仕事に行っている。姉は高校、祖母は美術展に行った。美由も中学校に行ったから、家には誰もいない。
 下辺は美由を誘拐して、美由の自宅に連れ込んだ。裸になって、交わっていた。
「んん……あん……すご……こんなにすごいの、初めてで……ん……」
 バックの体勢で二人は交わっていた。
「もっと突いてほしいか?」
「うん……もっと奥の……かゆいところ」
 イチモツが奥まで入ってくる。体液がその間からこぼれるぐらいにあふれ出てきた。
「あああ……変になる……いっちゃう、もういっちゃう……」
 絶頂に達して、美由は体を震わせた。
「次は立て」
 下辺は美由の腕を引っ張った。
「いた……もう抵抗しないよ。しないから、怖くするのはやめて」
「ほう、抵抗しないとはずいぶんな変わりようだな」
「大きいの入れてもらうのは、私も嬉しいから」
「へへへ、じゃあ、毎日突いてほしいだろ」
「うん……」
 美由は恥ずかしそうにコクリと頷いた。下辺の指が中に入ってくる。
「あっ……そんなに刺激するとまた……あうっ……」
 体液があふれ出てくる。下辺は美由を壁に押し付けた。
「あぅ……もう我慢出来ない……早く入れて……」
「自分で入れろや」
 下辺は腰を突き出して、美由の股に押し込んだ。美由は手を伸ばして、下辺のイチモツを掴んだ。
「んあ……」
 足を開いて、自分の中に導いた。
「あっ……あああん……あん……」
 美由は下辺にしがみついて、イチモツを奥まで押し込んだ。体液がドクドクとあふれ出てくる。
「ああ……ああぅ、こんなの……」
「出すぞ」
 下辺の腰の動きが速くなった。
「あああああ……もうダメ……こんなの、変になっちゃう……あぅぅ」
 精子が中で飛び出した。
 下辺は美由をベッドに戻した。再び挿入する。
「何回いった?」
「んあ……ろ……六回……」
「今日は十回、いかせてやるよ」
「あぅ……十回も……そんなにしたら、私……」
「嫌ならこれで終わってもいいんだぞ」
 下辺は美由の一番感じるところを刺激した。
「それはや……もっとたくさんいかせてほしいから……私から……離れないで」
 下辺はニヤリと笑って、腰の動きを速くした。

   八

「ふーん、じゃあ、三日目まで我慢したんだ。やるじゃない」
 休み時間、佳織がやってきた。真由が顔を上げる。
「でも、もう限界かも……今だって、すごく濡れてて」
「三日なんて、私だって簡単には我慢できないわよ。今日あたり解消しなさいよ」
 佳織は隣の席に座った。
「うん。誰かいい人いる?」
「このご時世だから、相手なら腐るほどいるじゃないの」
「エッチが上手な人がいい。今なら、すごく気持ちよくなれそう」
「ふーん……あいつ、貸してあげてもいいんだけどね、真由に鞍替えされたら、私が困るのよね」
 佳織は腕を組んで、考え込んだ。
「私、取ったりしないよ。絶対に」
「本能的なものだからさ、そうも行かないのよ。真由なら、絶対、中毒になるに決まってるから、やっぱりダメだわ、それは。代わりに朋子に言って、ひっぱて来てやるわよ。五人もいれば、十分でしょ」
「……私、たくさんの人とやるの好きじゃないよ」
「何で? 輪姦させるのが一番金になるんじゃないの」
「だって、愛がないもん」
 真由ははっきりと言った。
「援交にそんなもんいらないでしょ、普通」
「重要だよ、愛がないと気持ちよくないよ」
「なら、自分好みの奴を逆ナンでもしなさいよ。真由なら九割方成功するわよ」
「そっか、そうすればいいんだ」
「冗談で言ったのに、本気にしないでよ、まったく」
 放課後になる。今日も発表会の準備に二時間当てることになっている。
「で、本気でナンパするつもり?」
「うん、えっと、『一緒にエッチしませんか?』でいいかな」
「んなストレートに言うやついるか、普通」と佳織。
「じゃあ、『一緒にセックスしませんか?』のほうがいいかな」
「まったく一緒だから、それ。まあ、いいんじゃないの、それで。ちゃんと避妊、性病の予防はしときなさいよ」
 真由は廊下に出た。たくさんの生徒が放課後に残っている。
「この際だから、誰でもいいかも。あ、あの人、カッコいいかな」
 真由は歩いてきた二人組みの男子生徒に目をつけた。左側の男子生徒が真由の好みだった。
「俺さ、知代《ちよ》ちゃんに告白しようと思うんだけど」と左側。
「何言ってんだ、お前は学年ワーストワンの超ブサメンなんだから、無理に決まってるだろ」と右側がはっきり言った。
「残念、好きな人がいたんだ」
 次を探す。
「あ、あの人もカッコいいかも」
 前方からメガネの男子生徒が歩いてくる。手に何か持っていた。『ロリロリ萌え倶楽部』と書かれている。
「南ちゃんは俺のヨメだー! ロリバンザーイ、○学生バンザーイ」
「ぅぅ、もうお嫁さんがいるんだ。残念……」
「ちょっと、真由」
 佳織が真由を振り向かせた。
「あ、佳織ちゃん」
「あんた、それボケのつもり?」
「え、ボケてなんかないよ」
 真由は真面目な顔で否定した。
「あんたの感性、一体どうなってるのかしらね。あのね、誰から見ても、さっきの二人はブサイクに入るでしょ、普通」
「えー、すごくカッコいいのに?」
「まあ、いいけどさ」
「どういうのがカッコいいの?」
「例えば……あの人とか」
 佳織が指を差した男子生徒はそれなりのイケメンだった。
「あれ、尊《みこと》君だ」
「え、知ってる人? て、まあ同じ学年だから珍しくないけどさ」
「美術で一緒だから、何度かお話したことがあるの」
「へー、じゃあ、けっこういけるんじゃないの?」
「じゃあ、声かけてくるね」
 真由は尊のほうに近づいていった。
「まったく、真由を一人歩きさせたら、心配で夜も眠れないわね」

「尊君」
 声をかけると、尊が振り返った。
「ああ、真由さん、話すの久しぶりだね」
「えとね、一緒にセックスしませんか?」
「ソックスを買いに行くの?」
「うん、なかなか相手決められなくてさ」
「でも、僕、商品選びのセンスにはイマイチ自信がないんだよね」
「ううん、尊君なら、全然不足なしだよ。えっと、大きいですか?」
「大きいソックスを探してるの? どれぐらいの大きさ?」
「二十センチ以上だと嬉しいけど」
「あれ、二十センチって言ったら、普通の大きさじゃないっけ」
「え、じゃあ、もっと大きいの持ってるの?」
「僕んちには40センチ以上とか普通になるけどな。詳しくはかったことはないけど」
「えー、ほんとに? それはすごく触ってみたいな」
「触る? でも、ソックス触っても仕方ないよ」
「そんなことないよ、ぜひ、触らせて」
「まあいいけど、家だから、明日になるよ」
「今はないの?」
「今は僕のはかかとまでだから十センチもないよ」
「うぅ、急に小さくなった。ちょっと残念」
「女の子は長いほうが好みなの?」
「二十五センチもあると、すごく嬉しいです」
「そえぐらいなら、普通にあるよ。明日、持ってくるよ」
「じゃあ、今日は十センチでもいいよ。触ってもいい?」
「え? まあ、いいけど」
「じゃあ……えーっと、体育館にいこ、あそこ、人いないから。あ、そうだ、尊君は制服着たままか着てないほうかどっちが好き?」
「え? うーん、私服もいいけど、やっぱり制服のほうがいいかな」
「じゃ、早くいこ」
「うん」
 二人は体育館のほうに向かった。

