野球:新人王候補は元肥満児=斗山ヤン・ウィジ捕手(上)

今季新人王の最有力候補とされている斗山の捕手、ヤン・ウィジ選手が先月31日、蚕室球場でキャッチボールをしている。同選手は「攻撃でも守りでも優れた捕手らしい捕手になりたい」と力強く語った。

 今季の韓国プロ野球で最も有力な新人王候補として注目を集めているのは、斗山の捕手、ヤン・ウィジ選手(23)だ。同選手は新人とは言いがたい新人だ。なぜなら2006年に斗山に入団して以降、07年にはわずかではあるものの、1軍で3試合に出場しているためだ。当時の打撃成績は1打数無安打にすぎなかった。そんなヤン選手が復活を遂げている。

 ヤン選手は光州のソンジョンドン小学校4年のとき、野球を始めた。「太っていたため、ダイエットをしようと野球部に入ったんです。身長1メートル55センチに体重が70キロほどありました。監督から捕手をするように言われました」。その後は中高と引き続きマスクをかぶった。

 真面目で安定感のある捕手だったが、実力がネックだった。「いいチームに行くには何かが足りず、だからと言って辞めるには惜しい、いわば中途半端な実力だったんです」。ヤン選手はプロ行きを決心した。どうせプロに入るなら、あえて大学へ行く必要はないと考えた。

 06年のドラフトでは第2次8順目と、全体の59番目で斗山に選ばれた。それは2軍行きを意味していた。2軍では何度もやめようと思った。炎天下の下、一日中野球ばかりしていたが、1軍の試合に出場できなかったからだ。

 「面白くなかったんですよ。工事現場で働くか、どこかでアルバイトでもした方がましだと思ったんです」。そんなヤン選手に勇気を与えてくれたのは両親だった。大企業に勤める父は、ヤン選手が中学生のとき、野球をやめるよう説得した。

 しかし、野球をやりたいと泣きすがる息子をやめさせることができず、結局生活費の大半を割いて子どもの野球をサポートした。ヤン選手は、苦労した両親、野球がしたくてもできない友だちのことを思いながら、軍隊入隊を決意した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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