「エコキュート」などの名前で普及が進んでいるエネルギー効率の高い湯沸かし器をめぐり、設置した家の隣に住む人から「機械の音が夜通し聞こえて眠れない」といった苦情が相次いでいることがわかり、業界団体は設置方法に関するガイドラインを作って対策に乗り出すことになりました。
「エコキュート」などの名前で販売されている電気を使った湯沸かし器は、エネルギー効率が高いことから、地球温暖化対策の一環として国が補助金を出し、これまでに240万台以上が普及しています。一方で、エアコンの室外機に似た空気を圧縮する機械が夜も稼働するため、設置した家の隣に住む人などから「低い音が聞こえて眠れない」といった苦情が相次いでいました。業界団体が国の要請を受けて実験をしたところ、隣の家との距離が近く、左右が囲われたような場所に設置した場合は、隣の家の中でも騒音レベルが32デシベルと、人によってはうるさいと感じる程度になることがわかりました。これを受けて、業界団体は、騒音被害が生じないよう、▽設置場所を事前によく検討するほか、▽振動が起きないようコンクリートの上に据え付けるなどとするガイドラインを来年春をめどに設けることを決めました。エコキュートなどをめぐっては、人には聞こえにくい低周波音による被害もあるという指摘があり、環境省が低周波音の人への影響について今年度から調査を始めることにしています。