「あ、あの、真由さん、こえは一体……」
 体育館の後ろの更衣室。尊がベンチに腰掛けると、真由はズボンのチャックを外した。イチモツが飛び出す。
「尊君、これ、十五センチぐらいはあるよ。良かった。これなら気持ち良さそう」
 真由は手で刺激して、先端を口に含んだ。
「わっ、真由さん」
「ん……ちゅっ」
 根元まで含んで、舌を器用に動かした。
「んあ……ちゅ……ちゅく……」
 イチモツは一気に硬くなった。真由は口から出して、自分の下着に手をかけた。
「尊君、もうこんなに濡れてるの……。だから、早く入れてもいい?」
「え、わっ!」
 下着からは体液が水滴のように落ちた。真由が足を開いて、ベンチに寝転んだ。
「制服が好きなんだよね。いいよ。このままぐちゃぐちゃにして」
「いいんですか?」
「うん、早く。激しくしてね」
 尊は真由の股を割って、イチモツをあてがった。クチュッと音がはじけた。
「う……ん……あっ……」
 スルリとイチモツは真由の中に含まれていった。
「わっ、す、すごい、こんなに」
 軽く動くだけで、射精しそうになった。
 ――こ、これが名器というものなのか……。
 尊は取り付かれたように腰を動かし始めた。
「ああん……すご……すごく気持ちいいよ……やだ……すぐ感じちゃう」
 体全体に快感が伝わってくる。真由は足を閉じた。
「真由さん、ちょっとヤバイくらいに閉まってる」
「尊君、狭いところ、こじ開けるようにしてほしいの、お願い」
「わ、分かった」
 尊は力いっぱい、腰を進めた。
「うあ……すごく擦れて……これダメ……こんなの簡単にいっちゃうよ……」
「真由さん、すごすぎです。も、もう、我慢できない」
 尊は中で射精した。狭いところを押し広げて、奥に精子を送り込んだ。
「うわぁ、すごかったよ」
 イチモツが引き抜かれる。ドロリと精子がこぼれてきた。
「あぁ……まだ全然足りない」
 真由は四つん這いになって、お尻を突き出した。
「尊君、今度は後ろからお願い。どっちの穴に入れてもいいから」
「は、はい」
 尊はやや萎えたイチモツをお尻のほうにあてがった。ゆっくりと押し進めていく。
 ――こ、この感じ。ほ、本物の名器だ。真由さんって一体何者?
「う……んん……いいよ、もっと奥に……」
「すごく気持ちいいです。また、中に……」
 イチモツがだんだん大きくなってくる。尊は腰を押し付けて、奥のほうに射精した。
「はあ……尊君、まだ出来る?」
「な、何とか」
「見せて」
真由は尊に向き直って、イチモツを掴んだ。シコシコと丁寧に刺激する。魔法でもかかったように硬く大きくなってきた。
「まで出来そうだね?」
「すごい……」
 真由は横向きにベンチに横になった。足をわずかに丸めた。
「後ろから抱きしめて。私の一番好きな体位なんだよ」
「え、えっと、こうですか」
「うん、手を回して、胸を……うん……そんな感じ」
 尊は横向きに寝転んで、真由に密着した。
「ん……入れて。突き上げる感じでしてくれると、すごく気持ちいいの。お願い」
「う、うん」
 真由の太ももを丸めて、イチモツをあてがった。まだ十分も経っていないけれど、三回も射精している。
 ――まるでサキュバスみたいだ。すごい人が世の中にはいるんだ。
 尊は感心しながら、イチモツを押し込んだ。
「ひゃ……あん……これがやりたかったの……あぅぅ……気持ちいいよ……」
「真由さん……」
 手で真由の胸を掴んだ。小さめで弾力性がある。
「ああん……力が抜けちゃう……ああ……ほんとにいっちゃう」
 尊は真由の首筋に顔を埋めた。腰の動きを速くする。
「うぅ……奥にきてる……ああ、ダメ……いっちゃう……」
「あー、ごめん、また中に……」
 ドクドクと勢いよく精子が飛び出した。
「うあ……こんなに気持ちいのは初めて……かも」
 真由は脱力して、目を閉じた。

 尊と別れて、真由は女子トイレに入った。
「あぅ……下着、ダメになっちゃった」
 ティッシュで精液などをふき取って、下着をつけようとしたが、水に浸かったようになっている。
「穿いてなくても大丈夫かな」
 ノーパンのまま、トイレを出る。
「そうだ。調べものしなきゃいけないんだった」
 性欲を解消することに夢中になっていて、忘れていた。すぐ図書室に向かった。かなりの人が訪れている。みんな椅子に座って、静かに調べ物をしていた。教師が目を光らせているから喋れないのだろう。
「あ、良介君いた」
 良介は本棚の前で何やら本を読んでいた。真由に声をかけられて、ドキリとした。
「ごめん、遅くなって」
「え、あ、いや。別に」
「何の調べものしてたの?」
「何となくゴミ問題について調べようと思って」
『ゴミ問題2003』『限りある資源』『危険! 南極がなくなる』などと色々な本がある。真由もひとつ取って、パラパラとめくった。
 ――ダメだ。真由さんといると、この前のことを思い出しちゃう。結局、真由さんの秘密を知ることは出来なかったけど……き、今日もエッチ出来るかな。
 期待してしまう。いけないと思って、良介は首を振った。真由は誘ってくることもなく、本に夢中になっている。
 ――真由さんのスカート……膝上二十センチぐらいあるよね。ここからだと誰からも見えないし、ちょっと触ってみようかな。真由さんなら、怒ったりしないかもしれないし。
 良介は真由の背後に立った。衝動に押されて、手が動く。せめて、太ももをなぞるだけでもいい。
 ――や、やばい、先生だ。
 良介は驚くほどの速さで反対方向を抜いて、本を取り出した。教師が間を抜けていく。
 ――た、助かった。
 振り返ると、まだ、真由は本を読んでいた。
 ――いいよね。真由さん、前にまたエッチしてもいいって言ってくれてたし。いいよね、真由さん。ちょっとだけ。ね。
 良介は真由の背後について、ゆっくりと手を動かした。真由のスカートの中を目指す。指先が真由のお尻に触れた。
「あ……」
 真由が反応する。少し振り返って、
「り、良介君か。びっくりしたよ」
「あ、あの、人が来たらすぐ離れるから、このまま触っててもいい?」
「うん」
 案の定、真由は拒否しなかった。
 ――や、やったぞ。真由さん、ありがとう。
 良介は指を進ませて、クリトリスに到達した。
 ――真由さん、下着つけてない? いつもつけてないのかな。
 クリトリスをゆっくり刺激した。軟らかい。中はすでに濡れていた。
「あ……」
 真由は本を読む振りをして、声を押し殺した。
 ――痴漢って、こんな感じなのかな。
 真由の中に指を入れていく。液のはじける音がした。
 ――わっ、すごく濡れてる。
「はぅぅ……」
「真由さん、もう我慢出来ない」
「え?」
 良介はイチモツを取り出して、スカートの中に潜ませた。先端が割れ目に密着する。
「こ、こんなところで……」
「真由さんは本、読んでて。人が来たらやめるから。後は声は出さないで」
「ん……」
 真由の中にイチモツを押し込んでいく。体液が数滴、床に落ちた。真由は本を読む姿勢のまま、口を閉ざした。
「う……入った。動くよ、真由さん」
「あっ……声出ちゃうよ……んああ」
 真由は体を折って、本棚にしがみついた。本が床に落下する。良介は真由の腰を押さえて、小刻みに動いた。
「あ……あん……気持ちいいところに……当たってるよ……」
「ごめん、もう止まらない。真由さん……」
 体全体が熱くなってくる。体液はドクドクと溢れて、床に落ちた。
「いや……気持ちいいところに擦れてくる……そんな恥ずかしいところまで……ダメ、いっちゃう……あぅぅ……」
 良介は腰を打ち付けて、中で射精した。
「はあ……」
 良介はイチモツを引き抜いて、あたりを確認した。ばれなかった。ホッとする。
「真由さん、大丈夫ですか?」
「うん……早くトイレ行かないと、こぼれちゃう……」
「あ、えっと、こっちから抜けると、人いないよ」
 真由は急いでトイレに向かった。
「ぅぅ……精子が混ざっちゃった……」

   九

 教師が下校を呼びかける時間になった。午後五時半。真由は帰り際、佳織と出会った。
「ああ、真由。直帰の予定?」
「うん、帰って夕飯作んないといけないから」
「いつも、真由が料理作ってんの?」
「お母さん、しばらく仕事で帰りが遅くなるから」
「あー、なるほどね。で、ナンパはうまく行ったの?」
 校門を出て、道に出た。すでに暗くなっている。
「うん、四回もいっちゃった」
「へー、そりゃまた頑張ったわね。さすがの真由も満足したのかしら」
「うーん、またエッチしたくなってるけど」
「まあ、それぐらいにしときなさいよ。じゃ、私も一発頑張ってくるか」
 佳織は伸びをして、国道の下道に入っていった。
「じゃあ、バイバイ。いい人がいたら教えてね」
「真由の好みの人だったらね」

