北陸新幹線の県内延伸問題を巡り、県議会代表質問で9日、自民系会派「自民党県政会」の議員が質問中に同会派と民主系会派「民主党・一志会」の議員間で不規則発言の応酬となった。さらに「バカヤロー」発言も飛び出して紛糾、午後の議会再開が約45分遅れる騒動に発展した。【安藤大介】
北陸新幹線の県内延伸については、昨年の政権交代でいったん白紙となり、民主政権は今夏までに結論を出すとしていた。高速増殖原型炉「もんじゅ」の運転再開の判断に際しても西川一誠知事が早期整備を国に要望したが、国土交通省が先月発表した来年度予算の概算要求には、金沢-敦賀間の新規着工分が盛り込まれなかった。さらに敦賀以西の整備の「検討の必要性」まで明記され、実現へのハードルが一段と高まっている。
この日の代表質問では、自民の田中敏幸県議が現状への憤りを表明。「政権交代以降、民主党の本県選出国会議員、県議は一体何をしていたのでしょうか」などと指摘し、知事の認識を問うた。
だが田中県議の質問の最中から「誰が先延ばししてきたんや」「森喜朗(元首相)に言え」などと不規則発言が相次ぎ、責任の押しつけ合いになった。さらに民主の藤野利和県議が、議席から「バカヤロー」と発言。これが問題視され、藤野県議は遅れて始まった午後の本会議冒頭で陳謝した。
一方、田中県議の質問に対し西川知事は「年末を待つことなく最大限努力し、県内一丸となって、政府に対して改めて県民の熱意を伝え、実現を強く求めて参ります」などと答弁した。
毎日新聞 2010年9月10日 地方版