 家が暗い。誰もいないのだろうか。真由は玄関から中に入った。
「美由いるんだ。玄関の明かりぐらいつければいいのに」
 電気をつけて、中に入る。居間に荷物を降ろした。祖母はいない。美由は二階だろうと思った。
「お帰りなさい、お姉さま」
 低い声がした。振り返ろうとして、体を押さえつけられた。
「だ、誰?」
「さあ、誰でしょう」
 暗闇の中で顔は見えない。男は真由を前に抱えて、階段に足を踏み入れた。明かりがつく。西山だった。
「泥棒」
「泥棒よりもっとたちの悪いお兄さんだよ。声を出したらぶっ殺すぞ」
 階段を上って、美由の部屋に入った。水がはじけるような音が響いている。明かりはついていなかった。中に入ると、精子のにおいがした。
「おい、下辺、お姉さまのほうを連れてきたぞ。こっちはやらしてもらってもいいんだな」
「ああ、いいぞ」
「美由……の友達?」
「友達に見えっか、ボケ。明かりつけて、乱交パーティーだ。四人しかいねえけどな」
 西山が明かりをつける。
「あぅぅ……」
 美由は裸でベッドに横たわっていた。体中、精子塗れになっている。
「美由……」
「お姉さんの相手は俺だ」
 西山は床に真由を押さえつけた。上に跨る。
「おお、見ろよ、お姉さまは下着つけてないぜ。いやらしい」
「やあ……だ、誰なんですか?」
「誰だっていいだろ。やることは分からねえよ」
 西山は真由の中に指を押し込んだ。唇を奪って、舌を入れる。
「んっ……あ……は……」
 下辺は美由の足を開いて、イチモツを挿入した。
「何回目だ?」
「あああ……十六回……んあ……」
 中はドロドロになっている。下辺は勢いよく腰を動かした。
「あ……気持ちいい……」
「お姉さん、すげー、濡れるのが早いぜ」
 西山は指を抜いて、真由の足を広げた。
「ダメ……入れちゃ……今は……感じちゃうから」
 西山のイチモツが入ってくる。
「うお、こいつすげ。一気に動けるぞ」
 西山は大胆に腰を打ちつけた。奥に浸透して、中を押し広げていく。
「ああ……これもすごい……ダメ、そこ擦っちゃ……ああん……ダメ」
 クチュクチュとセックスの音が響く。
「中で出すぞ」
 西山は勢いよく中で射精した。
「うぅ……奥に届いてる……」
 イチモツが引き抜かれる。
「おい、下辺、チェンジしろ」
 下辺は真由をベッドの上に移動させた。二人を四つん這いにさせる。真由は美由のほうを向いた。
「美由、何でこんなことに」
「うぅぅ、分かんない。でも、気持ちよくて……」
 西山はイチモツを美由にあてがって、こすり付けた。
「うあ……じらさないで早く……入れて」
「ほしいのか? この淫乱」
「うぅ……だって、中がムズムズして我慢できないから……ああぅ、かゆいよ」
「勘違いするなよ。お前らのために、俺らは入れてやってんだからな。逆に感謝しろよ」
「あう……ありがと」
「それでいい」
 西山はイチモツを押し込んだ。何度も中だしされて、中は精子でいっぱいになっている。下辺は真由にイチモツをあてがった。
「行くぞ」
「あん……入れて……もう好きなだけ、入れて……」
 素早く腰を打ち付ける。
「ん……気持ちいい……もっと奥まで……んあ、そこ……」
「オラ、出すぞ」
「ああん……もう好きなだけ出して……全部受け止めるから」
 真由はお尻を突き出して、ベッドのシーツを掴んだ。

「美由さん、そろそろ帰ってるかな」
 午後七時になる。学校の帰りに家に寄ったが、留守だった。山中は自室でボーっとしていた。
「家に行ってみよう。もしかしたら、何かあったのかもしれない」
 ジャンバーを着て、家を出る。自転車をこいで、美由の家に向かった。

「ただいまー」
 父が帰宅した。その物音に気付いて、西山は美由の体からイチモツを抜いた。
「今度は一家の大黒柱か」
 西山は裸のまま、部屋を出て行った。
「西山が首尾よくやってくれるだろ」
 下辺はバックで真由の中を抉った。抉るほどにきつく締まってくる。
「んんんん……もうダメ……力が入らない」
 真由は虚ろな目のまま、イチモツを受け止めていた。
「腹減ったぞー、真由、飯は?」
 父が食卓につく。西山は背後からゆっくりと近づいた。
「腹が減ったら、これでも食らいやがれ」
「む?」
 西山が拳を振り落とした。父は素早く反応して、拳を受け止めた。
「泥棒アンド変態だな。正義の鉄拳を受けよ」
 ドンと鈍い音がして、西山は宙に浮いた。一メートル後ろに倒れこんだ。西山は一撃で気絶した。
「真由? 無事か? ひょっとして、乱暴されてないだろうな」
 一階から父の声がした。下辺は真由から離れて、ドアを開いた。
「何やってんだ、西山の奴」
 下辺はフルチンのまま、階段を下りた。ゆっくりと一段ずつ下りる。突然、男が姿を現した。
「な、何だ、お前は?」
「冗談じゃない。こっちのほうがそう言いたくなるよ」
 真由の父は突き一発で下辺を吹き飛ばした。お腹に強烈な痛みを覚える。息が出来なくなった。
「真由無事か?」
「ん?」
 腰がガクガクと震えて、ほとんど動けなかった。父が中に入ってくる。
「お父さん」
「あいつら……僕の可愛い娘たちに何てことを。真由、美由、しっかりしろ」
 父は二人に布団を被せた。山中が美由の家に到着した。パトカーが何台も止まっている。
「ま、まままままま、まさか、殺人事件。嘘だー! 美由さーん!」
 美由は無事だったが、美由の父親に尋問されることになってしまった。
Posted by K5 ◆Gy/l3.HlSE at 2010年09月12日 23:58
 物音はない。真由と美由は食卓の椅子に座って、父親と向かい合った。父の隣に山中がいる。
「すべて詳しく話してもらうぞ」
「だから……その……家に帰ったら、偶然で……」
 真由が言いにくそうに話し始めた。
「父さんに嘘をつくんじゃないぞ。父さんもお母さんと協力して、真由と美由を産んだんだ。体を見れば分かる。はじめてじゃないな」
 父の目は真剣だった。真由と美由を交互に見つめた。
「……」
 美由は黙っていた。山中はかすかに顔を上げて、美由のほうを見た。
「真由、どうなんだ?」
「それは……」
「はじめてじゃないな。どこでどんな関係を持っていたか、全部話しなさい」
「だからそれは……私の問題で、お父さんは関係ない」
「関係ない? こんな大事なことが関係ないというのか? お父さんが個人的に全部調べてもいいんだぞ」
 父の口調がかなり強いものになった。父の目が山中のほうを向く。
「君は? 美由とどの程度の付き合いをしているんだ? 正直に答えなさい」
 山中は美由のほうを見た。美由は俯いたまま、目に涙を溜めている。
「それはその……キスぐらいまで……」
「それ以上はしていないんだな。嘘ではないだろうな」
「えと……その先もちょっとだけと言うか……」
「何だって? はっきり言いなさい」
 山中は目線を下げた。はっきり、四回中だししたと言えばいいのだろうか。
「胸を触るとか……も、ちょっとだけ……」
「それだけか? 全部答えなさいと言っているんだぞ」
 父の口調がまたさらに強くなった。
「一回ぐらい……」
「山中君とはエッチしました。好きだから、しました」
 美由が俯いたまま言う。父は怒りを抑えるようにして、椅子に座った。
「真由は?」
 また、真由のほうに質問の矛先が移動した。
「一回だけ……その」
「相手は?」
「相手は……」
 真由は俯いた。相手はたくさんいる。名前を知らないものもいる。
「相手は誰だ? はっきり言いなさい」
「クラスメートの男の子と……」
「名前は? どこの地域に住んでいるものだ?」
「……」
「はっきりしなさい」
「もういいよ。私の好きな男のことエッチなことしました」
 真由はそう言って、頭をテーブルに置いた。父親の表情が難しいものになる。
「金輪際、関係を持ってはいけない。美由、真由、分かったね」
 美由も真由も何も言わなかった。
「返事は?」と父が怒鳴る。
「お父さんには関係のないことだよ」
 真由は叫ぶように言った。
「何ぃ?」
「私がいるのはお父さんとお母さんがエッチなことして、産んだからなんでしょ。私だって好きな人が出来たら、エッチなことだってするよ。しないほうが変だよ」
 話はますます険しい方向に進みそうだった。

   十

「はあ……」
 真由は溜息をついた。佳織が席にやってくる。
「なに溜息ついてんのよ」
「うん、お父さんにばれちゃって。もうエッチなことをしちゃだめだって」
「うわ、親に援交ばれるって、最悪の展開ね」
「これからは定時に帰って来いって」
 真由はまた溜息をついた。英語辞書を引いて、英単語をノートに書き出した。
「そんなもの、適当に誤魔化せるでしょ。居残りして遅くなったとかさ」
「誤魔化せる雰囲気じゃなかったから」
「じゃあ、これから、真由は来れないわけか」

 下辺と西山が逮捕された事実は学校中に広まっていた。美由は山中を人気のないところに呼び出した。
「あのね、昨日のことだけど」
「うん、もう美由さんに会っちゃいけないって」
「そんなのね、お父さんの言いなりにならなくてもいいんだよ。それに、学校にいる間ならお父さんにも分からないし」
「それはそうだけど……」
 山中は困ったように顔を背けた。あんなにはっきり会うなと言われると、恐怖さえ感じてしまう。
「だからその……放課後とかに、エッチ……出来るよ」
「あ、いやでも……お父さんにばれると、大変なことに」
「見つからないよ。見つからなかったら平気だから」
「……」
 誘われると、断れなくなる。山中はコクリと頷いた。
 教室。昼休みに入っていて、賑やかな雰囲気に包まれていた。
「あいつら、逮捕されたって、何を仕出かしたんだ?」
 マサが一族に尋ねた。
「さあ、強姦罪か何からしいけどな」
「ともかく、あいつらがいなくなってくれてホッとしたぜ。それより、山中のやろう、まだ続いてるのか?」
「そうみてえだぞ、昼休み、一緒に出てったところ見たからな」
「まったく不愉快だぜ。離間作戦を講じてやるか」
「何をすんだ?」
「心理作戦だ。強引に引き裂くんじゃ面白くねえだろ。徐々に山中の欠点を晒していくんだよ」
「けど、斉藤美由は思った以上に手ごわいぞ。強姦しても懲りないし、これ以上、手荒なことをすると、俺達も逮捕だ」
「それを突き崩すからやりがいがあるんだろ」
 マサが立ち上がる。
「そんでもって、斉藤美由を俺たちのものにするんだ。部のマネージャーにしてやる」

 放課後になる。
「山中君、行こ、こっち」
「あ、うん」
 二人が教室を出て行く。マサの一族が後を追った。トランシーバーを取り出す。
「こちらA、目標を追跡する」
「よし、うまくやれよ」
 一族は慎重に二人の後を追った。校舎を出て、体育館のほうに向かう。隣にプールがあって、プールサイドにある物置に入っていった。
「こちらA、目標をプールに追い込んだ」
「よし、回りに人はいないか?」
「いない。いや、知らないおばあさんが道を歩いている。ジョンという名前が似合いそうな犬を連れている」
「よし、一旦、やり過ごせ」
 一族は壁にもたれて、犬と飼い主の通過を待った。学校の後ろの道からプールは丸見えだった。
「やりすごし成功。これより、何をしているのか、覗きを試みる」
 一族は壁越しに中を覗いた。
「ん……ちゅ……舌入れてきて……」
 二人は床に座って、体を寄せ合って、キスをしていた。
「こちらA、大変だ。至急、応援を頼む。いや、その前に、今度は猫とその一族が道を通っている。名前はクロか、黒猫の類と思われる」
「やり過ごせ。飼い主の顔は?」
「まるでブルドッグです」
「あ?」
 ブルドッグが気付いて、こちらをにらみつけてきた。
「にらまれました。しばらく、やり過ごします」

 カッターシャツのボタンを上から順に外していく。ブラジャーに手をかけた。
「触ってもいい?」
「うん」
 美由は山中のほうに体を寄せた。山中はブラジャーを外して、手のひらで胸に触れた。指先で乳首に触れる。
 美由が顔を上げて、キスを要求してくる。そっと唇が重なった。
「ん……」
 山中はスカートに手をかけた。ホックを外して、スカートを取り除く。下着の上から柔らかいところに触れた。
「んん……」
 美由が舌を入れてくる。美由の手が動いて、山中の股間に触れた。
「見てもいい?」
「あ、はい」
 美由はチャックを下ろして、ゆっくりイチモツを取り出した。興味深そうな目で観察する。手で優しく上下した。
「口に入れてもいい?」
「口って……でも」
「お願い?」
 物欲しげな目で見上げられて、「はい」と答えるしかなかった。美由は包み込むようにイチモツを含んだ。
「ん……ん……」
 先端を舌がなぞった。何度も小さく反応する。山中は真由の肩を抱きしめた。
 ――こんなことをして、してもいいのかな。ばれたら、美由さんのお父さんに。そういえば、美由さんのお父さんはすごく強いって。
 少し怖くなった。けれど、体は美由に興奮していた。
「ちゅっ……ん……」
「……」
 美由が何度も吸い上げてくる。美由の表情を見ていると、興奮は収まりそうもなかった。
 ――可愛い。可愛すぎる。こんなふうにされたら誰だって……。
「んん……ちゅ……」
 美由は口から外して、イチモツの上に跨った。
「あのあの、美由さん」
「お願い、このまま」
 美由はゆっくり腰を落として、自分の中に押し込んだ。周囲を押し分けて、イチモツが中に入っていく。
 完全に入る。山中は後ろにもたれかかった。美由の体を抱き寄せる。
「うあ……あん……山中君……」
 美由は山中を押し倒して、ゆっくり腰を動かした。クチュクチュと音を立てて、イチモツが何度も動く。穴が広がっていく感じだった。
「美由さん……僕、美由さんのこと、好きだよ」
 山中は美由の背中に手を回した。唇を重ねる。
「ん……ちゅ……あぅ……私も好き……」
 美由は腰の動きを早めた。前方に体を乗り出して、胸を押し付けた。山中の唇が乳首に重なる。
「うぅ……気持ちいい……よ……きゃ……」
 突然、山中は射精した。ドクドクと大量の精子が飛び出す。
「ご、ごめん、気持ちよくて……」
「うぅ、早いよ。私、まだ全然。うぅぅ……全然いってないのにぃ……」
「ご、ごめんなさい。あの、ちょっと待ったら、回復するかも」
 イチモツを引き抜く。
「早く回復させて」
 美由は山中に擦り寄って、イチモツを激しく刺激した。
「あ、あの、美由さん、千切れちゃうって」

 マサとその一族はすぐにプールに駆けつけた。
「ここか。よし、入れ」
「え、俺が先っすか?」
「そうだよ」
 一族の一人がこっそりと中を覗いた。美由がボード板の束にしがみついて、山中が後ろから突き上げていた。
「けっ、味な真似をしやがる」
 一族は勢いよくドアを開いた。山中はビクリと反応した。美由は無我夢中でボード板にしがみついている。
「楽しそうだな。後は俺たちが引き継いでやる」とマサが出てくる。
「マ、マサ君……ダメだ。美由さんは僕の」
「何だと? ぶっ殺されたいのか?」
 全員柔道部だ。敵うわけがない。けれど、美由を守りたかった。山中はズボンを整えて、美由を庇うように立ち上がった。美由は虚ろな目で振り返った。
「山中君、ダメ……逃げて」
「逃げたら男じゃなくなっちゃうから。弱くても僕の大好きな子を守るんだ」
「寒いドラマみたいなこと言ってんじゃねえ。さっさとどけや」
 マサのパンチが飛んでくる。山中はあっさり吹き飛ばされた。山中の目にブラシが飛び込んできた。
 ――そうだ、これで戦えれば。よーし。
 山中は立ち上がって、ブラシを持ち上げた。
「うわああ!」
 不意打ちになる。マサの頭にブラシが落ちた。マサはげっそりして、その場に蹲った。
「うわああ!」
 一族にも襲い掛かる。
「やべえ、こいつ、キレてやがんぞ」
 一族はさっさと逃げていった。
「美由さん、こっちに」
 山中は美由の腕を掴んで、プールから飛び出した。美由のカッターシャツははだけていて、胸が露出している。けれど、そんなことを考えている暇はなかった。
 プールを出たところで、教師と出くわしてしまった。
「貴様、何をやっている。犯罪だぞ!」
「違います。事故です。事故!」
 以下略。

   十一

 真由は大人しく発表会の調べものをしていた。図書室から本を借りてきて、良介と向かい合った。教室には人が多い。カップルが数組いて、楽しそうに会話していた。そのおかげで、真由はほとんど目立たなかった。
 良介はチラッと顔を上げた。真由は本を読んでいる。
 ――き、期待していいのかな。
「あの、真由さん」
「え、なあに?」
 真由が顔を上げる。良介はその可愛さに圧倒された。
「いやあの……ちょっと人のいないところに行かないかなとか、なんちゃって」
 ――馬鹿か、僕は! それじゃ、一緒にやろうと言ってるみたいなものじゃん。
 良介は硬直した。
「私もそうしたいけど、今はダメなの。ごめんね」
 真由は申し訳なさそうに謝った。
「あ……生理とか、そういうのですか?」
 ――何というデリカシーのないことを訊いているのだ、僕は……。
「あ、そうじゃないよ。ちょっと家庭の都合があるだけ」
「そ、そうなんだ」
 ――家庭の都合ってなんだろ……知りたい。でも、訊いたら、今度こそ、軽薄な男だと思われちゃうかも。
 良介は黙り込んだ。気を紛らわせるために本を開いた。結局、調べ物をするだけで終わった。

 真由はまっすぐ帰宅した。今日も母は遅い。仕事で遅いのだと言っていたが、毎日のように午前0時を回っている。
 帰ってすぐ、夕飯の用意を始めた。そのとき、携帯電話が鳴った。
「あ! 浩二さんからだ」
 真由は慌てて、電話に出た。
「もしもし、真由です」
「やあ、真由ちゃん、時間の都合は良かったかな」
「はい、でも、ひどいです。毎日メールしたのに」
 真由は椅子に腰掛けた。
「ごめんごめん、仕事が忙しくて、ずっと携帯をもてなかったんだ。それでね、仕事が一段楽して、一日か二日だけ休みが取れそうなんだ。良かったら、会わないかと思ってね」
「うんうん、会いたい。すごく会いたいよ」
「真由ちゃんは明日学校は休みかな?」
「明日、休みだよ。明後日も」
「そうか、それでね、僕、R市の小さな旅館にいるんだ。お金はこっちでもつから、泊まりに来ないかい? 電車で二時間ぐらいの場所なんだけど」
「うん、絶対行く。今日から言ってもいい?」
「今日かい? いいけど、ずいぶん遅くなるよ」
「大丈夫。じゃあ、すぐ家出るね」
 電話を切る。真由は慌てて、服を取り出した。
「露出度は高いほうがいいよね。スカートはミニで生地が薄いもの……これだ」
 着替えている最中に美由が帰ってきた。
「お姉ちゃん、おかえり」
「おかえり、私、しばらく出かけるから、後のことは美由に任せるね」
「え、どこに行くの?」
「友達のところ。じゃあ、もう行くから」
 バッグを持って、真由は部屋を出て行った。
「……」
 美由は遠い目で見送った。
 真由は家を出たところで、父と出くわしてしまった。
「真由、何だ、その格好は。どこに行くつもりだ?」
 昨日、あんなことがあったばかりだ。真由は返答に困った。
「と、友達のところだよ」
「本当だろうね。いや、そんな格好をしているから怪しい。家に入りなさい」
 父は真由を家に戻した。表情がかなり険しくなっている。
「真由も美由も裸になって、テーブルの上に座りなさい」
 父が突然、とんでもないことを言い出した。
「え?」
「裸になって、座りなさいと言ったんだ。早くしなさい!」
 口調が強い。二人はその声に押されて、服を脱ぎ去った。下着だけになる。
「下着も取るんだ!」
「な、何でこんなこと?」
「確かめるんだ。父さんの言ったことを守ってるかどうか。早く脱ぎなさい」
 無茶苦茶だと二人は思った。けれど、反抗できるような雰囲気ではない。いつも、穏和な父がこんなに怒鳴るとは思わなかった。
 二人は下着を脱いで、全裸になった。言われたとおり、テーブルの上に座った。
「よし、股を開いて。まずは真由から」
 父は真由の足を広げた。中を凝視する。指でクリトリスのあたりを触れてきた。
「あ……」
 それだけで、濡れてくる。
「何だ、これは」
「あぅ、だって、そんなに見られたら……」
「普段からそういうことを考えているからだ」
「そ、そんな……」
 父は突然服を脱ぎ始めた。全裸になって、イチモツが露出した。
「……」
 真由は思わず、息を呑んだ。大きい。あんな大きいものから自分は産まれたのだろうか。背筋がゾッとした。
「そういうことを考えられないように性欲を解消しておかないとな」
 父はそう言って、真由の体にイチモツをあてがった。
「あ……ああ……」
 イチモツがめり込んでくる。相手は父親だ。
「ああ……お父さんの……そ、そんなの……」
 父のものが奥まで入ってくる。感じてはいけないと思うけれど、中は加速度的に濡れてくる。すぐにグチャグチャになった。
「悪い子だ。こんなに濡らして」
 父は真由の太ももを押さえて、腰を動かし始めた。美由は黙って、その光景を見ていた。
「んあ……あん……こんなの……ダメ……やぁ……」
 奥のほうが擦れるたびに、真由は快感を覚えた。
「どんどん感じなさい。性欲がなくなるまで」
「んああ……すごい……お父さんの……あう……いっちゃう」
 何度も抉られて、精子が中に入ってきた。自分のDNAの入っている精子。
「あう……」
 真由はビクビクと体を震わせた。
「次は美由だ」
 同じ要領で、中を覗く。指で押し広げて、奥の奥まで光が入ってきた。
「ん……や……」
「美由、誰としたんだ?」
「誰とも……してない」
「嘘を言ってはいけない。こんなに精子が溜まっている。これは誰の精子だ?」
 父は奥に指を入れて、精子を掻き出した。
「そ、それは……」
「誰のものか聞いてるんだ」
「うぅ……」
 美由は目に涙を溜めた。真由は横目で美由のほうを見た。早くここから抜け出したい。けれど、父がいるからおとなしくしているほかなかった。
「昨日の男か?」
 美由はコクリと頷いた。
「あれだけ言ったのに、何てことを。性欲を解消させないとな」
 父は指でクリトリスをいじった。巧みに指を動かす。
「や……ああ……あぅぅ……」
「だんだん濡れてくるぞ。悪い子だ」
 父は美由を床に下ろして、後ろを向けた。美由は上体をテーブルを預けた。後ろから父のイチモツが入ってくる。
「やあ……大きい……ああん……」
「さあ、たくさん感じるんだ。性欲を解消させないとな」
 パンパンと父は腰を動かしてくる。山中の精子を撥ね飛ばす勢いだった。
「いや……ダメ……あん……奥が擦れてる……あん……」
 体が熱くなってくる。
「やん……ああ……出てる……」
 精子が子宮の中に入ってくるのが分かった。お腹の中が熱い。
「さて、真由」
「は、はい」
 父が再び、真由のほうに目を移した。
「どこへ行こうとしていたのか言いなさい」
「……友達の……」
「嘘をつくな!」
 父の声が部屋中に響き渡る。真由は思わず、目を閉じた。
「誰とこんなことをしようとしたんだ?」
「それは……」
「きちんと答えなさい!」
「友達と……」
「まだ嘘を言うか!」
「友達のところにエッチしに行こうと思ってました」
 叫ぶように真由が答える。父の目がまた険しくなった。
「悪い子だ」
 父は真由の腕を掴んだ。
「さあ、なら行こうじゃないか。友達のところへ」
「え?」
「さあ、首輪をつけて。犬になっていけば怪しまれない。さあ、犬の格好をするんだ」
 父は真由の首に首輪をつけた。どこから取り出したのだろう。
「さあ、散歩に行くよ」
「うぅ……」
 真由は四つん這いになった。父は服を着て、真由を外に連れ出した。やや冷え込んでいる。真由は体を丸めた。
「さあ、犬なら、犬のように歩くんだ」
「うぅ」
 コンクリートに膝を置くのは苦だった。かなり痛い。父はお構いなしに縄を引っ張った。鎖に繋がれていて、真由は引きずられるようにして民家の道に連れ出された。
 暗いので、よくは見えない。人とすれ違ったが、ばれることはなかった。公園につく。
「さあ、ベンチに座りなさい」
「うぅ……」
 真由はベンチに四つん這いになった。お尻を突き出す。父はイチモツを取り出して、お尻のほうにあてがった。
「あぅ……」
「悪い子だ。こんなにエッチになって」
 イチモツが入ってくる。かなりの大きさだ。
「やん……お父さんと……こんなこと」
「お父さんとこんなことをして、感じるなんて、本当に悪い子だ」
 奥まで入ってくる。真由は強く目を閉じた。
「ああ……そこ……あん……」
「真由がいい子になるようにいっぱい中に出さないとな。心を真っ白にしないと、いい子にならないからな」
「やあ……そんなの関係ない」
 父はお構いなく中で射精した。

 家に戻ったのは午後八時過ぎだった。真由は部屋に閉じこもって、携帯電話をかけた。
「浩二さん、ごめんなさい。今日はいけそうにないの」
 ベッドに転がる。まだアソコのあたりがムズムズした。
「そうか、まあ急がなくてもいいよ。明日も休みだから」
「明日は絶対に行くから。行ったら、たくさんエッチしてね」
「ははは、まいったな」
 明日は父も休みだ。父を出し抜いて、外に出られるか。それが問題だった。

   十二

 翌日。体に重みを感じて、真由は目を覚ました。同時にスカートの中、下着の奥が冷たい空気に晒された。
「え?」
「確認しておかないとな。見せなさい」
 父は真由の股を開いて、中を覗きこんだ。指で中を押し広げていく。
「悪い子だ。また濡れている」
「そんな……お父さんがいじるから……」
「人のせいにするな。全部、舐め取らないといけないな」
 父はそう言って、舌をあてがった。中へと舌を忍ばせていく。
「いやあ……」
 舌が中で器用に動いた。感じるところを刺激されて、一段と濡れてくる。
「また濡れてきた。悪い子だ」
「そんなにするから……だよ。やあ……」
 一時間も吸い取られた。
「まだ濡れている。悪い子だ」
「うぅ……」
「美由のところに行ってくる。それから続きだよ」
 父が部屋を出て行く。チャンスは今しかない。部屋にあった服に着替えて、真由は慌てて、家を出た。小走りで駅に向かった。

 新聞にも記載された。
『違法風俗店、一斉摘発』
 その経由で、援助交際をしていた女子高校生が強い注意を受けていた。佳織はしばらくその方面を離れていたので、注意を受けることがなかった。
 佳織は猫巻のところを訪れた。猫巻はアパートの一室で過ごしている。かかる生活費は佳織に任せきりにしている。
「やあ、佳織ちゃん。腹減ったよ。何か作って」
 猫巻はベッドの上で競馬新聞を読んでいた。今日もレースがあるらしい。
「カップラーメンでも勝手に作りなさいよ」
 佳織は猫巻の隣に座った。
「作ってくれないならいーよ、別に。その代わりに今日は一日中、寝てるから」
「く……お金あげてるだけで十分でしょうが」
「いいじゃないか。女の子の手料理のほうが精がつくってもんだよ」
 猫巻はラジオのスイッチをオンにした。
『今日デビューのネコマキオーが注目の第二レースです』
「はは、あんたと同じ名前じゃないの」
「そうだよ、だから、縁起がいいだろ。百万投資したんだよ」
「やってらんないわ」
 佳織は冷蔵庫を開いた。ミネラルウォーターしか入っていなかった。
「何にもないじゃないの」
「だから、買ってきて。何でもいいよ」
「くそ、このグータラオヤジ」
 佳織は歯を噛み締めた。

「いやー、生き返った。ネコマキオーは敗れたけど、佳織ちゃんは料理がうまいもんだねえ」
「これに懲りたら、ギャンブルなんてほどほどにしときなさいよ」
「まだ三十回ぐらい負けただけじゃないか。二千万ぐらい負けたぐらいで引き下がらないよ。僕は」
「誰のお金だと思ってるのよ。ひとつ言っとくけど、私、もう以前ほどお金を稼げないわよ。警察に摘発されて、つぶれちゃったから」
「いいじゃないの、佳織ちゃんが個人的にやれば。五人も相手にすれば五十万。毎日続ければそれなりの収入になるだろ」
 猫巻は何でもないことのように言った。
「あんた、少しは女の子の体のことを考えなさいよ。心のほうもね」
「気にしてるさ。佳織ちゃんはセックスするのが好きなんでしょ。好きなことしてお金をもらえるんだから、幸せものだよ」
「ほんとに何もわかってないのね。私はあんたとするセックスが好きなのよ。あんた以外の奴とやるなんて好きなわけないでしょ」
「てことは、佳織ちゃんは俺に惚れてるってことか」
「そうよ。悪い?」
「悪かないけどさ。佳織ちゃんも変わってるねぇ」
「あんたに言われたきゃないわよ」
 佳織はさりげなく猫巻のほうに身を寄せた。
「ね、いいでしょ?」
「しょうがないな。やってあげるよ」
 猫巻は佳織の頭を撫でた。二人は裸になって、ベッドに転がった。唇を重ねあう。
「ん……あん……ん……」
 猫巻の指が乳首に触れてくる。体全体に快感が届いた。
「あん……やっぱり、上手ね……」
「佳織ちゃんのことは全部分かってるからね。ほーら」
 猫巻は佳織の肩にキスをした。両手で胸に触れる。グッと体の奥に刺激を伝えていった。
「は……ああ……すご……」
 猫巻は佳織の上に跨って、イチモツをあてがった。かなり大きい。
「早く入れなさいよ」
「少しならさないとね。そーら」
 先端で入り口のあたりを刺激した。
「ああん……それいい……あう……感じちゃう……ああん」
 中が濡れてくる。猫巻は大きなイチモツを中に押し込んでいった。
「佳織ちゃんの一番感じるところだけを攻撃してあげる」
「ああ……そんなことしたらすぐいっちゃうじゃない……きゃあ……ダメダメ、そんなとこ……ああん……」
 佳織は無我夢中に足を開いた。猫巻の腰の動きは止まらない。
「ダメなの……それ以上は……やめられなくなっちゃうじゃないの……ああ,ダメなのに」
 イチモツは容赦なく子宮口を押し上げてきた。
「行くよ。僕の精子」
「ああん……熱い」
 中が精子で満たされた。イチモツが引き抜かれる。佳織は停まりそうな心臓を慰めるように息を吐いた。

   十三

 真由がいなくなった。それを知った父親は激怒した。必ずや真由を探し出してやると心に誓った。
「美由、大人しく家にいなさい。性欲が抑えられなくなったら、このバイブを突っ込むんだ。分かったね?」
「は、はい」
 父親は出かけていった。恐らく、一時間は帰らないだろう。美由はすぐに山中の電話番号を調べて、電話をかけた。コール音数回の後、山中が電話に出た。
「もしもし」
「山中君だよね? 美由だけど」
「美由さん?」
「うん、あのね、今から、家に行ってもいい?」
「え、僕のところに?」
 突然のことで山中は戸惑った。美由に何かあったのだろうか。居間では山中の母が漫才を見て、ゲラゲラと笑っている。
「ダメ?」
「いいよ。家、分かる?」
「分かんない」
「じゃあ、駅前に来てよ。迎えに来るから」
「うん、ありがとう」
 電話が切れた。山中は急いで、歯磨きをして、顔を洗った。慌てすぎて、歯磨き粉を飲み込んでしまう。
 ――おえ……。それより……ここも洗っておいたほうがいいかな。
 イチモツも洗っておいた。それから、すぐに家を飛び出した。駅前に向かう。真由はすでに来ていた。
「ごめん、待った?」
「ううん」
 美由は山中の腕にしがみついた。
「どうしたの? 何かあった?」
「お父さんが怖くて……」
「お父さんが……」
 なぜだろう。父親と決闘しなければならない日が近い気がした。拳を握り締める。
 とりあえず、美由を家に連れてきた。
「ちょっと待ってて」
 山中は母のことを気にした。ばれると色々面倒だ。母はテレビに夢中だった。問題ない。
「いいよ、美由さん、二階に来て」
 美由を自分の部屋に連れて行った。
 ――良かった。片付いてるや。
 昨日、掃除しておいて正解だった。山中は座布団を持ってきた。
「美由さん、お父さんと何があったの?」
 山中は美由の隣に座った。
「山中君、私のこと、もらってほしいの」
「えー!」
 山中は驚いて、大声を出した。
「お嫁さんにしてほしいの」
「あのあの、ちょっと待って。お嫁さんってことは結婚? 同棲するってこと? えー!」
「一緒に暮らしてくれる?」
「それはあの……でも、まだ中学生だし、せめて、高校卒業してから」
「約束だよ」
 美由は山中に飛びついて、耳を優しく噛んだ。
「ねえ、どんなエッチがしたい?」
 突然、美由が尋ねてきた。
「え?」
「山中君の好きなエッチをしてあげたいから。どんなのがいい?」
「そう言われると……うーん、普通の……かな」
「普通でいいの? どんなことでもしてあげるよ」
「普通がいいです。普通……なのかな。その、また、口の中で……」
「うん、いいよ」
 美由は山中の股間に顔を近づけた。ズボンをずらして、イチモツを取り出す。手で軽くいじってから、口に含んだ。
「そ、それがいい。僕のに夢中になってる表情とか……」
「こう?」
 美由はおいしそうに先端を舐め始めた。
「は、はい。すごくいい感じだと……個人的に」
 舌が優しく撫でてくる。
 ――す、すごい、数日前はまさかこんなことが出来るとは思ってなかったけど。僕って、もしかして、今、人生の勝ち組に入ってる?
 美由に奉仕してもらえるなんて夢のようだ。
「美由さん、いっちゃうけど……いい?」
「ん……うん」
 美由は口に含んだまま、頷いた。吸引力が強くなる。先端が熱くなって、精液が飛び出した。
「ふう……」
「ん……んぐ……ちゅ……んん……」
 美由はこぼれた精液も綺麗に舐め取った。
「だ、大丈夫なの、飲んでも」
「おいしくないけど。興奮するから」
 美由は体を起こして、足を開いた。下着が透けて、わずかに奥が見える。
「こんなに濡れちゃったから、いきなりでも入るよ」
「う、嬉しいけど、いったばかりで。あ、そうだ。えっとね、ベッドに座ってくれる?」
「え? うん」
 美由はベッドに座って、下着を取った。ドロドロと体液が漏れ出している。山中は床に座って、舌を這わせた。
「ひゃう……」
「どう?」
「うん、いいかも。くすぐったい感じがして」
 山中は唇でクリトリスにキスをした。
「ん……んあ、いいかも……すごく」
 ドッとまた溢れてくる。山中はそれを舌で受け止めた。舌を奥のほうに侵入させていく。
「はあ……ムズムズして、体がはねちゃうよ……」
 舌が感じるところに触れてきた。舌が撫でるように動く。
「ああ……そこいじられると……いっちゃう」
 執拗にその部分を抉ってくる。体が熱くなってきた。
「あぅぅ……いっちゃう。きゃあ、ほんとにいっちゃう……ああん……」
 ビクビクと中が動いた。山中の舌が引き抜かれる。
「あう……こんなに早くいっちゃうのは初めてだよ」
「それぐらい気持ちよかったってこと?」
「うん、そうかも」
 美由はベッドに横になった。山中が上にかぶさってくる。
「美由さん、僕からも言わせて」
「え?」
「僕と結婚してほしい」
「うん」
 美由はコクリと頷いた。
Posted by K5 ◆Gy/l3.HlSE at 2010年09月12日 23:59
 真由を執拗に追っていた父は聞き込みの末、ようやく真由が降りた駅を確かめた。
「ここに真由が来ているのか」
 写真を見せながら、聞き込みを始める。呉服屋のダンナが「あっ」と声をあげた。
「ご存知ありますか?」
「そういや、聞きに来たよ。六丁目はどこかって。それで教えてあげると、ありがとうございましたって、今時、人のいい可愛い子ちゃんだったよ」
「六丁目を聞いたんですか?」
「ああ、六丁目といえば、旅館が連なっているとこだよ」
 父は呉服屋を出て、六丁目を目指した。聞くと、旅館が多くて、男女がよく密会しているということだった。
 ――真由に手を出す奴は許さない。
 父は憤慨して、しらみつぶしに旅館を当たった。
「さあてねぇ、そんな子はいないと思いますけど、誰がどう出入りしているか分からないので」
「この写真の子なんですが」
「うーん、どうだったでしょう。自信はありません」
 とりあえず、聞き込みだけにとどめて、次に向かった。次の旅館は大きな木の柱がロビーにいくつかある古風な旅館だった。庭に池がある。
 父はロビーに入った。そのとき、遠くで真由の姿を捉えた。自動販売機からお茶を取り出していた。
「真由、そこにいたか」
「え、お父さん?」
 父がこっちに近づいてくる。真由は反射的に父から逃げた。廊下を走って、L292の部屋に急いだ。父がかなりの速度で追ってくる。角を曲がって、部屋に飛び込んだ。鍵を開けたままにしておいて、正解だった。
 父が角を曲がったときには真由の姿は見えなかった。
 真由は部屋に戻るなり、その場に膝をついた。
「真由ちゃん、どうしたんだい?」
「お父さんが……追ってきて……それで走ってきて……お茶は買えたけど」
 かなり息を切らしていた。
「そうか、じゃあ、鍵を閉めとこうか」
 部屋の鍵を閉めて、真由を中に入れた。机には大量の書類が積まれている。
「でも、愛があるんだねえ。ここまで娘を追ってくるなんて」
「そうかなぁ、いきなり変なことしたりするんだよ」
 ドアがノックされた。ドンドンとかなり強くノックされる。恐らく、父だろう。
「真由ちゃんはえーっと、押入れに」
「はい」
 真由は押入れに隠れた。浩二は真由の靴を部屋の中に隠して、戸を開けた。
「すみません。失礼ですが、ここに女の子が入ってきませんでしたか?」
「女の子? いえ来てませんけど」
 父は案の定、靴を確かめていた。男の靴しかないのを確認して、
「そうですか、それは失礼しました」
 部屋を出て行った。浩二は鍵を閉めて、部屋に戻った。
「もう大丈夫だよ」
「うぅ、怖かった」
 真由は四つん這いで押入れを出て、浩二に寄り添った。
「でも、この分だと、しばらくは安心出来ないかもね」
「ここで泊まってもいい?」
「構わないけど、家のほうに連絡いれなくて大丈夫かい?」
「お母さんに電話入れとくよ」
「朝から何も食べてないでしょ、何かご馳走するよ」
「うん、浩二さんは優しくてすごく頼りになるね」
 真由は浩二に飛びついて、唇を奪った。

 浩二は何気ない素振りで部屋を出た。軽く驚く。父が廊下で待っていたのだ。目を光らせている。浩二は何気ない素振りで、鍵を閉めて、父のほうに近づいた。
「見つかりましたか?」と尋ねてみる。
「この部屋のもの全員に話を聞きましたが、誰もいないといいました。でも、人が煙のように消えるはずがありません。誰かが嘘をついているのです。そこで、ここで出てくるのを待つことにしました。三日でも四日でも待ちます」
 すごい執念だと思った。真由を匿っているのが悪い気がしてくる。
「それは大変ですね。どういう経緯かは知りませんが、警察に話すか、ロビーに話を通したほうがいいのでは?」
「いえ、すごく私的なことなので」
 ロビーに行っている間に真由を外に出そうとしたが、失敗した。父の目はまだ浩二を疑っている色がある。
 ――あまり長く外に出ているのは危険だな。
 浩二は仕方なく、適当なものを買って、部屋に戻った。父はまだ目を光らせていた。
「パンでもどうですか?」
 浩二はさりげなく、言った。
「いえ、大丈夫です。携帯食がありますので」
「そうですか」
 本当に何日もいるかもしれない。浩二は部屋に戻った。

「お父さん、ずいぶん、長いこといるみたいだよ。夜はカニを食べさせてあげようと思ったけど、外に出られないね」
「うぅ、カニ食べたかった」
 真由はメロンパンを齧った。
「もし、本当に二日もいられると厄介だよ。どうやってここを出ようか。変装するか、ダンボールの中に入ってもらうか」
「夜になったらきっと帰るよ。大丈夫」
 真由はそう言ったが、父は午後七時になっても、帰らなかった。夕食をキャンセルして、浩二は部屋にいた。
 仕事がまだ山のようにある。それもしなければならなかった。
「ねえ、浩二さん。早くエッチしよ。まだ終わらないの?」
 隣で真由は眠そうにしていた。
「待ってね、もう少しだから」
「そんなの後でいいよ。一回だけ息抜きだと思って」
「ほんとにほんの少しだから」
 今いいところに差し掛かっていた。真由は頬を膨らませて、書類を取り上げてしまった。
「あ、コラ、ダメだよ、真由ちゃん」
「だって、もう我慢出来ないもん。一回だけ」
「うーん、じゃあ、一回だけだよ」
「うん、一回だけ一回だけ」
 真由は下着を取って、布団の上に寝転がった。
「いっぱいちょうだいね」
 真由は大胆に足を開いた。思いっきり犯されたい気分だった。

 午後十時になっても、父は帰らなかった。浩二が外に出ると、すぐ父の目が向いてきた。
「大変じゃないですか?」
「いえ、娘のためですので」
「そうですか」
 水を買って、戻ってくる。
「一本どうですか?」
「いえ、携帯飲料水がありますので」
「そうですか」
「あの、つかぬことをお聞きしますが、あなた、真由を知っていませんか?」
「真由? いえ、存じてないですが」
「本当ですか? 本当は真由を知っているんじゃないですか? 部屋を見せてもらえませんか?」
「知りませんよ。それに赤の他人に部屋を見せられるわけないでしょう」
 浩二は内心ビクリとしたが、はっきりそう言って、部屋に戻った。
 ――声をかけすぎて、逆に不審がられたかな。
 真由は裸になって、自慰行為に耽っていた。
「おかえり、浩二さん」
「君のお父さん、まだいるよ。やっぱり何とか手を打たないとな」
「そんなの後でいいよ。エッチした後にゆっくり考えよ」
 真由は浩二を押し倒して、唇を奪った。
 行為の後、浩二は服を身につけて、思案した。
 ――窓から……でも、ここは二階だからな。変装と言っても、通用するかどうか。友人を呼んで何とかしてもらうか。
 浩二は携帯電話を取り出した。誰を呼ぼうか、メールリストを開く。
「女の人、いっぱい……」
「仕事上の相手だよ」
「ほんとに? 浮気してない?」
「浮気も何も、真由ちゃん以外に相手はいないよ。真由ちゃんこそ、浮気したんじゃない?」
「うぅ……ごめん」
 浩二は友人のところにメールを送信した。

 午前二時頃だった。ドアがノックされる音がして、浩二は目を覚ました。体が重い。真由が腕にしがみついていた。それを離して、衣服を身につける。
 ――真由さんのお父さんか。
 恐る恐るドアを開く。すると、そのドアを強引に開いて、父が中に入ってきた。
「失礼します」
「あんた、何勝手に入っているんだ」
 父は部屋に入って、明かりをつけた。明かりに真由は目を覚ました。父は布団をめくり取った。真由の裸体が晒された。
「やはりそうだったのか?」
 ――しまった。
 浩二は部屋に戻った。真由が寝ぼけた様子で上体を起こした。
 父は浩二に近づいて、お腹に強烈な突きを入れた。一撃で意識が飛ぶ。
「悪い子だ。こんなところで」
 父は真由の服を拾い上げた。真由はようやく意識を取り戻した。倒れた浩二に駆け寄る。
「浩二さん、どうしたの、何があったの?」
「真由、こんな男としてたのか。何回やったかいいなさい」
 父親が近づいてくる。
「そんなの私の勝手だよ」
「悪い子だ。いった回数だけ、いかせないとな」
「やだ。浩二さん、起きて」
 肩を揺らすと、浩二はわずかに反応した。
「真由ちゃん、逃げるんだ……」
「逃げろって、一緒に」
 腕を引っ張られる。父は真由を布団の上に押し倒した。
「すぐに浄化しないと」
 父はイチモツを取り出して、強引に押し込んできた。
「やあ……お父さんなんかとしたくない。したくない……ああう……」
「嘘をつけ。こんなにしたがっているじゃないか」
 父は奥まで押し込んで、腰を動かした。
「あん……そこ擦っていいのは浩二さんだけなのに……」
 浩二が目を覚ます。硯石を取り上げて、父の頭を殴りつけた。
「真由ちゃん、早く服を着るんだ」
「ぅぅぅ、大丈夫なの?」
「大丈夫さ。さあ、行こう」
 父を放って、二人は旅館から出た。
「すみません、急を言って悪いんですが、急用が出来たので、出ます」
「急ですね。またお越しください」
 浩二は真由の手を取って、外に出た。この時間帯はろくな交通手段がない。友人に協力を仰ごうとしたが、携帯電話を置き忘れてきた。
「とにかく電話ボックスに走ろう」
「うん」
 父が宿を出て、追ってきた。
「コラァ、真由を返せ!」
 すごい勢いで追ってくる。手に凶器を持っていた。
「お父さん、もう止めてよ!」
 真由が叫ぶ。けれど、声は何の効果もなかった。草むらに入る。
「真由ちゃん、あの溝の下に入るんだ」
 言われたとおり、草むらをかきわけて、溝のほうに向かった。大きな溝で人が楽に通れる大きさがある。
「浩二さん」
「早く行くんだ」
 浩二は父と組み合って、草むらに落ちた。
「ぅぅぅ……」
 見ていると怖くなった。真由は背を向けて、溝のほうに走った。暗くて何も見えない。ねずみが足元を抜けていくのが分かった。しばらく行くと、向こう側に出た。上がると、知らない学校が見えた。
 運動場に入って、茂みに腰を下ろした。体が震える。
「ぅぅ……一人はやだ……」
 数分が経過した。物音ひとつない。
「浩二さん、まだぁ」
 学校を出て、溝に戻った。溝の奥からうめき声が聞こえてきた。
「浩二さんだ」
 真由は溝の奥に走った。よろめきながら歩いている人がいる。
「……やあ、真由ちゃん、無事でよかった」
 浩二は壁にもたれて、座り込んだ。かなり息が切れている。
「怪我してるの?」
「ちょっとね……」
 真由は隣に座って、身を寄せた。暗くてよく分からないが、浩二のおなかのあたりが濡れているのが分かった。
 そこに手を当てる。生々しい血の感触がした。
「な、何、この血……」
 真由は手のひらを見つめた。手が震えてくる。
「僕の……血……だね。もう助からないかも」
「嘘……ダメだよ、しっかりして」
「最後の仕事を……僕は女の子にもてなかったから、仕事ばかりしてきた。おかげで、たくさんのお金を稼ぐことは出来たけどね、でも、ダメなんだ。どうしても、その先に進めないんだ。やっぱり、男には女の子がいないと、何をやっても、どうしても、先に進めないんだ。真由ちゃんは僕の女の子になってくれるかい?」
「なるよ。なるからしっかりして。もっと一緒にいよ」
 真由は浩二の肩を掴んだ。
「真由ちゃん、僕の子供を産んでほしいんだ。真由ちゃんに」
「うん、産むよ。浩二さんの赤ちゃんなら、絶対に」
「そうかい、今、出来るかい?」
「うん、出来る」
 真由は浩二の上に乗っかった。イチモツをあてがって、入れていく。浩二は真由の腰を掴んだ。
「妊娠してくれるかな」
「ぅぅ……絶対するから。そしたら、三人で一緒に。ね、絶対」
「そうだね……」
「ん……はあ……奥に来てる……もうちょっとで届く……よ」
 中を押し広げて、イチモツが上下した。クチュクチュと内部に音が響く。
「ああん……届いてる……浩二さん、いつでも……ん……大丈夫だよ」
「うん……じゃあ行くよ」
「あっんん……熱いのが……入ってきてる……」
 熱いものが体の奥に流れ込んできた。隙間から精液が漏れてきた。
「きてるよ……浩二さんの……」
 真由は繋がったまま、状態を落とした。
「ありがとう、真由ちゃん、僕を忘れないように……」
 浩二が目を閉じる。真由はそのまま力を抜いた。
「ぅぅぅ、まだ出来るよ、私……」
「真由、助けに来たぞ」
 父の声がする。
「悪い子だ。こんな死に損ないとするなんて。すぐに浄化しないとな」
「やあ……浩二さんの赤ちゃんを汚さないで……」
 父のイチモツが入ってくる。真由は反射的に拒絶した。父を撥ね飛ばして、溝の奥を目指す。
「こら、待つんだ」
「私と浩二さんの子だから。誰にもあげない。絶対に、絶対誰にも……」
 真由は懸命に走った。守らなければならない。その思いだけで走った。
「真由、もう逃げられんぞ」
「やだ、絶対ダメ。浩二さんのが受精するまで絶対に……」
「そんなことさせるか。すぐに浄化だ」
 父は力ずくで真由を押さえつけた。
「浩二さん、助けて。赤ちゃんを守って!」
「赤ちゃんなど、作らせてたまるか」
 父はイチモツを取り出して、真由の中に入ろうとした。
「いやー、浩二さん、助けて!」
「ぐっ!」
 父親は打撃を受けて、溝のほうに転げ落ちた。
「え?」
 体が掴まれる。
「真由ちゃん、振り向かないで、そのまま走るんだ。ここを出て、もう二度とここに戻ってきてはいけない」
「ぅぅ、でも浩二さんに会いたいよ……」
「僕ならここにいる。真由ちゃんの中に。さあ、走って」
「うぅ……」
 真由は立ち上がって、走り出した。走るというほどの力はない。ゆっくりとトンネルの奥を目指した。
「待て、真由」
「行かせないよ。ここは僕が命をかけて守らせてもらう」
「死に損ないのお前に何が出来る」
「命を賭けたから出来るのさ」
「うぅ、浩二さん、もう走れないよ……」
 膝をつきそうになる。
「僕がいるよ。さあ、肩に掴まって」
「うん……」
 溝を出た。まるで夢から覚めたように冷たい空気が頬を撫でた。後ろからは物音ひとつしない。
「……」
 真由はその場で膝をついた。
Posted by K5 ◆Gy/l3.HlSE at 2010年09月12日 23:59